もふもふ少女はふかふか少女
「えっと……じゃあかなっちのお母さんは狸と人間のハーフで、えぞ爺は化狸って事?」
「はい、そういう事です」
一応言葉の上では納得したようだ。
しかし由美さんは「うーん」と唸って。
「じゃあかなっちも普通なら狸姿なの?」
「いえ、私は人間部分が強いので人間寄りです」
「うーん」
まだまだ唸る由美さん。
どうしたものかと考えていると伸二が提案した。
「野代さん、見せた方が早いと思う。こいつ見たものは信じるから」
「えっと……耳と尻尾だけでいいですかね?」
「充分だと思う」
「では……」
*
「きゃー! ふっかふかー!」
耳と尻尾を見せたかなみさんを見て由美さんは尻尾を抱きしめた。
「え?」
「耳はもふもふしてるー!」
「え? え?」
サラッと流した伸二、色々あったが受け止めた俺。今まで俺と伸二の反応はそんな感じだったからかなみさんも由美さんの反応には驚いたのだろう。相当戸惑っている。
「もっふもふー、ふっかふかー!」
「ちょ……由美さん」
「んー? かなっちどうかした?」
「あの……驚かないんですか?」
由美さんはかなみさんの尻尾を抱きしめたまま
「驚いたよ?」
と、首を傾げた。
「え?」
「あたし、見た物は信じるよ」
「その……気持ち悪いと思わないんですか?」
由美さんは首を傾げたまま
「なんで? 可愛いじゃない」
と、尻尾を離した。
「えっと……その……どうも」
良かった。由美さんなら大丈夫だと思っていたけど本当に良かった。
「良かったな……かなみ」
いつのまにか隣にいたえぞきちさんが目に涙を浮かべている。
「えぞきちさん……」
「それにしてもふかふか……毛並みも凄いわね……」
由美さんがまた尻尾を触り始めるとえぞきちさんは目を輝かせて
「ワシも触るー!」
と走っていった。
「えぞきちさん……」
さっきとは違う意味でえぞきちさんの名前を呟いた。




