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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第70話 下積み冒険者は異変の理由をしる

師匠がギルドに入ってきて声をあげる。


「緊急事態です、ギルドマスターを呼びなさい」


「別件で既に呼びにいってるからもうすぐ来る」


ドワ子が師匠に答える。


私も師匠に近寄り尋ねる。


「師匠、どうしたんですか? もしかして森の異変と関係が?」


「気がついたの? 今は一刻を争うわ、ギルドマスターに説明するから少し待ちなさい」


ここまでいうからにはかなり状況は悪いのだろう。大人しく引き下がり待っているとメガネがやってくる。


「ツバキ殿とレジュメ君の呼び出しとは何事ですか?」


師匠と顔を見合わせ、頷き、どうぞと手のひらを返し、師匠を促す。


ドワ子より偉いのだろうと思ってはいたがメガネはギルドマスターだったらしい。


「あの勇者気取りの馬鹿共がキラーアントの巣にちょっかいをだしたわ」


「彼らはどこです?」


メガネが職員達を見渡すとドワ子が一歩前に出て答える。


「さっきカウンターに来て拠点を変えるから村を離れるって言ってた。焦ってたから多分逃げた」


メガネが舌打ちをして師匠の方へと向き直す。


「彼らが何に手を出したかわかりますか」


蟻系の魔物が巣を形成しているように魔物が大きな群れを作っている場合、魔物を攻撃して殺しきれないときに魔物が報復行動にでることがあることが確認されている。


ヒエラルキーの下位種は問題ないが上位種の場合、指揮下にある下位種を引き連れて報復に来る。今回で言えばキラーアントなら大丈夫だがナイトキラーアントにちょっかいをだすと下位のルークキラーアントや普通のキラーアントを引き連れ復讐をしにやっていくるのだ。


一番最悪なのはキングやクイーンなどの王種の報復でその場合群れの全てが参加する他、それに巻き込まれ多数の魔物が大移動スタンピードに発展する危険性さえあるのだ。


師匠の口が開かれるのがゆっくりに見えた。


「女王です」



ギルドが静寂から一転、悲鳴や怒号がまき起こる。


「そんな……」


「ふざけるな! 何をしてやがる!」


「何が勇者だ。くそったれ!」


師匠が続ける。


「レジュメも森の異変に気付いたらしいわ。森にも影響が出始めています。蟻たちが動き始めたんでしょう。猶予はないわよ」



この日第3開拓村に大きな災厄がふりかかることになる。

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