第39話 駆け出し冒険者は生活習慣を見直す
ゴブリンの討伐をきりあげて村に帰る。
ギルドでゴブリンの討伐報酬を受けとる。Fランクに上がったとはいえ報酬は毛が生えた程度しか変わらなかった。
ゴブリンの討伐はその日以降、嫌悪感は気にならなくなっていった。
慣れてしまえば動きの読みやすいゴブリンは戦いやすく順調とも言えるのだが、問題というほどではないが困ることが出てきている。
スライムと違い森まで移動時間がかかる上に、ジャイアントラットとように群生地があるわけではないので今の午前中だけの狩りでは数をこなせないのだ。
実際にはゴブリンが群れを作ることもあるらしいが統率能力を持った上位種が発生しやすく危険度が上がるため発見されると直ぐに壊滅させられるらしい。
「という訳なんですが、どう思いますか?」
(どう思いますか?)
いつものようにマスターに相談する。
隣でディクトも本が浮遊し、その上で人形が正座しているが、もちろん『読書』を持たないためマスターには通じないし、見えていない。ただのノリである。
「ふむ、討伐時間を伸ばすしかないだろう。身体作りや攻撃の型を確認する為の素振りは必要だからな。朝夕の空き時間でそれらをこなして、あとは実戦経験を磨くといいだろう。もし、俺と組手をしたかったり、他の練習したいことがあったりするときは討伐を早めに切り上げるか、休めばよかろう」
マスターが腕を組みながら髭を弄る。
「ふん、お前が言うならある程度は好きな時に時間を作ってやろう。こてんぱんにしてやるがな」
(デレ期きました~)
もう大分ディクトの精神攻撃には耐性がついた。という実際マスターはデレてると私も思う。
今までの私の一日はこんな感じだ。
午前
起床
朝食
準備運動
討伐活動
帰還
午後
昼食
自由時間(買い物や製本作業、メモ整理など)
鍛錬
水浴び、洗濯
夕食
就寝
ほぼ毎日をこの規則的な生活を送っている。
鍛錬はジョギングに始まり、素振り、巻き藁の打ち込み、組み手を行い、最後に筋トレをみっちり行っている。
巻き藁は訓練場になかったので許可をもらって自分で丸太を地面に埋めて藁を多めに被せて縄で縛り付けて作った。
若干訓練場に冒険者が来ないのは設備が不足しているのも原因じゃないかと思っていたら、私が巻き藁を作ってから同じようなものが作られていたのでマスターも気づいたのではないかと思う。
組み手は大抵マスターかディクトと行っている。お互い寸止めでやっているのだがマスターは休ませてくれないし、受ける練習や、止め損ねもあるので毎回ボロボロである。
ディクトとの組み手では、実はディクトはページを切り離し遠隔操作することが出来たため多数を想定した練習や人型以外に攻撃する想定などで練習をしている。ディクトはページが浮遊しているだけで攻撃はできないので、こちらは寸止め、ページが体に触れられたらダメージと想定しながら私の鍛錬とディクトの『浮遊』スキルの訓練といった充実した内容となっている。
余談だがこの組み手が目撃されることもありギルド内にてディクトが従魔として認識され始めている。
ルーティンになっていた生活を見直す機会がきたようだ。




