もふもふ少女を助けるために
翌日の放課後、俺はかなみさんの家の前にいた。
みやさんから「勝手に入って」と言われていたのでドアを開ける。
「みやさーん」
一階を探したが誰もいない、階段を上がろうとすると上から声が聞こえてきた。
「かなみ……やっぱり仁さんに伝えて薬をとってきて貰うわ」
「ダメだって……ば」
かなみさんは咳き込みながら否定する。
いや、それよりも……仁斗さんは薬を取りに行ってるんじゃないのか?
俺が疑問を感じている間にも、二人は会話を続ける。
「お父さん大事な会議なんでしょ? 私、このままでいいから」
「そうは言ったって相当な熱が……」
なるほど、事情はわかった。
事情がわかったと同時に、考えるより先に体が動く。俺は二階に駆け上がって大声を出す
「俺が行きます!」
いきなりの登場を大声に二人はが固まるが、そんな事を無視して俺は続ける。
「俺がその薬を取りに行きます! 場所を教えてください!」
「い、いやでも和樹くん……」
「そ、そうですよ。先輩にそんな迷惑をかけるわけには……」
「迷惑じゃない」
思考がようやく追いついてくる。ああ、俺はまた俺らしくない事を……
かなみさんの事になると俺らしくない事をしてしまう……しかし、後悔はない!
「俺が行きます、俺にやらせてください」
「そ、それより先輩、マスクを……」
「そうね」
みやさんが差し出してきたマスクを、俺は拒む。
「場所を教えてくれるまでつけませんよ」
我ながら訳のわからない抵抗だ。それでも俺は押し通す。
恋した人がこんな状況なのに動かないでなにが男か!
「俺が行きます」
みやさんが溜息をつく
「……わかったわ」
「お母さん!?」
あら、案外あっさりいけた。驚きだ、
「かなみさんは安静にしてて、今も辛いんでしょ?」
「…………」
かなみさんが言い淀んだのを見て、みやさんがかなみさんを布団に押し込んで扉を閉める。案外強引なんだな……
「和樹くん……お願いできる?」
「もちろんです」
俺は自信満々に言って、みやさんから場所を聞き、家に帰った。




