第14話 見習い冒険者は散財する
ギルドの外に出てみるともう日が登っていた。
店が開いているかわからないので村を回ってみることにする。昨日は村に入り、食料品店に寄って、冒険者ギルドにいっただけなので村を回ってみることにする。
開拓村とはいったもののやはり魔物が出るからか柵も立派で村の規模も思った以上に大きい。木造の家屋が多く並び、少なくとも百を超える建物がありそうだ。1世帯あたり4人で考えて、冒険者とか旅人とかもいるとしたら500人くらい住んでいるのではないだろうか。
考えながら歩いていると商店が見えた。もう開店しているらしくネコ獣人が店番をしていた。ちなみに私の見立てではケモナー度は4、服装もシャツにズボン、前掛けをしているだけなので性別はわからない。
「いらっしゃいませ」
うん、声を聞いてもわからない。私はケモナーではないのでそれ以上は詮索せず商品を見せてもらう。ここは雑貨屋のようだ。
とりあえず商品に『鑑定眼』を使いみていく。もちろん結果は以下の通りだ。
・道具
・道具
・道具
・……
そう簡単にレベルは上がらないらしい。沢山の道具ウインドウを消しながら気付いたが、『鑑定』スキルと違い、『鑑定眼』は声に出さなくてもいいし、目線を向けるだけでも鑑定出来るため直接鑑定を受ける人以外は気づかれにくく、タイムラグも少ないのではないかということだ。自身を鑑定出来ないのは残念だが、いずれ水面や鏡でも試してみよう。
鑑定を諦め、商品を手に取る。『収納』レベリング用の腰に付けられる革袋を買い、他にハミガキと木製のコップを購入し、合計1500ダラを支払った。メモの値段を確認したら紙束と鉛筆のセットで500ダラらしい思ったより安い。製紙技術があるのは間違いないだろう。正直助かった。
「兄さん、これも買っていかない?」
紙束を買ったからか一冊の本を渡される。革のブックカバーを開き中を見ると何も書いてない。理由を聞くと写本するためのものらしい。値段を聞くと5000ダラ、このネコ商人、商売うまいな、こちらの好みをうまくついてくる。高いけどめっちゃ欲しい。買っても生活が楽になるどころか苦しくなるけどメモ帳は痛みやすい。それに革のブックカバーが格好いい。
買ってしまった。
買った革袋を腰に身に付けて、その時気付いたが『収納』で拡張されていない。拡張の効果は1つだけで先に身に付けているものが優先されるようだ。
ネコ商人に武器や防具、服の売ってる店を聞くとすぐ近くにあるらしい。
結局、服屋でシャツとズボンと下着と靴下を2着ずつ購入して6000ダラを支払って、残金13200ダラしか残ってない。古着のくせにたかいよな。本格的にツケのお世話になるかもしれない。
買う前にしっかり鑑定はしておいた。
・防具
・防具
・防具
・……
服って一応防具にカテゴライズされるんだな。
買う気はなかったが冷やかしに武防具屋に行ってみる。店員の顔を見ると人族のおっさんだった。ドワーフじゃないのか。
店内の商品に鑑定を掛けながら眺めていく。
・武器
・武器
・防具
・武器
・防具
・……
せめて武器と防具ぐらい別々に陳列しておけよ。
値段を尋ねると金属製の武器が最低でも5000ダラくらいはすることがわかった。高いなと思っていると耳よりな情報を教えてくれた。
ギルドで初心者講習で卒業後に武器が貰えるらしい。本当にギルド様様である。
時間はまだあったが、お金がなかったためギルドに戻った。
この時に衝動的に買ってしまった本が私の今後に大きな影響を与えることをこの時はまだわかっていなかった。




