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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第58話 下積み冒険者はホブゴブリンに挑む

向かってくるホブゴブリンに丸蛍を向け、構えをとる。


【躯体活性】


内剄で気の循環が促進させ身体に力がみなぎる。


ホブゴブリンが遠距離攻撃をしてくる気配はない。振り下ろしの剣速を優先し、上段に構えて間合いに入るのを待つ。


(この一刀に切れぬものなし)


やめて~、私の心を抉らないで。


ホブゴブリンが間合いに入る。


【一閃】


けたたましい音が辺りに響き、金属同士の接触により火花が散る。

ホブゴブリンは剣を両手に持ち、真横に構えて私の斬撃を防いでいた。


ガードされた!?


今まで魔物に避けられることは何度もあったが防御されたというのはこれが初めてだった。魔物も知能が高くなると本能や危機感だけでなく技術を用いるということを実感させられた。


実は先ほどの斬撃は私の現時点での最速の攻撃だったのだ。アーツを併用しただけでなく、丸蛍に風属性を付与して攻撃力の増加ではなく空気抵抗を軽減させ剣速をあげた私なりの全力であったのたがやはりホブゴブリンは手強いらしい。赤くはなくとも角があるだけのことはある。たとえ3倍の速度で動けなくとも。


ホブゴブリンも反撃の袈裟切りをしてくる。その反撃を受けようとして師匠の言葉を思い出す。攻撃を受け止めるのではなく受け流す。


丸蛍の峰に左手をあてホブゴブリンの剣筋に刀身を添えさせ斬撃を反らす。


なるほど受けることによる負担もすくない。さらに反撃に転じやすい。


ホブゴブリンが剣を引き戻す前にその隙をつく。

ホブゴブリンは袈裟切りでそれに合わせたため丸蛍の刀身も下を向いている。攻撃する際前に出た頭を狙い切り上げる。


ホブゴブリンも後ろに下がり回避しようとしたが完全にかわすのは間に合わず額を切られ顔面が血に染まる。


よし、浅かったがいいところに入った。あれなら目に血が入って動きが鈍るだろう。


予想通りその後はホブゴブリンの動きが悪くなり、私の斬撃を受け損ね始め、次第に傷が増えていく。


しかしボロくても鎧を着ているのは厄介だな。鎧のない頭部や腕、足などは裂傷も増え、確実にダメージは与えているはずだけど致命傷にならない。


「ギャッ!」


そこでホブゴブリンも集中力が切れたのか大振りな攻撃で反撃をしてくる。


ここだ!


攻撃を回避し、踏み込んで首を狙う。


【一閃】


刀身がホブゴブリンの首にかかる瞬間その顔が笑っているのが見えた。


右脇腹に衝撃、思わぬ苦痛に声が漏れる。


「がはっ!」


ホブゴブリンが相討ち覚悟で回避も防御も捨てて反撃してきたのだ。しかも無理な態勢だったはずなのにきっちりと反撃をしてくれた。もしかしたらアーツでも使ったのかもしれない。


脇腹を押さえながらホブゴブリンの方を見ると首が半分ほど切れて絶命していた。魔物ながら見事な死に様であった。


ディクト魔物図鑑

No.8ー1

ホブゴブリン(ソードマンタイプ) Eランク(群Dランク)

特徴

身長1.6m

外見は普通のゴブリンを一回り大きくした感じだが筋肉に覆われ、高い知性を得ており一線を画する、『剣術』や『火属性魔法』など多岐にわたる技能を有し、様々なタイプが存在する

レベル 7

タイプ バランスタイプ

特殊技

『剣術』……ただ棒切れを振り回していたゴブリンと異なり武器として扱う技術を持つ、攻撃に対してガードをしたり、フェイントなども行うようだ。アーツのようなものも使えるかもしれないが詳細は不明

耐性・弱点

不明

出現エリア

アインス第3開拓村北方森第2表層

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