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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第63話 下積み冒険者は魔法に対峙する

『鑑定眼』をかけられ、後衛ホブゴブリンもこちらに気がついたようだ。


今回のホブゴブリンは今までのゴブリン族とは異なり気付き次第こちらに向かってくるようなことはなく身構えて、手に持った杖をこちらに向けてきた。


私も丸蛍を抜き構え、いつ魔法が来ても避けられるように体勢を整える。

まずは様子見で攻撃手段を確認するところからだ。いくら魔法とはいえ銃弾ほどの速度ではないはず、実際以前見た冒険者の魔法もそれほどの速度ではなかった。


ホブゴブリンが目を閉じ意識を集中している。おそらく魔法系のアーツは集中力が重要になってくるのではないかと思う。ここで攻撃をしかけ妨害したりするのがセオリーだろうが今回は様子見だ。



魔法が完成したのか後衛ホブゴブリンは改めて杖をこちらに向ける。


「ギャー!」


杖の先に小さな火種が生まれ、次第に大きくなり球状の炎が50センチ位で成長を止める。


(ディクト、『偽装』はもういい、後衛ホブゴブリンはゴブリンメイジタイプと断定、特殊技で『火属性魔法』持ちだ。魔法は集中が必要で妨害できる可能性が高い)


(了解だよ、当たらないように気を付けてね。火属性は火傷とかが怖いからね)


魔法で狙われるという初めての経験に恐怖を覚えないではないが昨日もっと規模の違う戦いを見ている。師匠からも大丈夫だろうとお墨付きをもらった。やってやれないはずはない。


後衛ホブ改めメイジホブが火球をこちらに向けて放つ。


私に向かって一直線に飛んでくる。急速はドッジボール位だろうか。火球の大きさもあいまってそれくらいに感じる。これくらいなら避けられる。問題は誘導性があるかどうかだ。


時計回りに火球のコースを回避して身構える。


火球はそのままのコースで飛んでいき奥の木にぶつかり炎上した。山火事になるのではないかと心配になるが今はメイジホブから目を離せない。


メイジホブは外して即座にまた集中を開始している。しかし、5秒近くは集中しないと魔法を発動できないようである。魔法の強さによるのか、ホブゴフのレベルによるのかは不明だが一対一では5秒というのは致命的な長さだ。やはりメイジゴブリンは複数で活躍するタイプなのだろう。


また発動した魔法は『火属性魔法』で同じ火球だ。流石に複数の魔法は習得していないのだろう。


これ以上時間をかけてランサーホブが戻ってきたら危険なので反撃をする。


さっきと同じだ。私に向けて真っ直ぐくるからそれを避けて近づいて斬る。


「ギャー!」


来た! 先ほどより小さく軸をずらし、ホブゴブリンに近づく。火球を通りすぎる際、より近かったため先ほどは感じなかった熱気を感じる。


直撃したくねぇ!


師匠やマスターみたいに武器で弾くことは出来るのだろうか? 今は危険だから試そうとは思えない。


【一閃】


火球をかわして接近し、ホブゴブリンを袈裟切りにする。魔法の直後で硬直していたため綺麗に肩から胴にかけて切ったが一撃で倒すことはできずローブが破れ、間から血が飛び散る。


その後杖を使って反撃してきたがその戦いぶりは普通のゴブリンと大差はなく無事討伐に成功した。



ディクト魔物図鑑

No.8ー1

ホブゴブリン(メイジタイプ) Eランク(群Dランク)

特徴

身長1.4m

外見は普通のゴブリンを一回り大きくした感じだが筋肉に覆われ、高い知性を得ており一線を画する、『剣術』や『火属性魔法』など多岐にわたる技能を有し、様々なタイプが存在する

レベル 8

タイプ キャスタータイプ

特殊技

『火属性魔法』……5秒程度の時間、静止し意識を集中して火の玉を作り出し、発射してくる。軌道は直線なため読みやすいが威力の詳細については不明

耐性・弱点

不明

出現エリア

アインス第3開拓村北方森第2表層

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