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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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閑話 鍛冶師 黒田 太一 上

俺の名前は黒田太一。22才、職業、鍛冶師だ。


俺は日本人で5年前まで高校生だった。

親が祖父の代から続く小さな町工場を営んでおり。長男の俺も高校を卒業するとともに職場に入るものだと思っていた。


高校二年の春、今思えば彼女もでき浮かれていたのだろう帰宅中彼女と無料通話アプリで連絡を取り合い歩きスマホをしていて俺はトラックに追突された。


追突されたのだと思うクラクションの大きな音がしたと思ったら光に包まれ気がついたら異世界の町のなかだ。


その時は状況がわからず慌てふためいたが言葉は通じたし、何故か財布の中身がこっちの通貨になっていたおかげで危機的な状況に陥ることはなかった。


彼女のことは本当に心残りだが返る手段がない。家族にも申し訳ないが、ミュージシャン志望だった弟に工場を継がせてもらいたい。


ここがクレイドルという異世界であり、アインスとよばれる人族の多い都市だということがわかり、今後どうやって生活していくか考えなくてはいけなくなった。


今持っているお金もすぐになくなる。行動するなら早くした方がいいだろうと若干の期待を胸に冒険者ギルドにいってみだが周りの冒険者はがたいもよく、明らかにならず者もおり、ギルド嬢に戦闘経験があるか聞かれ、ないと答えるとやんわりやめた方がいいと言われた。さらに、カウンターの横にまるで交通安全センターにある今月の交通事故による死亡者数のように冒険者の死亡数が貼られていたのを見て一気に憧れが冷めた。


その後職人ギルドに登録し、『鍛冶』、『魔道具作成』、『魔力操作』のスキルが発現し、鍛冶師見習いになることになった。 元々実家は鉄を扱っていたのだ俺にも多少の適正はあるはずであると思い職人の道を目指す。


アインスの鍛冶師の元で1年ほど修行し、なんとか武器を作れるようになった。練習で好きに武器を作らせてくれるようになったので日本やゲームの知識を元にいろいろな武器を作った。師匠はまだまだだと言っていたがこっそり俺が作った武器を真似したり自分のものとして客に売ったりしていたのを俺は気づいていた。


鍛冶師になって3年がたち俺の行動が職人ギルドのサブマスターから問題視されるようになっていた。原因は俺が武器に魔道具としての機能を組み込むようになったことだ。俺は武器に命を預ける冒険者の死亡率が少しでも下がるようにと魔剣や魔装などを作ったのだがそんなものは伝統的な鍛冶師の作るものではないとやめるようにいってきたのである。

しかし俺はやめることはしなかった。俺は間違ったことはしているつもりはないし、自分の贔屓にしている職人の売り上げが下がったら困るという自分本意な考えだろう、ああいう奴こそ老害といわざろうえない。

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