第48話 駆け出し冒険者は操気術について知る
「よし、じゃあ『操気術』について授業を始めようか」
師匠が『アイテムボックス』からメガネを取り出して自分につける。メガネ女教師の完成だ。でも私は突っ込まないぞ。
「まずは気という概念を知らなければやらない。気とは不可視であるが万物に宿る力のよつなもので一般的には操ることも感知することもできない。これを扱えるようになると獲得することのできるスキル、それが『操気術』だよ」
気になったので質問する。
「師匠、気と魔力の違いは何なのでしょうか?」
師匠が嬉しそうに答える。
「いい質問だね。気と魔力どちらも似た性質を持つ、そのために魔力を認識したら気を認識するのが難しいとされている。似た性質を持つ両者だがが力の根元が異なる。魔力は魔力器に蓄積し、それを用いることで『魔力操作』で【身体強化】を行ったり、魔法などを行使することができる。また魔力は魔法のように属性を帯びさせることができるのも特徴のひとつだな。一方で気は丹田から発生し全身を巡っていると言われている。魔力との大きな違いとしては魔力は有限だが気は常に産み出し続けられるため欠乏することはないということだ。まぁ、体力や体の栄養を消耗するから無限とは言えないけどね」
ここまでの説明だと気は魔力より便利なのではないだろうか。
(こちらばっちりメモってる相棒のディクトです。気というのは万能なんじゃないですか、レジュメ君もこれで強くなれるかも)
ディクトが刀の一件で若干おかしなテンションになっているが、まだ師匠の話しは続くようだ。
「ここまでだと気がかなり有用に聞こえるだろうが実際のところ気は丹田というどこにあるかもわからない部位を起源とするため認識することが魔力の比ではなく難しい、それに気は万物が普通に持っているエネルギーだそのまま使ったとしても効果は微々たるものでしかない」
(ああ~、気万能説が早くも……)
「そこで有効になるのが気の活性化だ。特殊な呼吸法や気の循環を促すことでエネルギー量を増やすことによって気を効果的に使えるようになるんだよ。反面、呼吸が乱れたり、集中できなくなったら効果が弱まってしまうけどね」
師匠にはもう隠すことでもないので聞いてみる。
「剄息や錬剄といったもののことでしょうか?」
「へぇ、流石だね。その通りだよ。それがわかれば話が早い。ちなみに『操気術』を使って具体的に何ができるかなんが、体外に気を放つことのできる外剄や身体機能を向上したり、傷や病気の回復を促す内剄、気を介して周囲を探る聴剄などをすることができる」
なるほど地球での気功との違いがある気もするがこの世界ではそういうものだと理解しよう。
「『操気術』の習得にはまず自身の気を認識する聴剄を鍛え、気を循環させる内剄を修め、気を外に放出できるようになる外剄を習得するというのが基本の流れとなる。魔力と同じでやはり気にも聴剄、内剄、外剄で得意不得意が出るのが普通だね」
私としては魔力による身体強化ができないのだから内剄が得意なほうがありがたい。
以前から瞑想などを続けてきたお陰で気を感じることはできてきている。あとは感度を上げて、自身の気を動かせるようにならないとな。




