逃げた先に
2400年6月12日
暗闇の中、廊下を歩くとこじ開けられた客室からたまに血生臭い匂いがした。
ようやく階段に辿り着き下に降りていった。三階層と同じように客室のドアがボロボロになっていた。
歩いてるとまた懐中電灯の光が見えたので客室に逃げようとしたらピシャッと水溜りを踏んでしまった。
こんな所に水溜り!?と驚いてると懐中電灯を持った人達がこっちに来て金属バットを振り回してきた。
私達は急いで逃げて食堂らしき所に逃げ込んで鍵をかけたが追ってきた人達はドアを叩いて開けようとしてきた。
ここから早く出ないと殺されてしまう!と食堂の奥にある厨房に逃げた。
しかし時期にあの人達はこっちに来てしまう、銃で応戦出来るだろうかと考えていたら
なんだか私の足元から血生臭い匂いがした。
なんだろうと足元を目を凝らして見たらさっき水溜りを踏んだ靴が血塗れになっていた。
ぎょっとして私は靴を脱いだ。
この血は乗客の…?
あの人達が乗客を殺して回っているんだろうか…?
食堂から大きな叩く音がしたかと思うと足音が近づいてきた。ドアを開けられてしまった…!私はリリィの前に立って銃を構えた。その時、不意に上から私達の名前を呼ぶ声がした。
恐る恐る声の方を見上げると換気口から誰かがいた。
リリィがケイ!と叫んだ。
そう、ケイが生きてたのだ。
私は驚きと生きてて嬉しいって気持ちと今までどこに?ここにどうしているの?と色んな気持ちが混ざって何を言ったらいいかわかんなくなっていた。
するとケイはこっちに来てと言い、私達は誘われるまま換気口の中に入ってその中を移動した。
ケイの後を追いながらひたすら進んでいくと狭い通路に出た。
ここは作業員しか来れない所らしい。その通路をひたすら歩き一階層の下にある機械室に着いた。
そこは機械やタンクがごちゃごちゃしてて隠れるのに丁度良いところだった。
私達は追われる緊張から解き放たれて一気に疲れが襲ってきた。
ケイは今日はもう寝て明日今までの事を話すよと言った。
そして私達はいつ間にか寝てたらしく起きたら毛布がかけられていた。
どうやらケイがかけてくれたみたい。
私とリリィはケイに昨日の事も含めてお礼を言った。そしたらケイは今まで黙ってどっか行ってごめんと言った。
そして今まで何があったのかを教えてくれた。
ケイがいなくなった日、ケイはどうしても十三号室の自分の家族の事が聞きたくて何も持たずに船長室に行った。
でも取り合ってくれなくて船員室に行って話を聞こうとした。
すると船員室から話し声がしたので聞き耳を立てると十三号船は食料不足に陥ったがその事で乗客が暴動を起こさないように秘密裏に船長含めた船員達が抵抗出来ない老人や障害を持つ人から順に殺して廃棄物として処理していった事を聞いてしまった。
その後それが乗客に発覚して暴動が起き船長達だけが十二号船に乗り乗客を見捨てたらしい。
そして自分達もそうした方が良いだろうと船員達は話していたそうだ。
私はそれを聞いた時、前に聞いた噂は本当だったんだと驚いた。
ケイは驚きドアの前で立ち尽くした。
その時、部屋から出てきた船員に見つかり今の話を聞いたかと聞かれたがケイは逃げたそうだ。
船員は追いかけて来たが上手く撒いてケイは十三号船と同じ様にならないように手を打たなければと考えた。
そしてケイは船員達の動きを調べた。
同じ様に船員を怪しんでる乗客を仲間にして私達を巻き込まないようにその人達の部屋で今まで過ごしていたそうだ。
そしてある日、一人の船員がルオという男に麻薬を渡しているのが見えた。
船員はルオを神に選ばれたとか何とか言って麻薬を使って洗脳し乗客を巻き込むように仕組んでいた。
どうやら麻薬を使い乗客の判断力を失わせ集団自殺に追い込もうとしていたのだ。
ルオは最初の犠牲者だった。
このままだとここも十三号船と同じになると考えたケイ達は船員達と戦おうと考えた。
しかしケイ達とは別に船員達を疑っている黒い頭巾の集団がおりその集団がケイ達の邪魔をしてきたのだ。
その集団は船員も乗客も無差別に略奪や暴行をしていたのだがその所為で船内は混乱状態に陥ってしまった。
ケイ達はその混乱の中、散り散りになってしまった。
ケイは黒い頭巾の男から逃げてる時、隠れる場所がどこにも無く私達がいた部屋に隠れようとしたが鍵が無くドアノブを数回捻った後私達に声をかけようとした。
しかしケイはここで見つかったら私達も危ないと思いその場を立ち去ったそうだ。
前にドアを開けようとした人はケイだったんだ…
もしあの時、声をかけたり勇気を出して開けていたらもっと早くケイに再会出来てたかもしれない…
そしてケイは数日逃げ続けた後、この機械室を見つけてここに隠れて過ごしていた。
厨房には食料を探しに来てたらしくそこで私達と会い今に至った。
この機械室は船尾にありこの真上の一階層にはちょうど他の船に接続する入口がある。
ケイはここに過ごして九号船に接続した時に上に行き九号船に乗り込もうとしているらしい。
私達にもこの事を言って一緒に九号船に逃げるつもりだったが五階層にある私達の部屋に辿り着くのが難しく言えなかったそうだ。
ケイ、私達の事考えてくれてたんだ…
ケイ自身も大変なのに…
それにすごいよ、私は部屋の中で怯える事しか出来なかったのに危険の中、進んで行くなんて…
ケイは強いな…ううん、きっとケイも怖かったんだろうな、家族もあんな目にあって、それでも勇気を出して行動したんだ…私も見習わなきゃな…




