第22話 幼稚園バスの悲劇の件
滑り棒で階下に降りると、そこは倉庫の様だった。
「お───い、急げ!ブルー!こっちだ!」
マナ・Bが大声で俺を呼ぶ。
「このマシンで行け!ナビは俺がするから!」
そこにはエンジンをかけた青いモトクロッサーが準備されていた。
「これなら目的地まで一般道でも渋滞に関係なく辿り着ける筈だ!」
「マナ・Bちょっと聞いてもいいか?」
─────どうしても聞いておかなければならないことがあった。
「………これ何CC?」
「─────!?」
俺の質問に固まるマナ・B。
「50ccなら俺でも乗れるんだが………?」
「ブルー、これが50ccに見えるのか!?」
「見えないから聞いている」
「………免許無いのか?」
「────免許無くても正義の味方なら乗って良いのか?」
「駄目に決まっているだろ!」
「じゃあ電車で向かうとかしかないか………」
「間に合うわけ無いだろ!!───じゃあ、普通免許は持ってんの??」
「───原付免許しか持ってないぞ。ビデオレンタルの会員証作るために取得したんだぞ」
───俺のプライドを守るために言っておくが、決してエッチなビデオを借りるために免許取ったんじゃないぞ。
「駄目じゃ────ん!!」
マナ・Bが壁に頭をガンガン打ち付ける。
────マナ・B………バカになっても知らないぞ。俺のせいじゃないぞ。認知もしないしセキニンも取らないぞ。
「じゃあ、俺が運転するからこっち乗って!」
うわっものすごいでかい車!
─────ほら、なんかハンヴィーだっけ?アメリカの軍用車みたいなやつ!!
───俺は助手席に乗り込もうと右側に回り込んだ。
「違う、こっち!!左回り込んで!!ブルーは運転できないでしょ!」
俺はマナ・Bに言われるまま、左に回り込んで車に乗り込んだ。
───あ、この車右ハンドルだ。
アメ車じゃないのね。
「───目線高いなー!」
車両に乗ったら、倉庫が見渡せたが広い!
同じ様な車やバイクが何台も並んでいるし、シートがかかっていてシルエットしかわからない車両もある。
「この車じゃ渋滞回避できないから、近くまで地下道走るよ!」
マナ・Bがエンジンをかけてアクセルを踏む。
「───アイちゃん、ナビよろしく!」
マナ・Bがそう言うとナビの画面に分割で地図が表示された。
右がこの地下道のナビ?
左は地上みたいだけど、なんか動いてる。
『目標、なかよし幼稚園送迎バス、"タートル号"!目的地不明───北西方向に移動中!』
アイちゃんの声でナビをしてくれている。
『ブルー、移動しながら説明するよ!敵は、なかよし保育園のバスを奪って逃走中!人質は園児数名と、先生一名。運転手さんがトイレに行っている隙に奪われた模様。ブルーには人質救出を行ってもらうよ!』
『敵は律儀に信号機を守っていることが判明。信号機のコントロールである程度の足止め、誘導可能と思われます。マナ・Bはナビの指示に従い現場に急行せよ』
「ブルー、出発迄に時間ロスったから飛ばすからね!危険手当弾んでくれよぉ────!」
俺はシートベルトをもう一度確認して、怖いから歯を食いしばって、ぎゅっと目を閉じた。
────マナ・Bの運転怖い。
俺は免許の取得を心に誓ったのだった。
はい、とうとう来ました。
お約束のバスジャックでございます。
これがなければ戦隊モノとは言えませんからね。




