第21話 初めての出動の件
「おっす!昨日ぶり!元気?」
総務課から第二司令室にやってきたが、司令室のメンバーは昨日と変わらず、K子さんとマナ・B君だった。
俺が登場するとマナ・B君はニコリと挨拶してくれたが、K子さんは小さな声で挨拶すると、直ぐに違う方を向いてしまった。
「今日はアイちゃんとゴンちゃんはモニターに出てこないの?」
俺はK子さんの方を覗き込みながら話しかけた。
「………常に稼働はしてますよ。呼び出せばモニターにも出てきてくれます」
「ふぅん、───じゃあゴンちゃんの呼び出しをお願い!」
K子さんにおねだりポーズをしてみる。
──────くねくね。
「別に私じゃなくても………」
────K子さんが俺の呼び出し依頼を軽く拒否。
──────いやいや、今日だけはK子さんにお願いしたいのよ。
───生暖かい視線でおねだりを続ける。
「………ゴンザレス君、ブルーがお呼びよ!」
それを合図に、一瞬画面が暗くなった。
─────その直後。
『ぎゃ─────────!!』
叫び声と同時に、血だらけの人形がモニター全面にどアップで表示された。
─────第二司令室に轟く絶叫。
俺以外の、この場にいた全員が五センチは跳ね上がったね。
『ドッキリだいせいこ──う!!』
─────静まり返った司令室の画面に、ニヤリと笑ったゴンちゃんが表示され、俺にサムアップして成功をアピールしてきた。
「うん、予想以上のいい画像だったよ!!」
『ネットワークからそれっぽいの探して、解像度上げて色味を少し調整しただけなんだけど………』
ゴンちゃんがちょっとデレる。
「いやいや、ゴンちゃんのセンスが光ったよ!イイね!!」
俺もサムズアップでゴンちゃんを讃える。
「…………な、なんの真似だい??」
腰を抜かす勢いで驚いていたおっさんが最初に口を開いた。
────うむ、おっさん、中々どうして、耐性強いね!!
ちょっと見直したよ!
──────でも、ちょっとだけよ~。
心の中ではそんな事考えながら種明かし。
「いや、今日は俺の初出勤だし、なんかインパクトあるイタズラしようぜーって、昨日家で飲みながらゴンちゃんと打合せしたんだわ」
『したんだわ』
「────一体なに、この二人の連帯感?」
「昨日初めて会った気がしないんだよなー」
『しないんだよなー』
「────もういいわ、呆れたけど」
………K子さんに呆れられちゃったよ。
───そんな時、パトランプと警報が鳴り響いた。
「ゴンちゃん、とりあえず今日はもういいよ~」
俺は最初、ゴンちゃんのアドリブかと思ったが………どうやら違うようだ。
昨日と同じようにK子さんはフルバケットの座席に滑り込み、ヘッドホンを片耳に当ててキーを叩く。
マナ・B君は気付いた時はすでに滑り棒で階下に降りていった後だった。
「ブルー、これが訓練の成果だよ」
俺の横におっさんが腕組みして立っていた。
「今日も、もしかしたら、おばぁちゃんの呼び出しかも知らんがね、有事の際に備えているんだよ」
「────司令!!!G-バースト団です!」
────K子さんが声を張り上げる。
それを聞いて俺の額から、どっと汗が吹き出た。
────遊びじゃないんだ。
「ブルー、初出勤早々で申し訳ないが、出動だ!」
「ど、どうしたらいい??どこへ行けばいいんだ!?」
「とりあえずマナ・Bが下で待ってるから合流だ!」
「わかった!」
────俺はマナ・Bと合流するため、滑り棒に飛び付いた。
やっとこさ出動です。
ヒーローになれるんでしょうか?




