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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第38話 駆け出し冒険者は戦利品を得る

ゴブリンの死体が霧散するのを確認する。


「ふぅ」


(お疲れ様)


一息つくと相棒が目の前をぱたぱたと浮遊しながら労ってくれる。


(大丈夫だよ。ありがとう、もう大丈夫だ。今後は普通に戦える)


乗り越えられたのはギルのおかげだ。目を閉じて感謝の念を告げる。



霧散したゴブリンから魔石を回収しようとすると魔石とゴブリンの爪が残されていた。

幅1センチ、長さ3センチくらいで軽くてそこそこ固いが素材としては使いにくそうだ。しかし初めてのドロップアイテムでうれしくないはずはなく戦利品としていただいておく。


(ディクト、ゴブリンのドロップはゴブリンの爪だな。そういえば『引っ掻き』は思ったより威力はなかったけどしっかりこっちを狙ってきたし、ドロップも爪ならスキルもしくはアーツ持ちだったのだろう。この間の棍棒ゴブリンの攻撃は多少威力はあったが振り下ろしだけのお粗末なものだった。あいつは『鎚術』はなかったと思うのが普通かな。あとスキルもしくはアーツって面倒だから今後は特殊技ってしておこう)


(初ドロップだね。おめでとう。うん、ゴブリンは『引っ掻き』でとりあえずいいんじゃないかな。今後は特殊技だね、了解! 弱点に関しては流石に首落として死ぬのは当たり前だよね)


そんな会話をしていたときだった。


・スキルのレベルが上がりました


このタイミングで何が上がったのだろう?

可能性があるのは『鑑定眼』だろうか、ちょうど手に持っていたゴブリンの爪を鑑定する。


・ゴブリンの爪


情報量は増えていない、違うようだ。


じゃあと思い顔を上げる。


するとディクトの上に何が乗っているのが見える。

よく見て確認するとてるてる坊主のような人形が本の上に座っている。


上がったのは『読書』か、ディクトとの『念話』が『読書』を介して行われているから経験値のようなものがたまったのだろう。効果としてはおそらく本を深く読み取れるようになって、ディクトの場合その思念体のようなものが見えるようになったのだろう。


(なぁ、『読書』のレベルが上がってディクトの思念体みたいのが見えるようになったんだけどこれって私にだけ見えるのか?)


(うん、そうだよ。その思念体?を通して視界を得てるんだよ。流石に自分がどんな姿をしているかは見えないけどね。もしかしたらまたレベルが上がればもっと人に近い見た目に見えるかもね)


答えながら本の上のディクト人形が嬉しそうに手を振っている。


興味本位で手を伸ばし触れようとしたらすり抜けた。


(流石に『実体化』スキルでもないと触ることは出来ないよ)


ホログラムみたいなものかと納得する。



いい気分転換も出来たし、狩りを続けることにした。


その後森に向かい、ゴブリンを2匹討伐し、その頃にはゴブリンを討伐する嫌悪感は大分薄れるようになっていた。


No.3

 ゴブリン Fランク

  特徴

身長1.2m

緑色の体色をした人型の魔物、容姿や動作は人に近いが知能は低い模様

   レベル 不明

   タイプ バランスタイプ

  特殊技

『引っ掻き』……武器をもっていない時に自身の爪を使って攻撃してくる、棍棒使用時と同様見切りはしやすい

  耐性・弱点

   斬撃、流血に弱い

  出現エリア

   第3開拓村北方森表層、草原 


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