第65話 下積み冒険者は遠距離攻撃を考える
岩川君たちと遭遇し、目処をつけて開拓村まで戻ってきた。
買い物のために早めに戻ってきたので討伐報告や鍛錬は後にしてギルドにはよらずにそのまま店へと向かう。
探すのは遠距離武器だ。威力はなくても牽制に使えればそれでいい。まぁ、威力があるにこしたことはないが。
弓を手に取り構えてみる。
遠距離攻撃としては一番オーソドックスなんだが遠近で武器の換装に手間取りそうだし、一定の成果を出すには習熟が必要だろう。
ため息をもらし、弓を陳列棚に戻す。
その他にあるのは投げ槍、投げナイフくらいのものだ。
投げ槍は私の力で上手く扱い切れる気がしないし、投げナイフは物によって長さや重心が違っていて使い回しが難しそうに感じる。
何かピンと来ないので他に何かないか見て回り、何かないかとネコ商人の道具屋にはしごする。
おいおい、何でこんなところにこんなのがあるんだ?
ネコ商人の店の雑貨の中にあるものを発見する。
木材の本体と鉄製の円筒、火蓋に火ばさみ、そして引き金のついた武器、現代主流武器の原型、錆び付いた火縄銃がそこにはあった。
ギルドの訓練場で的を付けた丸太に距離をとって向かい合っている。新しい遠距離武器の練習のためだ。
まずは確実に当てる練習をするために距離は3メートル程度だ。
肩の力を抜き足を肩幅程度に開いて武器を構える。
息を止め、指先に力を力を入れ放つ。
カン
私が投げたナイフは軽い音を立てて丸太に弾かれた。
銃?
あんな錆び付いて暴発しそうな物使いたくないし、ずぶの素人がメンテナンスなんかできるわけもない。弾や火薬を調達できないのに使えるわけがないだろう。
私が選んだ投擲具は投げナイフだ。売られていた投げナイフの中でも何度でも再使用できるような作りのしっかりした物を数点選び、ドワ子に頼んで『彫金』で尻の部分に輪っかを作ってもらい棒手裏剣または苦無のように仕立て、使いやすいようにベルトに装着できるようにベルトも改良も施した。
結果はさっきの通り、刺さらずに弾かれた。
正直投げ方も悪かったと思う。縦回転して飛んでいき刃が綺麗に刺さらなかったのである。
この距離で失敗すると流石にへこむな。
離れたところでマスターがニヤニヤしながらこちらを見ている。
(スキルもないし始めたばかりなんだから仕方ないよ)
ディクトはそういってくれるが悔しい。それに使い物にならないのでは意味がないのだ。練習してスキルを手に入れてやると新しい目標ができた。
こうして私の鍛錬の中に新しい内容が加わったのである。




