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異郷の砂に刻む足跡  作者: Rizanthe Dravenhart


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悪臭の怪物、ヴェイル

朝日がゆっくりと家々や建物を照らし始め、人々が一日を始め、馬車が忙しなく行き交っている。


冒険者ギルドはまだとても静かだが、数人の冒険者たちがもう受けようとする依頼に目を通し始めていた。


「みんな、この依頼はどう?」サンヤが依頼書を差し出す。


「爆発鳥の群れの捕獲?」チャンドラが言う。


「そんな鳥が本当にいるのか?」トガが尋ねる。


「爆発鳥はね、頭に導火線みたいな冠がある、まるで爆弾みたいな鳥なんだよ」とゼラティアが答える。


「爆発鳥?」チャンドラが小声で呟く。


(そういえば、爆発マニアの魔法使いを思い出したな。「黒きより黒き闇よ…赤きより赤き焔よ…我は最高の爆発の力を呼び起こす!」って叫んで、「エクスプロージョン!!」だっけな。あのロリ爆発魔め…) チャンドラは心の中で思い出し、小さく笑った。


「なんで一人で笑ってるの?」サンヤが尋ねる。


「え、いや、ちょっとおかしいことを思い出してさ」チャンドラが答える。


「放っておけよ、チャンドラは昔からこういうやつだから」とトガ。


ゼラティアはただ三人のやり取りを眺めていた。


「それで、いつ行くの?」ゼラティアが尋ねる。


「もちろん今でしょ、ゼラ」サンヤが答える。


「早く見に行きたいぜ!あいつらが爆発するところを!」チャンドラが興奮して言う。


四人は爆発鳥を捕獲するため、鉄の檻を積んだ荷馬車を引きながら森へと向かった。


しばらくして、ようやく森に到着した。四人は茂みの陰に身を隠しながら、爆発鳥を観察する。


「本当だ、丸いな」とチャンドラ。


「異世界って、いつもこういう変なものばかりなのかな」とトガ。


「静かに!音を立てないで」サンヤが注意する。


「お姉さん、一匹ずつ捕まえるの?」ゼラティアが尋ねる。


「簡単に言えば、頭の冠を引き抜けばいいの」サンヤが答える。


ドォン……!


「なに?」サンヤが声をあげる。


「どこからだ?」トガが言う。


「お兄さん、見て!チャンドラお兄さんがもう捕まえちゃった!」ゼラティアが指さす。


チャンドラの体の半分が、鳥の爆発で黒く煤けていた。


「ははは… なんだ、お前かよ」トガが笑いながら言う。


三人は真っ黒になったチャンドラを見て笑い出した。


「簡単だと思ったのに、捕まえた瞬間に爆発しちゃうんだな」チャンドラが笑顔で言う。


「お前はまず、サンヤの説明を聞けよ」とトガ。


「そうだよ」とゼラティア。


「これからは、冠だけを引き抜いて、持ってきた鉄の檻に入れるだけね」とサンヤ。


「おう!」三人が揃って返事をする。


一時間が経過した。四人の体はあちこち爆発鳥の煤で黒くなり、互いに笑い合っていた。


「やっと終わったね」とサンヤ。


「体が真っ黒で気持ち悪いよ」ゼラティアが言う。


「もう十分な数捕まえたわ。さあ、帰りましょう」サンヤが叫ぶ。


「おう」トガが返事をする。


「おい、俺はかなり大きなのを捕まえたぞ!」チャンドラがみんなに指さしながら言う。


「それは川で焼いて、一緒に体を洗いながら食べましょう」とサンヤ。


四人は爆発鳥を入れた鉄の檻を積んだ荷馬車を引きながら、近くの川へ向かった。


トガは浅い川の真ん中に立ち、顔や体に付いた煤を洗い流していた。


(これが、これから俺が生きていくべき人生なのか?危険と死に満ちた毎日を…) トガは心の中で考える。


「早くして、トガ!もうすぐ焼けるよ」サンヤが叫ぶ。


「わかった」トガが返事をする。

トガはまだ体を洗い続けている。


「チャンドラ、あなたって別の世界から来たんでしょ?」サンヤが尋ねる。


「もしかして、王国の魔法使いの集団に召喚されたの?」サンヤが続ける。


「ああ、俺は確かに別の世界から来たよ」チャンドラが答える。


「チャンドラお兄さんは、王国に召喚された勇者なんだ!」ゼラティアが言う。


「やっぱりね。でも、なんで王宮にいないの?」サンヤが尋ねる。


「わかんねえんだ。気がついたら、トガと一緒に浜辺に倒れてたんだよ」チャンドラが答える。


突然、ゴミのような異臭が強烈に漂ってきた。サンヤ、ゼラティア、チャンドラはすぐに鼻を押さえた。


「この臭い、どこから?」チャンドラが言う。


「私、もう無理…」ゼラティアが苦しそうに言う。


「これはきっとヴェイルよ。何百年も前から伝わる伝説の怪物よ」とサンヤ。


三人はすぐに走ってその場から離れ、茂みの陰に身を隠した。


「はあ… もう倒れそうだよ」ゼラティアが息をつく。


「どんな怪物だよ、こんなに臭いなんて」チャンドラが言う。


「彼女は元は人間だったの。死の神と永遠の命の契約を結んで、呪われたんだ」とサンヤ。


「じゃあ、元は人間だったんだ」ゼラティアが言う。


「あれ? トガはどこ?」チャンドラが尋ねる。


三人は茂みの陰から川の方を覗き込む。トガは川の真ん中でぼんやりと立ち尽くし、異臭などまったく気にしていないようだった。


「すみません…」誰かのささやき声。


(女の声?でも誰だ?) トガは心の中で思う。


トガが振り返ると、そこには泥にまみれたウェディングドレスを着て、顔を布で覆った女性が立っていた。


「あなたは…私のこの酷い臭いから、逃げ出したりしないの?」女性が小声で尋ねる。


「俺は慣れてるんだ。昔、ゴミの掃除とか、臭い鶏小屋の掃除とかしてたからな」トガが答える。


(おいおい、幽霊なのに、なんで昼間に現れるんだよ…) トガは心の中で思う。


「ありがとう… あなたは私から逃げなかった」女性が言う。


「人々は私をヴェイルって呼ぶの。王国を滅ぼした怪物、あるいは悪臭の怪物ってね」とヴェイルが付け加える。


(なんで幽霊と自己紹介してるんだ、俺は…) トガは心の中で思う。


「俺の名前はトガだ。よろしくな、ヴェイル」トガは冷や汗をかきながらも言う。


ヴェイルは首飾りを取り出した。小さなガラスの箱の中には、くるくると回る石が入っていた。


「これを友情の証として、あなたにあげる」とヴェイル。


「ありがとう、大事にするよ」トガが答える。


「もし困ったことがあったら、その首飾りに話しかけてね。喜んであなたを助けるから」とヴェイル。


「ああ、覚えておくよ」トガが答える。


ゆっくりと、ヴェイルの体は濁った水に変わり、川の流れに消えていった。


トガは深く息を吸い込み、その場にへたり込んだ。


「いったい、今のは…」トガは首飾りを握りしめながら呟く。


サンヤ、チャンドラ、ゼラティアが茂みから飛び出し、トガのところへ走ってきた。


「大丈夫か、相棒?」チャンドラが尋ねる。


「よくパニックにならなかったね、ヴェイルに会って」とサンヤ。


「お兄さんすごい!あの臭いに耐えられたなんて」ゼラティアが言う。


「ああ、ただ… なんで彼女が現れたのか、よくわかんなくて」トガが答える。


トガは立ち上がり、ヴェイルからもらった首飾りを見せた。


「わあ… 綺麗な首飾りだな」チャンドラが言う。


「お兄さん、それすごく綺麗で可愛いよ」ゼラティアが目を輝かせて言う。


「待って… 間違いなければ、これってすごく珍しい石だよ。今まで11個しか見つかってないんだ」とサンヤ。


「本当なのか、サンヤ?」トガが尋ねる。


「確か、この石は『パニネウン』って名前でね、とても大きな魔力と、すごく強い鎮静効果があるんだ」とサンヤ。


「お姉さん、なんでそんなに何でも知ってるの?」ゼラティアが尋ねる。


「そういえば、俺が異世界から来たって言った時も、全然驚いてなかったよな」チャンドラが言う。


「もしかしてお前、王様の娘か何かか?それとも女神様か?」トガが尋ねる。


サンヤは頭をかきながら、三人の疑いの目に苦笑いを返すのだった。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。


今回も至らぬ点が多々あったかと思いますが、少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。

ご意見・ご感想をお待ちしております。

次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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