第61話 下積み冒険者は組み手を参考にする
師匠とマスターの模擬戦だがレベルが高すぎて技術的に参考にするのは難しいが基本的なところで私に足りないところなどは多少感じた気がする。遠距離攻撃がないので攻撃手段が限られるのと戦闘や歩法などの根本的な技術不足だ。
師匠とマスターの組み手が終わったので私も自身の鍛錬にうつる。いつもの鍛錬に加えて、『操気術』の外剄の練習を強化、間合いの詰め方など歩き方の研究をすることにした。
改めて考えるとただ歩くというのも意識すると難しい。ああでもない、こうでもないと考えてふと顔をあげると向こうで師匠とマスターがニヤニヤこちらを見ている。
間違いがあれば言われるだろうし、武器が違うから歩法も異なるだろうと自分の中で試行錯誤する。一朝一夕で結果が出るものではないので地道にいこうと思う。
鍛錬を切り上げ夕食をとるために師匠と酒場に行く。組み手を見てどうだったかと聞かれたので正直に思ったことを伝えた。
「私とグスタフの戦いを見て何かを感じれたのならいいわ、若い奴にはあの人は俺とは違うと折れる奴も多いからね。レジュメはその点、才能がある訳じゃないけど一つ一つ試行錯誤しているからね」
ひどいことを言われている気がするが褒められるのは嬉しい。歩法について聞くと自分で試行錯誤してみろと言われた。
「ただ、アドバイスするなら体幹を崩さないように、重心を意識しなさいってことだけね」
アドバイスは頂いたので頑張ろうと思う。ついでに今日の討伐の感想を話題に出す。
「今日初めてホブゴブリンと戦いましたけどあのランクになってくると戦い方が技術的になるんですね」
「そうね魔物もスキルを持つにしたがって技術が高くなっていくわよ、そこが冒険者の1つ目の壁となるかしらね。まぁ、レジュメの場合は私やグスタフに鍛えられているから大丈夫だとは思うけどね」
今日の師匠は組み手の後だからか機嫌がいいらしい。
確かに私は恵まれているのだろう、魔力がないハンデはあるが基礎を叩き込んでくれたマスター、『操気術』や戦い方を教えてくれる師匠と指導者には恵まれていると思わざろうえない。
しかし、それこそ技術的な鍛錬が必要ならば冒険者はもっと訓練場での鍛錬が必要ではないかと思う。
そう師匠に伝えるとその通りねと笑っていた。
なんとか鍛錬が自己強化に繋がるということが冒険者の間に拡がるといいのだが。
自分だって余裕なあるわけでもないのに食事をとりながらそんなことを考えていた。




