第57話 下積み冒険者はホブゴブリンを見つける
ゴブリンを切り捨てたのちホブゴブリン捜索を継続する。ウルフ、スライム、再びゴブリンを討伐して、ついに目的の対象を発見する。
その姿はゴブリンだが通常より筋肉が発達して大きく見える。そして何より木切れや粗末な腰布しか装備していなかったのが剣と革鎧を身に付けている。よくみると剣は錆びているようだし鎧もボロボロだがどこで手に入れたのだろうか。錆びた刃物など切れ味は落ちるだろうが破傷風の危険がある。クレイドルで発症するかは不明だが注意するに越したことはないだろう。
ホブゴブリンは警戒しているのか剣を携え辺りを見渡している。さっきの何か喚いて木切れを振り回していたゴブリンとは別格だ。
(よし、一匹だけだし、一番オーソドックスなソードマンタイプだろう。鑑定して間違いなければ仕掛ける)
(今のレジュメ君の実力なら大丈夫だよ。援護はどうする?)
(そうだな、風付与をいってみよう)
ディクトの【付与の書】の効果である属性付与だが現時点では私のメイン武器の丸蛍が鉄製で魔力の通りが悪かったり、ディクトのレベルも低くて効果が弱かったりするため、直接攻撃威力の増加に繋がるような効果は得られていない。分かりやすくもし仮に火属性を刀身に付加できたとしても刀が暖かくなる程度なのである。
右手で丸蛍を抜き、左手でディクトを開いて持つ。
(いくよ、【付与の書・風の頁】)
ディクトの開かれたページに文字が浮かび、ページそのものがマジックスクロールとなる。ディクトの魔力を媒介にしてそのスクロールを発動させる。
【ウェポンエンチャント・ウインド】
丸蛍の刀身を風属性魔力が包み込む。
私は魔力を見ることも感じることもできないからわからないけどな。
ディクトを手放すとそのまま『浮遊』を使って私の側で待機してくれるので丸蛍に左手を添え、両手で構え、ホブゴブリンを見据える。
(いくぞ)
・ホブゴブリン、雄
レベル7
ホブゴブリンも『鑑定眼』を受け、こちらに気付いて剣を持ったままこちらを威嚇して吠える。
「グギャー!」
ホブゴブリンはEランク相当、レベルもあまり差はない、ただこちらは二人だ。落ちこぼれたちの力見せてやる。




