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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第十二章 隠す陽炎 淀む道
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第十二章ー⑬

ワルキューレ・ドライ「それにしても狙われるって相当大きいですね荒牧ファクトリーって会社は」

一応作中で少し説明をしていましたが、相当大きいですよ。携わっているのは主に食料品加工とかですが、そこに古具に手を出して大きくなった会社ですね

ワルキューレ・ドライ「おや古具にも携わっているんですね。ただ古具に携わるとは?」

簡単に言えば古具を研究している部署があって、そこに力を入れているって感じですね。

ワルキューレ・ドライ「あの翠波様と蓮さんが手に入れた古具があった研究所とは違うんですね」

基本的にまともです。あの研究所の研究員がいろんな意味で頭がおかしいだけです。

襲撃があった日から一週間、あれから小競り合いみたいなものはあったが大きな襲撃はない。

『今日で一週間半くらいたったけど・・・ 流石に一度襲撃に失敗すると慎重になるね』

護衛依頼中に蓮ー『黄昏』が話しかけてくる。

「だろうね。それでも偵察まがいのことはしてきてるからね、面倒くさい事このうえないよ」

『それでも私たちの役目もあと三日くらいだっけ?それ以降はお役御免だしね~』

「そうだよ。黎芭さん曰く「今回の依頼は父親が出張中だから、その間の護衛」って言っていたから、もう少しで父親が帰宅するってことみたいだね」

『さっすが大企業の社長!!これなら依頼料もがっぽりだね!!』

そう。もう少しでこの『依頼』は終了する。恐らく僕らがいなくなった後でも、襲撃はありそうなものだろうけれど・・・


『それよりも今のところそっちはどう?何か変化はある?』

蓮から今の状況を聞いてくる。

「特になし。アルテミスの眷属も反応はない、人っ子一人姿もないよ。それよりもそっちはどうなのさ、聞いてくるってことは特に問題はないんだよね?」

『もち。むしろ私は何にもなくて暇Of暇。あ~あ襲撃こないかな~』

「流石に物騒過ぎない!?」

『ならまた今度模擬戦に付きあってよ。正直学園の契約戦書じゃ物足りないんだよね、相手が神とはいえ流石に戦闘経験が少ない契約者と契約しているからか手ごたえがないんだよね~』

(それを言う事が出来るのは、普通に考えたらいないんだけどなぁ・・・ そう思うとほんとに僕らってイレギュラーもイレギュラーだよね)

《それは当たり前かと。普通は神相手に戦闘を仕掛けませんからね?》

アルテミスから呆れたような声音で念話が届く。


『とりあえずあと少しで今日の護衛はこれで終わりかな?》

「だね。あとは交代のSPとワルキューレの二人に任せよう。蓮はこの後『機関』に行くんだよね?」

《うん。解析文官からのSOSが届いてね、しかもソフィアさん直々の・・・》

少し疲れと呆れが入った声音で愚痴をこぼす。

「結構厳しそうだね、恐らくこの前の襲撃でのあの薬物だよね?」

《うん正解。あれの成分が完全に体内になじんでるから血液採取して調査してるみたいなんだけど・・・まぁ~変な感じがするみたいで調査しきれてないみたいだから、私とヘイムダルの力を借りたいらしい》

また疲れた蓮が暴れるのが見える。暴走した蓮を止めるのは本当に骨が折れるんだよなぁ・・・

「とりあえずそろそろ交代だからって来たみたいだね」

そう言ってると黒い服と防弾チョッキを着たSPが数名、空から武器を携えたワルキューレ・アインとツヴァイが翼をはためかせてこちらに向かってくる。

SPのリーダーに夜の間の情報を伝えて、そのまま僕らは『HEAVEN』に帰ろうとする。

《アイン、ツヴァイ夜の間は特に問題はなかったけれど何が来るかわからない。何かあったときは力を解放することを許す。フレイヤからは許可を取ってるから》

《《了解》》

ワルキューレ・アインとツヴァイに念話を繋いで、いざというときの力の解放を伝えておく。


《翠波、私このまま『機関』に向かうね。一応今日学園の方は欠席になるけどね》

「了解。会長とか先生は知ってるの?」

《いんや?知らないけど・・・ まぁ黎芭さんに連絡しておいてって護衛依頼の間に伝えてあるから大丈夫だって。というわけで逝ってくるね》

ウインクしてそのまま『機関』の方角へ歩いて向かう。でもなんか「逝く」の感じが違ったような・・・

まぁいっか・・・

「それじゃ僕は学園へ向かうね。一応僕の方からも学園に伝えておくから」

《サンクス!!あとはよろしく!!》

そういって歩きからダッシュに切り替えて、マントを翻して街を駆けだした。

「あれなら暴走はないと思うけど・・・どう思う?アルテミス」

「大丈夫だと思いたいですね・・・ まぁ最悪翠波様か黎芭さんが人柱になればいいですから・・・」

「だよね~ とりあえず一旦『HEAVEN』へ戻ろうか。学園へ向かわないといけないからね」

「ですね」

眷属の背に乗って『HEAVEN』に向かう。


♢♢♢♢♢

「帰りましたよ、黎芭さん。蓮の事は聞いてますよね?」

「うん。一応詩菜ちゃんには連絡しておいたから、それと翠波君時間大丈夫?」

翠波が『HEAVEN』に帰り黎芭に蓮の事を伝えて、学園に行く準備を始める。

「ええ大丈夫です。マントと仮面はここに置いておきますね?」

「はいは~い。いちおう二つの整備はしておくね~」

「頼みました」

そう言って学生服に着替えて地下室を出る。


地下室を出て『HEAVEN』を出て、外に出る。

「蓮が今日休みなのはいいけど・・・ 今日って学園で何かあったっけ?」

「いえ特には。あるとしても生徒会での仕事だけかと」

アルテミスに何かあるかを聞いて、特に何もないことを知って少し翠波は安堵する。

「ならいいけど、それにしても薬物を使って「暴走」を引き起こすか・・・」

「ここまで行くと完全に後手に回ってしまっていますね」はぁ~

「とりあえず蓮の解析待ちになるけど、今はそれを考えなくてもいいかな」

「ですね」


♢♢♢♢♢

場所は変わって『機関』ー解析室ドアの前。

蓮が執行者の服装のまま、『機関』の建物の中にいる。

「ねぇヘイムダル、すんごい暗いオーラが見えるんだけど、気のせい?」

「気のせいじゃねぇぞ。俺でも見えてるからな?もうあきらめろ」

ため息を吐いて少し現実逃避をした後、ドアノブに手をかける。

「だよね~ ソフィアさん入りますよ~」ガチャっ

解析室に入るとそこには


「あの資料は今どうなってる!?はぁ!?まだ出来ていない!!?なめてんの!?」

「あの三人の血液検査の結果は今どこにある!!はぁ!?あの紙束の中ぁ!!?」

「それよりも!!それよりも前のあの禁混古具の情報はどこに置いた!?」

「そこの机にあるでしょ!?さっさと他の部署に回して!!!捕鎖官たちには製造工場の場所も!!!」

「解析文官長!!!今現在の調査、進捗は・・・」

「わかりました。ではその後・・・」


ドアをすぐ閉める。

「ねぇ見なかったことにしていい?」

「んなわけないだろ。お前もあの中に飛び込むんだよ・・・ 俺もだけど」

ヘイムダルの死んだような表情を見て、蓮も覚悟を決める。

もう一度ドアノブをひねってドアを開ける。その瞬間・・・


「救世主来たあああああ!!!!!」

「勝った。これで勝つる・・・」

「文官長、救世主、救世主です!!!」


他の解析文官に腕を引っ張られ中に引きずり込まれる。

その時の表情は皆狂気に染まった笑顔だった。

ワルキューレ・ドライ「解析文官ってブラックですか!?」

ブラックというかなんというか・・・何にも言えません。

ワルキューレ・ドライ「蓮ちゃん引きずり込まれましたが!?それに救世主って・・・」

まぁ救世主扱いですよ。ヘイムダルの権能を使用すれば一人で三人以上の情報を手に入れられますから、それが二人分ですから。

ワルキューレ・ドライ「それは確かに救世主扱いされますね・・・」

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