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マブイ【魂】プロジェクト  作者: °Note
Chapter Ⅲ 失われた過去からの使者
72/120

sect.25 交渉1

「僕がヌシ狩りの民の長、ランブーだ・・・」

「あ、そう。んっ?え~っ!?」

少年は自分が長だと言ったが、どうなったらオコチャマにしか見えないこの子が、ヌシ狩りの民の頂点に立つ"オサ"になるんだと、ユマは絶句した。


「って、アンタ誰?」

「あっ、そうだった!あたしはユマ。あなたたちにお願いがあって来たんだけど、ラガンナ院長からの手紙も持ってきているんだ」

「ラガンナ・・・。キトトブの?」

「うん」

ランブーの問いかけにユマがうなずく。


「わかった、まずはその手紙を見せてもらうよ」

そう言いながらユマから受け取った手紙は、キトトブのマークで封印されていたことから、少女の言葉にここまでは嘘はないようだと思いながら、慎重に封をあける。

「・・・」


無言で険しい表情を浮かべながら、手紙に目を通すランブー。

その手紙に何が書かれてあるのかはユマたちは知らない、ただラガンナから受け取った手紙をランブーに手渡したのだけれども、今になってその内容がどういったものだったのか不安になった。

やがてランブーは手紙を読み終わると、何も言わずにそれを封筒の中へしまう。


「・・・それで要求は?」

「えっ!?」

手紙を読み終えたランブーの質問に、ユマが戸惑う。

手紙にはいったい何が書いてあったのだろうか。


「えっと、あの、その・・・」

「いいよユマ、僕が話そう」

何をどう話していいのか整理がつかず、ドギマギするユマに代わってシュカヌが前へ出る。


「巨大な生命体を討取らなくちゃいけない。そこで手助けを頼みたい」

「ふーん・・・」

ランブーは今何を考えているのか、その真意を読み取れないような表情で、歯切れの悪い言葉を漏らす。


「なぜ僕たち"ヌシ狩りの民"に?」

「それは、どういう意味?」

「うーん、そうだな・・・。ぶっちゃけて言えば、僕たちの悪い噂は聞いているはずだよね。生きるか死ぬかっていう戦いをしようというのに、そんな信用もできない連中と組んで命を懸けられるの?」

ランブーの言葉に、シュカヌの表情が変わる。


「それは心配ないんじゃないかな?」

そう言いながらニトが前に出てくる。


「シャンネラ盗賊団を知っている?」

「・・・まあ、聞いたことはある」

「その聞いたことのある内容は、おそらく良いものではないよね?」

「そうだね」

「こっちからすれば、それは不当な評価だよ。だけどシュカヌはそれを気にせず、シャンネラ盗賊団を信じてくれる」

「ふーん・・・」

ランブーはそう言いながら、シュカヌやニトに品定めするような視線を向ける。


「つまり風評には左右されずに、その人物を見て評価するってことか?」

「そうだね」

ニトは自信に満ちた顔でうなずく。

それでもランブーは浮かない顔で、何か言いたそうに口をつむんでいる。


「報酬は?」

「ん?」

「まさかタダで手を貸せ、って言ってるわけじゃないんだろ?」

ランブーにどうなんだと詰め寄られ、シュカヌとニトは固まってしまう。


「・・・フフフ。あっはっはっ」

「オババ・・・」

今までのやり取りを子供たちに任せて、後ろから眺めていたシャンネラが高らかに笑う。


「さすが"ヌシ狩りの民"の長だ。きれいごとでは一族を守れないことを知っている」

「・・・」

「安心しなシュカヌ、ニト。この子は信用できる」

「アンタは誰?」

「ワタシこそがシャンネラだよ。カネの話はこの子たちには無理だからね、そこは大人のワタシが話になろう」

「シャンネラ・・・か」

ランブーは何やら考えを巡らせているように、じっと目を閉じている。


「いいよ、話し合いのテーブルには着こう」

「じゅうぶんだ」

シュカヌはランブーの申し出にきっぱりと答えた・・・。



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