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5月

5月。

新しい生活が始まった4月から少しの時間が経ち、人々の疲れがたまる季節。

世間では「五月病」なんてたいそうな名前で呼ばれたりもする。

そんなことを言ってしまえば人によって疲れが出てくる季節や時期は違うのだから「六月病」や「八月病」なんかがあってもいい気がする。

何はともあれ疲れが出てくる季節ってことに変わりは無い。

僕は4月の学校に行った日からあまり学校に行けてない。

1週間に2回も行ければ行けてる方だと自分でも思う。

お母さんは「少し行けてるだけでも、嬉しい。」と言ってくれるがさすがに出席日数が危うくなってきた。

先生も「保健室登校からでいいからはじめてみない?」と相談してきた。

今の僕にとって出席日数なんてものはどうでもいいのだがお母さんの少し悲しそうな表情を見ると高校は卒業しておきたいなと思う。

ただ、体が言うことを聞かない。

朝起きようと思ってもなかなか起きることができない。

僕は何とかして学校に行く方法を考えた。

そして僕は世紀の大発見をした。

その名も、「徹夜して学校に行く作戦!」

徹夜をすれば朝起きれなくなるっていう心配ごとも無くなるし、眠くなったら授業中に眠ればいいのだ。我ながら完璧な作戦だと思う。

早速僕は今夜から作戦を実行するためにお母さんにエナジードリンクとコーヒーを買ってきてもらい、徹夜することにした。

徹夜は何度かしたことがあるが今までの徹夜は夜眠れなくて仕方なく行ったものがほとんどだった。だから、最初から眠らなくていいという名目で始める徹夜はいつもの徹夜よりも幾分気分がいいものであった。

お気に入りの漫画とアニメを用意し思う存分夜を満喫した。

あっという間に時間は過ぎ、気づけば窓から朝日が差し込んでいた。

2、3時間前まではとても楽しい気分だったが、今は憂鬱な気持ちでいっぱいだ。

第一にとても眠い。そしてずっとアニメを見てたから首や肩も痛く体のコンディションは最悪だ。

こんな状態で学校に行かなければならないのかと思うと普段学校に行く時よりも気分が憂鬱になる。

この作戦は失敗だったかもしれない。

しかし、徹夜してしまったものは仕方ないのでいやいや準備をして学校に行くことにした。

眠気を覚ますためにシャワー浴びて適当に積んであるTシャツの中から1枚を取り袖を通した。

髭は…

一瞬剃らずに行こうか考えたが時間はありあまっていたので剃ってから行くことにした。

髭を剃り終えるとどこか顔がスッキリとして若返ったように見える。

一気に顔が軽くなった。たかだか髭でこんなに変わるものかと少し驚いた。

学校へ行く準備が終わり家を出た。

髭のない顔にあたる風がどこかこそばゆくて不思議な感覚だった。

学校に着き、教室に入ると彼女と目が合った。

彼女はすぐにこっちに歩いてきていつもの調子で話しかけてきた。

「おはよう藍くん、今日は学校に来たんだね。」

「うん…出席日数がさすがにやばくてね。」

「あれ、なんかいつもより元気ないいね。寝れなかったの?」

「寝れなかったていうか、徹夜したんだよね。」

「あら、不健康さんだね。駄目だよちゃんと寝なくちゃ。」

「でも寝ちゃったら朝起きれないし。徹夜するしか学校に行く方法がないって思って。」

「朝起きれないか…私にもそんな時期があったな。」

「そうなんだ。どうやって起きれるようになったの?」

「うーん、私は朝ご飯を自分で作るようになってから起きれるようになったかな。」

「朝ご飯…」

「私がそうだったってだけで人によって起きれるようになるきっかけは違うと思うよ。」

「そうか…何かいい方法はないかな。」

「あ!いい方法思いついたかも。藍君、お菓子は好き?」

「うん、好きだよ。」

「よし!藍くん、連絡先交換しよう!」

「え!なんでそうなるの?」

「何か藍くんのモチベを上げることができるうえに朝起きることができるようになる方法がないかなって考えてたんだけど、閃いちゃった!」

「どんな方法?」

「私が朝起きた時に藍くんにモーニングコールをかけるの!そしてそれに藍くんが出れたら私が学校でお菓子をあげる!」

「いいの?なんか僕にしか得がないように感じるんだけど…」

「えー!そんなことないよ。私、藍くんがいないと学校で独りぼっちなんだもん。」

彼女の言葉に僕は驚いた。

あまり親しくもない僕にこんなに気さくに話しかけてくれる彼女だ、当然僕以外にも友達がいるものなんだと思っていた。

少し疑問に思って質問してみた。

「僕以外の人にはあんまり話しかけないの?」

僕の言葉を聞いた彼女は一瞬悲しそうな顔をしたがすぐにいつもの調子に戻って言った。

「私は普通ではないから。」

その言葉の意味が今の僕にはわからない。

その日は彼女と連絡先を交換して家に帰った。

夜になり寝ようとしてると彼女から電話が掛かってきた。

「もしもし。」

「藍くん、まだ起きてる?」

「まだ起きてるけどどうしたの?てっきり朝電話をかけてくるものだと思ってた。」

「なんだか寝れなくてすこしはなしたくなっちゃって。」

その夜は彼女と話しながら眠りについたいつもは薬を服用して眠るがその夜は不思議と薬がいらなかった。

「おやすみ、藍くん」

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