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ほんとうにあったら怖い話達  作者: ポコナムチン


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10/23

黒羽のキラー

近くで殺人事件があった

僕の学校の女子生徒が、一人


現場には、遺体と一緒にカラスの羽がちりばめられていたらしい


クラスの皆はこれを「黒羽のキラー」と呼び始めた


いや、皆というのは少し言い過ぎか

言い始めたのは友人Aで、それが仲間内で広まっているくらい


教室の隅で、4~5人のグループで固まりながら



犯人はきっと何か大きな事件を起こすに違いない


世界を変える指導者かもしれない



Aを含めたその数人の妄想に

僕は少し恐怖を覚えた


すると、Aの声量が一段と大きくなり



きっと凶器はナイフだ


腹を掻っ捌いたんだ



Aの妄想は止まらず、まだニュースにもなっていないことをべらべらと話している

さすがのAの友人たちも、少しうろたえている


そんなAの態度は

どこか自慢げで


誇らしげだ




それから間もなく、事件に関する詳細なニュースが放送された


凶器がナイフであること

お腹に致命傷となる大きな傷があったこと


現場に落ちていたカラスの羽は

まるで、乱暴にむしられたかのように

バラバラに散らばっていた


…Aの妄想がことごとく当たっている

現場を見たわけでもないのに


どうしてーー




僕は次第に、Aと距離を置くようになった


以前から積極的に話していたわけではないが

彼と目が合うことが少なくなっていた


不思議とその日から

カラスを異様に見かけるようになった気がする




そんなある日

帰り道に偶然、Aと出会った


久しぶりに出会ったAは、目の下に大きなクマを作りながら

「黒羽のキラー」の偉大さについて語り出した



彼は完璧な殺人者だ!!


カラスに愛されてるんだ!!


お前も今の内に取り入っといた方がーー



「お前、ちょっとおかしいよ」



ぽろっと口からこぼれてしまった

殺人犯を擁護する彼を、僕は見ていられなかった


僕の言葉にAは肩を震わせると



お前に何が分かる!!


きっと彼にも目的があるんだ!!


あぁ、次に被害者はお前だなぁ!!!!



そう口早に叫び出すと

僕を突き飛ばして走っていってしまった


その時のAの表情は、人でも殺してしまうのかと思うぐらい


怒りに満ちていた




そしてその週末



Aが死んだ


皆が通る通学路で

頭から血を流しながら


近くには血の付いた石が転がっており

それが凶器かと思われた


しかし、不思議なことに



凶器からは指紋が検出されなかった


そのかわり……




Aの遺体には



百を超えるカラスが

彼を見下ろすように群がっていた

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


現在、短編ホラーを中心に少しずつ作品を投稿しています。

「もっと怖い話を書いてほしい」と思っていただけましたら、評価やブックマークで応援していただけると嬉しいです。


皆さんからいただいた評価や感想を、今後の作品作りにも活かしていきたいと思っています。


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