ユニーク魔法は1つまでなんて聞いてません!
「そこまでにした方が…」
ナナシさんがモヒカン頭の冒険者たちをめっちゃ殴っている時だった。時間が止まった。え、もしかしてナナシさん?貴方がやったんですか?
「やってねぇ。」
「え、じゃあ…」
〜あのぉ…〜
あれれぇ?声が聞こえるぞぉ?思わず上を見上げると天が割れて、現れたのはショタだった。気のせいだろうか、背中に天使の翼が生えているような…
〜ナナシさんという方は…〜
「モヒカン頭を殴ってる人です。」
「おい。」
〜あ、あのぉ…なんでユニーク魔法3つもあるんですか?!規則違反です!!〜
「…はぁ?」
規則違反ですとぉ?聞いてませんが?ショタ天使くんが紙を取り出してとある一文を見せてくれた。確かにユニーク魔法は1つまでって書いてある!
「規則違反したヤツには何か罰があるのか。」
〜手に入れたユニーク魔法没収です!ポイントも没収させていただきます!〜
「あの!それ見てないんですが!」
〜あれ、おかしいですね。転移者には必ず説明するように言ってあるんですが…〜
…説明?私は思い出していた。そう、最初にやった説明をスキップしたことである。ナナシさんの冷たーい視線と、ショタ天使くんの困惑した視線を向けられた私は土下座したのだった。
〜え、もしかして説明をスキップしました?!〜
「ウッス。」
「みてぇだな。」
〜スキップ機能はやめろって言ったのに!!…はぁ、説明を見てないからと言って許す気にはなりませんが。ユニーク魔法は没収!一緒にポイントも没収です!〜
「そ、そんなー!」
「おい。」
あれぇ?殺気がすごいぃ…もしかして私?頭を鷲掴みにされてどういうことだと言わんばかりの目線を向けられる。はい、私の責任です。
「…待てよ。おい天使。」
〜はい?〜
「スキップ機能付けたのはそっちだよなぁ?」
あらま、ナナシさんってば物凄く悪い顔してらっしゃる。絶対なにか企んでるでしょ?!私を椅子に座らせた後ショタ天使くんの頭を鷲掴みにした。容赦ねぇ…
〜あだだだ!頭割れる!頭割れる!〜
「規則違反したのは確かにこっちだ。だがそっちにも責任はあるんじゃねぇのか?あ"?」
〜え、えっと…付けたのは別の管轄で…〜
「そういうのを言い訳っていうんだが?言い訳して許す気になれないって言ったのは誰だ?」
〜僕です…〜
「ポイントの代わりに何か寄越すのが筋ってものじゃねえのか?」
〜え、えっと具体的には…〜
「俺に似合う武器寄越せ。」
お、鬼だこの人!!怯えっぱなしのショタ天使くんに脅し始めたぞ!!でもそこがいい!!痺れるぅ!!あ、でも程々にしてください!!
〜銃とかは流石に…あ。〜
「非があるって認めたな?」
〜うぅ!こういうの向いてないって言ったのにー!わ、分かりました!天使の権限でと、特別に!武器を贈呈します!後でアイテムボックス見てくださいね!〜
「あのー、ユニーク魔法は?」
〜没収は没収です!〜
「けっ。」
規則は規則って感じが凄いするなぁ…まあ、説明スキップした私が悪いんですが!ナナシさんはアイテムボックスの中を確認して武器を出し…刀じゃん。なんか凄そう。
「…ふぅん。こいつの名は?」
〜え、鬼丸国綱ですけど。〜
「刀に名前あるんだ?!」
「正確に言えば号だ。ふぅん天下五剣の一振りか気に入った。」
〜この世界には天下五剣が後四振りあります、頑張ってください!…ちなみになんですけど四騎士魔法って…〜
「餌食になりてぇのなら使うが?」
〜遠慮します!〜
こうしてショタ天使くんは居なくなったのだった。モヒカン頭の冒険者たちはボコボコのまま、受付嬢の皆さんは慌てふためいたまま、時間は元通りになったのだった。
「何の騒ぎだ!」
「ギルドマスター!こ、こいつらが!」
「いやうちの連れを馬鹿にしてきたのはそっちだろうが。」
「なにぃ?!目撃者!」
「は、はい!馬鹿にしてました!」
「お、俺も見ました!」
「俺も!」
「な、裏切り者!」
さりげなくナナシさんがもし黙認したら殺すって殺意向けられたらそりゃ誰だって従うって! というか鬼丸国綱を腰にどうやって付けてんの?!というかなんでナナシさん詳しいの?!
「鑑定した。」
「鑑定スキルないよね?!」
「元からある。」
「あるの?!」
「あー…少しいいか?お前さんたち何者だ?」
「ナナシ。」
「の、ノーネームです。」
「…こほん。ギルドの登録したいのだな。この水晶玉に触れてみろ。」
よし、先ずは私だ!触れてみたら…ステータスを見た冒険者たちと受付嬢たちとギルドマスターの視線から同情の眼差しを向けられた。向けるな向けるな泣くぞ。
「お嬢ちゃん。生きろ。」
「さっきはごめんな。バカにして。」
「一生懸命生きろ。」
「慰めるな!!」
「次ナナシだ。」
ナナシさんが水晶玉に触れるとステータスが表示された。あ、Lv1の時と同じステータスだ。Lv5にしてるのは偽装のスキル効果かな?と思っていたらうぉぉぉ!と湧き上がった。なになに?!
「やべぇぞ!Lv5で全ステータス100以上じゃねぇか!」
「天才だ!マジモンの天才だ!」
「通りで強いわけだ!」
「お前さんらパーティ組むのなら組め。いや組んだ方がいいでないそこのお嬢さん死ぬぞ。」
「元からそのつもりだ。」
「ヒモ確定!」
受付嬢のお姉さんたちから硬いパンやら干した肉やら水を貰ったのだった…私小動物か何かか?頭もさりげなく撫でられたし。お、おっぱいデカかった…私も大きくなりてぇよ。
「宿に行くぞー。」
「ちょっとは心配してぇ?!あ、でも待ってーー!!」
「ナナシさんってばジロジロ見られて照れないの?」
「照れるか。」
「なんで?」
「慣れてる。」
「モテない男の敵!でも好き!」




