第67話 下積み冒険者はコボルトに挑む
師匠の話によるとキラーアントの巣は私が普段狩りをしている表層より奥の半日分ほど中に入った中層で見つかったらしい。
最近魔物の発生分布に変化が起きてきており、冒険者ギルドから師匠に調査の依頼があり発見したそうだ。
まぁ、Eランク冒険者の私には関係の無い話だろう。その話を半ば他人事のように聞き私は討伐と鍛錬の日常を送った。この時にもっとこのことを真剣に聞かなかったことに後に後悔することを知らずに。
私は単体であればホブゴブリンも討伐できることがわかったが、複数となればまだ厳しいだろうと注意しながら今の第2表層での狩りを続けることにした。
単独のホブゴブリンを討伐していくなかもう1体のEランク相当の代表的魔物に遭遇した。
ゴブリンより低い身長に、体を覆う毛皮、尖った耳に、牙が生え揃った突き出た口、コボルトである。
コボルトが2体森の中を探索していた。
クレイドルでのコボルトはオランウータンの体にブルテリアのような顔立ちをした頭がついているらしい。
チワワやプードル、ビーグルとかじゃなくてよかったけどあれはあれで攻撃しづらいな。
(ウルフはいいのに犬はだめなの?)
確かにその通りだ。ウルフのときは切羽詰まっていたし、いざ戦いになれば気にならなくなるだろう。
(いや、大丈夫だ。コボルトも魔物、討伐するよ。よし、コボルトはEランク相当、身長は1メートルくらいだろう)
(コボルトも連携してくるらしいから気を付けてね)
(わかってる)
連携は怖いがホブゴブリンを討伐するようになってレベルもあがっているし、2体なら1体を投擲で足止めできれば問題なく討伐できるはずだ。
幸いコボルトはまだ気づいていない。今森の中は体感できるほどの風もなし、人型の分ウルフよりは感覚が鋭いことはないだろうし嗅覚で気付かれる可能性は高くはないだろう。
身を潜めながらコボルトが分断しやすく、なおかつ狙いやすい位置に移動するのを待つ。
腰のベルトからナイフを手に取り握りこむ。
(大丈夫、あれだけ練習したんだから当たるよ)
そうだ、まだスキルはないが命中率は上がってきている。いけるはずだ。
よし、ここだ。
少しでも分断できるように後方のコボルトに狙いをつけ投げナイフを投擲すし、放つと同時に『鑑定眼』をかける。
・コボルト
レベル8
・コボルト
レベル7
コボルトはほぼ同時にこちらに気付き顔をこちらに向ける。
後方にいたレベルが低い方のコボルトはこちらに顔を向けると同時に右目にナイフが直撃し、悲鳴をあげる。
よし。
本当は胴体を狙ったのだが少し力んだせいかズレが生じた。
今回は逆にラッキーだったが狙いを外さないようにもっと練習をつまなければ。




