第35話 駆け出し冒険者はゴブリンに挑む
討伐の標的をゴブリンにしようと決意してまずは情報を集めた。
ゴブリンは森の浅い辺りや草原にも稀に現れるそうだ。
稀に現れるものを探しまわるのは効率が悪いだろうと判断し、森に向かう。
途中スライムを見かけたので狩り、森に到着する。深く入りすぎないように注意しながら森を探索しているとギャッ、ギャと声が聞こえたので近づいき、木の影から(-_-;)を覗かせて確認、ゴブリンを発見した。
見た目はファンタジーど真ん中のゴブリンだ。
(ディクト、メモ、ゴブリン、Fランク、身長1.2メートル、体色緑、装備は棍棒と腰布だ)
こちらに気づいていない今のうちに奇襲をかけたいところだが草木を踏む音で気づかれるだろうし、察知されるとしても『鑑定眼』のレベル上げのためにも鑑定は必須だ。
(いくぞ!初ゴブだぜ!)
(調子に乗らない)
相棒に注意を受けながら『鑑定眼』をかける。
・ゴブリン
(ゴブリンで間違いない)
ゴブリンが辺りを見渡し、こちらに気づいたので相手の出方を待つ。
ゴブリンはギャッと言いながら棍棒を振り上げてこちらに向かって走ってきた。
動きは速くもなく、遅くもない、普通だな。棍棒を振り上げると振り下ろすしかできないだろう。
(敏捷性は並、武器を使うが扱いが雑で読みやすい)
案の定棍棒を振り下ろしてきたのでサイドに避ける。力一杯振っているようで威力はありそうだが連続で振るってくることはなさそうだ。
(威力はありそうだが、連撃はなし)
それから一時相手の動きを見て回避を続けたが特に問題はなさそうだ。
というかぶっちゃけて言えば弱い。
スライムやジャイアントラットよりリーチや威力はあるが動きが読みやすい。もしかしたら私は人型の魔物のほうが戦いやすいのかもしれない。
「マスターの振るう棍棒はそんなもんじゃねぇんだよ!」
ゴブリンの振り下ろしを右に避けながら剣を振り上げ、逆袈裟で振り下ろしゴブリンの利き手を切り落とす。
「ギャー!」
叫び声をあげ、腕を押さえて頭を下げて屈んだのでそのまま袈裟斬りにし、またも悲鳴をあげるもののまだ倒れない、もう一度斬りつけることでなんとか殺すことができた。
今回のゴブリン戦内容は始終優勢に立ち回ったように見えるが私の内心はズタボロになっていた。
反撃に移るまではよかった。
ゴブリンの利き手を切り落としたら、血を流し、痛がって怯んでいた。魔物だって生きているから当たり前だ。
それに、ゴブリンの血の色が多少黒みはあったものの人と同じ赤だったのも衝撃を受けた。確かに魔物だって呼吸しているし、ヘモグロビンなんかもあるかもしれない、でもファンタジーなら青とかだろう。
痛がる様子、飛び散る返り血、手に残る感触、戦闘を思い返し、気がついたら地面に向けて胃の内容物をぶちまけていた。




