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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第59話 下積み冒険者はホブゴブリン戦を振り返る

ホブゴブリンは魔石だけを残し、剣や革鎧まで霧散してしまった。


装備までなくなるのかよ。どっから調達したのかと思ったら自前なのか。あんなものまで魔力でできているのかと納得できないがファンタジーだからと思うことにする。


魔石を回収し、辺りを警戒しながら怪我の手当てをする。

痛む脇腹を確認するために道着をめくると道着のおかげで出血はしていなかったが打ち身で真紫になっている。これからさらに広がるかもしれない。


湿布などあるはずもないため傷薬をぬっておく、回復薬も飲んだ後、剄息を整え、内剄によって回復を促す。気功治療と呼ばれるものでまだ私では十分な効果は得られないがしたほうがいいに決まっているので行う。


初めてEランク相当のホブゴブリンと戦ったが思った以上に強かった。これがもし『操気術』を獲得する前だったとしたらぞっとする。


(せっかく付与もしたのに意味なかったね)


ディクトが気落ちして心なしか浮遊している高度もいつもより低い気がする。聞けば風属性の付与も最初のアーツを使った後にすぐ解けてしまったらしい。


(いや、あれは隙もないのに馬鹿正直に攻撃した私のミスだよ。それに今回は防がれたけど初撃だけでも剣速を上げられる効果は凄いよ)


今までの魔物と同じようにただ間合いに入ったから攻撃するのでは駄目だ。隙を狙い、フェイントなども使った方がいいのかもしれない。


(お互い課題が山積みだな。課題があるってことは伸びしろがあることだって誰かが言ってたよ。私たちはまだ強くなれる。頑張ろうぜ)


ディクトの気も持ち直し高度が回復したのを笑顔で見ながらも考える。


あのホブゴブリンの最期だ。自分が殺されるのを承知で相討ち覚悟でこちらに攻撃をしてきた。凄まじい執念だ。魔物の本能か邪神の意図か恐ろしいことだ。これからは残心を心掛けるようにしようと決意する。


あれでまだEランク相当、強さで言えばまだまだ下なんだよな。ゴブリンの上位種とかラノベの主人公なら転移初日で気づかずに倒してるくらいじゃないか、自身の弱さに悲しくなってくる。



体の痛みも引いたが無理はせず、まずはEランク相当は1日1匹として、第1表層に戻り、いつもどおりゴブリンなどのFランク相当を討伐して村に戻った。

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