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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第60話 下積み冒険者は上位冒険者の模擬戦を見る

ホブゴブリンを倒してギルドに戻り、ドワ子カウンターで清算を済ませる。Eランクからは多少報酬がよくなってくるようだ。


ドワ子が今訓練場に行けば面白いものがみられるというので素直に従っていってみることにする。


訓練場に行くと師匠も帰ってきており、マスターと模擬戦をしていた。よく考えると二人の組み手はみたことがなかったので観戦に徹することにする。


師匠は道着だけ着ていて徒手空拳、対するマスターは訓練用の棍棒と木製の盾を構えている。AランクとBランクの上位冒険者の戦いがどんなものなのか楽しみだ。



ははっ、笑いが出る。


マスターが届かない距離から鎚を振るえば衝撃波が飛んで行き、師匠が避ける。避けられない時には拳で迎撃、師匠も気をみなぎらせ拳を振るうと気の塊が弾となりマスターを襲う。


遠当てや波動拳みたいなものだろうか、『操気術』の応用なら私にもできるようになるかもしれない。思い返してみれば初めて師匠に出会いウルフから殺される寸前で助けてもらった時はこの気弾を使っていたのだろう。


マスターは気弾を盾でガードして防ぐ、よほど威力があるのか盾で受け止めてノックバックされていた。お互いに顔を見合わせ、口角をあげニヤリと笑う。お互い埒があかないと思ったのか接近戦に切り替えるようだ。


師匠が一気に距離を殺し、マスターはどっしり構えたまま切迫する。


今の師匠の動きもおかしかった。速いのはもちろんのことだが上下に身体がぶれることなくスーっと高速で距離を詰めたのだ。特殊の歩法なのだろうか、思い返してみると私は摺り足を多少しているだけで歩法などは考えていなかった。今後考えてみよう。


先に攻撃を仕掛けたのはやはり速度に勝る師匠であった。接近した師匠は速度をのせた左拳を打ち出す。


マスターは右手に持つ盾で受け止めて後方に押し出されながらも、左手の棍棒を振り上げていた。


しかし、師匠の攻撃が単発でおわるわけもなく、さらに踏み込み右手を盾に向ける。掌底かと思ったが先ほどとは違い盾から受け止めた音がしない。

発剄もしくは鎧通しだろう先ほどまでとは異なりマスターの顔が歪む。逆に師匠は楽しそうだ。


マスターが苦痛に耐えながらも左の棍棒を放つと師匠がバックステップで避ける。回避から前蹴りを放つ。それに対してマスターは振り下ろしていた棍棒を逆に振り上げて迎撃する。


師匠の前蹴りはフェイントで浅いものだったらしく迎撃を回避。マスターがどっしり盾を構えていたため左膝が曲がった状態だ。


そこに師匠は右足を乗せ左でサマーソルトキックを入れる。

態勢が崩れたところに身体を固定されて顎に蹴りを受けたマスターは流石にダメージを受けたのか膝をつく。


この人は格ゲーのキャラなのだろうか、マスターが遊ばれてるよ。師匠は化け物だな。

しかしマスターもあれで膝ついただけで鼻血とかでてないし、上位冒険者のスペックは計り知れないな。


その後も接近戦で打ち合っていたが始終師匠が優勢で終わったやはりAランク冒険者の壁は厚いようだ。

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