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もふもふ少女は外国人?

「バーベキューだ!」

 えぞきちさんが叫び、火に焼かれた肉が油を飛ばす。

「さあ、いっぱい食え」

 と皆の皿に肉を乗せていくえぞきちさん。

「えぞきちさん、俺が焼きますからえぞきちさんも食べてください」

 俺がそう申し出たがえぞきちさんは首を横に振った。

「いや、この歳になると肉に対する腹は控えめになってな。元々油は取りすぎちゃいかんしな」と、頭をかいた。


 その後、俺たちはえぞきちさんが何処からか持ち込んだ花火を始めた。

「う、うおお!」

 その過程でネズミ花火が暴走。皆が逃げ惑う中、ネズミ花火はえぞきちさんの方へ向かった。

 ネズミ花火が地面を離れ、えぞきちさんの顔に向かう。どんなネズミ花火だよ……じゃなくて危ない!

「斯くなる上は!」

 えぞきちさんは叫んでネズミ花火があたる寸前にくるりと回る。どこからか煙が上がりネズミ花火とえぞきちさんを包み込む。

「お爺ちゃん!」

 煙が晴れ。現れたのは顔にネズミ花火を食らったえぞきちさん……では無く

「危ない危ない」

 狸姿のえぞきちさんだった。

「え?」

 伸二と由美さんが揃って声を上げる。

「狸? ……ああ、それもそうか」

 一瞬で理解した伸二。一方の由美さんは

「あれ? えぞ爺は? なんで狸?」

 と、戸惑っていた。……えぞ爺ってなんだよ。

 戸惑う由美さんに伸二が説明する。

「えぞきちさんは野代さんの祖父だろ? なら狸でもおかしくないじゃないか」

「は? 何言ってるの?」

 伸二は溜息をつく

「だから野代さんがクォーターなら母親はハーフ。その更に父親ならおかしくないだろって話だ」

 由美さんは首を傾げて。

「かなっちのお母さんって外国人だったの?」と検討はずれな答えを出した。

「いや、外国人じゃなくてだな……あ」

 伸二が固まる。

「どうした伸二」

「伸二先輩?」

 伸二は頭を掻いてまた溜息をつき

「そういやこいつ……野代さんの事知らなかった」と言った。


 少しの沈黙。


「あっ」

「そっか」

 俺とかなみさんも納得した。そういえば由美さんはかなみさんが狸と人間のクォーターだという事を知らないのだった。

「んー? なんの話?」

「えっとだな……ちょいこい」

 伸二が俺とかなみさんを呼ぶ。三人で内緒話の体勢になる。

「すまん、今回は俺のミスだ」

「いえ、どちらにせよ話さなきゃお爺ちゃんの事を説明できません」

 俺は疑問に思った事を口にする。

「なあ伸二、花見の時由美さんは見ていなかったのか?」

 あの時気づいたのは伸二だけだったのか?

「どうだろうな、ただ気づいていても忘れてると思うぞ」

「なんでさ……ああ」

「なんでなんですか? 先輩」

「酒だ」

 伸二が一言で説明した。そう、あの時由美さんは酔っていた。

 由美さんは酔うと高確率で酔っていた時の事を忘れるという体質にあるのだ。つまり……

「知らないって事だな」

「まあ、明確だったがな」

「かなみさん、どうする?」

「えっと……言ってみようと思います」

 そう言って解散する俺たち。由美さんはまだ考えているようで首を傾げている。

 その奥にいるえぞきちさんは人間の姿に戻っており、少し険しい顔だ。

「あの、由美さん」

「ん?」

 かなみさんは深呼吸のように息を吸って。

「その、私!狸と人間のクォーターなんです!」と由美さんに告白した。

「……んん?」

 由美さんが更に混乱した。


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