第23話 情報開示の件
『───しばらく道なりです。歩行者はあり得ません。ブッ飛ばしてくださ~い』
アイちゃんはナビの音声に、たまに過激な情報をぶっ混んでくる。
実はゴンちゃんよりアイちゃんの方が、過激なんじゃないかと思う。
「しばらく道なりみたいだけど、なんか質問ある?」
マナ・Bが運転に余裕が出たのか、俺に話しかけてきた。
「……………パ、パンツの色は?」
「え?俺、そう言う趣味はないんだけど!?」
「………………俺にもないぞ」
「………………なら、聞くなよ」
「────いつも、あんた達はこんなことやっているのか?」
「…………出動は週に1~2回だな。俺は本当はエンジニアだから後方支援なんだけどな。免許をもってないメンバーの時は、こうやって前線まで送り届ける役割も押し付けられちゃうね」
「免許ないメンバーも結構いるのか?」
「そうだなぁ、イエローもこの間取ったばっかりだったっけかな………」
──すると突然アイちゃんの音声が割り込む。
『マナ・B、元メンバーであるイエローの事は情報開示にロックがかかっていま~す。これ以上は懲戒処分に該当する可能性がありま~す』
「あ、しまった。イエローとかの事は口止めされてるんだったっけ?────アイちゃん!聞かなかったことにして!」
『マナ・B、アイちゃんは、口止めする相手が違うと思うの。こう言う時はブルーの口止めが必要だと思うの』
「口止め料いちおくまんえん」
そこで俺は口止め料の金額を提示した。
「そ、そんな金ね~よ~、ブルー勘弁してくれ~」
『マナ・B────1万、1億という単位は存在するけど、1億万とか言う単位はないから。でもあえて換算すれば1兆になるわ。………というわけで、マナ・B、あなたはブルーにからかわれているのよ』
「こっちは真面目に話してるのにな~」
マナ・Bがハンドルにもたれかかる。
────頼むからちゃんと前見て運転してくれ。
俺は先週交通事故で死んだばっかりなんだからな。
だが、簡単に死なないためにも、ふざけてないで俺もちゃんとするとこは、ちゃんとしとこうか。
「────敵の情報と、こちらの戦力は聞いておきたいんだが?」
「それなら、俺よりもアイちゃんに聞いた方がいいかもね。アイちゃん!説明よろしく!」
『ラジャー、りょうか~い。それじゃあ張り切ってアイちゃんが説明するよ~』
────画面になんか全身黒タイツの男達が映る。
『こいつらがGバースト団の戦闘員。通称ゴキブリ!とにかく、こそこそと暗躍するウザい奴らよ!』
スライドショーで画面に映っているが、なんかウザそうだ。
『次にワンランクアップした戦闘員、通称ミクスチャー!これは数種類の生き物を合成した感じの戦闘員。戦闘能力は高いけど、ミクスチャー複数で行動することは無いみたいだよ~。ミクスチャー1人と戦闘員がゾロゾロ~って感じ。それから、何故か同じタイプのミクスチャーは居ないみたい。理由はわかってないよ~』
『それから、未確認だけど~、この他に戦闘員に指示を出してる幹部が要るみたいだよ~』
『────それからおまけ!司令から今、許可貰ったから旧メンバーも簡単に説明するよ~』
──ほほぅ、裏切ったというメンバーか?
『これはレッド。旧メンバーの中でもリーダー格だったメンバーなんだ。変身につかうガジェットは腕時計。脱退理由はピンクの所で話すよ~』
………え?変身に使うガジェットが変身ベルトじゃないのか!?腕時計で変身出来るの??なんで?すげぇ羨ましいんだけど!?
『これはグリーン。旧メンバーの中でも一番の若手だったのよ。変身ガジェットは手帳型。グリーンについても脱退理由はピンクの所で話すよ~』
────レッドとグリーンの脱退理由にピンクが深く関わっているようだ。
何か深い理由が有るのかもしれない。
『これはピンク。女性メンバーだったよ!変身ガジェットはペンダント。特徴としては、"魔性の女"?アイちゃんよくわかんないけど、事務員のおじさんがそう言っていたよ!』
………事務員のおじさん?
あぁ、あれか、男の人が好きな男の人か。
『うちの組織は恋愛禁止なんだけど~、ピンクにレッドとグリーンがお熱になっちゃったんだ~。でもね、ピンクがね、Gバーストの幹部に恋しちゃってね、いち抜けた~って、裏切ってGバースト団の方に行っちゃったのね。そしたらピンクを追いかけてレッドとグリーンもGバースト団に行っちゃったの~』
………それじゃあ、何か??うちの組織はそのピンクに引っかき回された感じなんか?
────確かに魔性の女だわ。
気を付けよっと。
『アイちゃんね~、恋愛禁止じゃなかったら、こんなことにはならなかったと思うんだ~って提案したんだ~。それでね、恋愛禁止はなくなったんだけどね~』
ふ~ん、恋愛禁止ねぇ………アイドルじゃないんだし、俺もそんな制度いらないと思うわ。
『でもね、恋愛禁止が無くなる前から、司令と奥さんはラブラブなのに良くって、なんで現場は恋愛禁止なんだ?って意見も有ったんだよ。司令はバレバレの変装して、「俺とニコラさんは別人だ~!」って言い張ってたけどね。今でも司令は引っ込みがつかなくて、第一司令室以外じゃ変装してるけどね~』
あ、おっさんのあの変装はそう言う理由だったんだな。
────職権乱用………いや、詐欺だ!!
これは駄目だ。人の上に立つ者のやることではない。────よって、罰が必要である。
────何が良いかな?
『そんで、最後にイエロー。変身ガジェットは指輪だよ。イエローは三人が抜けてから補充で入ってきたんだ~。女の子なのに一人で頑張ってたんだけどね~。結果、色々あって脱退してGバースト団にはいっちゃった!─────残念、今イエローの事で情報が開示できるのはここまで!』
「それじゃあ武器についても教えてくれよ」
『ラジャー、りょうか~い!武器はね、いっぱあるんだけど、今日は"Tカッター"と"Tバズーカ"を持ってきてるよ!Tカッターは通常兵器だから遠慮なく使いまくって、敵を切り刻んでやってね!これは超振動で硬いものも豆腐の様に切れるよ!』
────TカッターのTは豆腐のT?
『次にTバズーカだけど、これは広範囲攻撃用だよ。一度に12発が発射されるけど、それがまた30個の子弾に別れる感じ~。子弾事態に爆発性はないからクラスター爆弾とは違うと言い張っている、限りなくグレーに近い大量殺戮兵器だね~』
『ちなみにまだこのTバズーカは誰も撃ったことないんだよ~。みんな最初の一人になりたくないんだって~』
────そんな恐ろしい兵器、俺だって使いたかないわ!




