第1章 みらいの世界 ② モアの世界
今も便利なスマホが
200年後にはどうなっているでしょうか?
じゃあ、モアについて話そうね。
君達の時代のスマホは、みらいではモアと呼ばれて
ドームで暮らす人々の生活を支えているよ。
もっとスマートに使いたいという
人類の希望を表す名前だ。
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モアは、君達のスマホのように持ち歩かないンだ。
ボクはヒューマノイドだから
最初っから身体に組み込まれている。
人間は生まれた時に、液状のマシン・モアが
耳の後ろに張り付けられている。
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おしゃれな人たちは、モアにアート・サロンで
気に入った絵を描いてもらっているよ。
人によって、病院に通う頻度は違うけど
身体検査のたびに、モアと身体の状態が分析され
モアがバージョンアップされる。
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すべての"モア"は、ドームに設置してある
ボス・コンピュータにつながっているンだ。
必要な情報が、モアから脳に送られて
目の前の空間に現れた文字や映像を音声と共に
聞きながら確認して、目線や脳の動きや声などで
処理をするンだ。
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子供達はモアで情報を目の前に映すと、指を動かして
自分のやりたいことを選択できる。
赤ん坊や、いろんな障害があっても
誰でもモアで情報を処理できるように
さまざまな工夫がしてあるンだ。
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モアやモアの取付に関する費用は、無償だ。
ドームで生活するには、不可欠なものだからね。
だけど、モアで買い物した代金は
自分で支払わなくてはならない。
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君達の時代でも、人のアカウントを盗んで
なりすまして買い物をしている人がいるだろ?
みらいでも、そういった犯罪はなくならない。
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みらいに学校はなくなるンじゃないって
考えてる人がいるかもしれないけど
人間だけじゃなく、ヒューマノイドも
学習することで成長するンだ。
そこでは、ルール違反を認識するための
ルールという学習が、必修になっている。
君達の時代には、ないだろうな。
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モアもルールにきびしいよ!
人がルールと異なった行動をすると
モアがその行動をストップさせるよう警告するンだ。
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ルールの授業では、あらゆる場面でルールを破ると
どういった罰を受けるのか、モアの仮想世界で
犯罪のあれこれを追体験する。
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子供達がモアの誘いに乗って、悪いことをすると
モアの警告を受けて、どんなルールを破ったのか
どんな罪があるのかを告げられて
モアを通じて裁判を受けることになる。
罰を告げられると、それを実行しなくてはならない。
授業では、罰は掃除だったりするけどね。
こんな風に後味の悪い思いをすると
犯罪をすること自体に、抵抗感を感じるみたいだ。
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モアの楽しい使い方もある。
少し遠い所へ行きたい時に、瞬間移動もできる。
転送用のリモコンという、とても便利な道具だ。
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だけど、異星人なのか、モアがなくても
瞬間移動できる人種がいる。
君達の時代にも、いるのかな?
モアの影響を受けないから
犯罪に対する罪悪感がなくて
平気で隠れて人のモノを奪って逃げたり・・・
それだけじゃない!
モアに不正なプログラムを仕込んで
マネーやポイントを奪い取る犯罪者もね!
もっと高度なものになると
モアに怪しいプログラムを仕込んで
間違った情報に誘い込む奴らもいる!
消えてしまえば、自分達はモアがないから
警察に捕まらないって思ってるンだろうね。
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でも、それをボクみたいな
ヒューマノイドが さりげなく偵察して
警察へ通報するのが、隠れた任務なンだ。
これからのストーリーで、君達に紹介するよ!
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それはさておき、ボク達は
人だけでなく、モノの移動も、モアで操作している。
ただ、安易な転送で、人がケガをしたり
モノが破損したり、被害も多発した。
そこで、モアから許可された時以外の
転送は禁止された。
その代わりに、ボックスという転送装置を使って
モアをリモコンにしての移動が認められたンだ。
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人の転送用は、エレベーターのような装置で
ペアのボックスを使ってるよ。
ボックスの右手が送り側。
中に入って、モアで行き先を指定すると
数秒後には希望の地点のボックス左手
受け側のボックスにたどり着く。
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同じボックスに同時に転送する人が
他のボックスに何人いても
ボス・コンピュータからの指示で
重ならないように待ち時間があって
順序良く転送が行われる。
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転送が苦手な人のために
広場ではエレベーターやエスカレーターもあるけど
急いでいる時は、ボックスの方がウンと早い。
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みらいでは、大勢の人が転送のルールを守って
秩序正しく暮らすよう求めているンだ。
もちろん、人だけでなく、モノの転送にも
きちんとルールが定めてある。
製造されたモノは、製造場所と責任者
移動経路や所有者などがコード形式で表示されて
ボス・コンピュータにも、暗号化されたコードが
圧縮して記録されるンだ。
ちょっと難しいかな?
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モノの現在の位置も、
モアのGPS探索アプリで確認できる。
各部屋には、モノの転送用のボックスがあって
ネットで購入したモノをボックスに送ってもらえる。
食べ物はテーブルの上に置いたボックスに
大きなものは物置くらいのボックスに送ってもらう。
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毎日毎日、ボク達はモアからの
モーニングコールで目覚め
今日のスケジュールを確認する。
モアは、今日の予定を伝えてくれるし
都合で予定を変えると
こうした方が良いとアドバイスしてくれる。
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時には、ボクもいらだって
モアに向かって「だまれ!」と叫んで
シャットダウンしてしまうことだってあるさ。
大事なアドバイスを聞き逃して
後で後悔することもね・・・
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みらいのボク達は対人関係に、とても敏感だ。
恋愛も、知り合った相手と仲良くなってから
結婚を決心するのも早いけど、別れるのも早い!
結婚届けはメールで送って
それが認められたらゴールイン!
でもふたりっきりの部屋で
いつまでラブラブでいられるかな?
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それがイイことか、ワルイことかは
ボクにはわからないけど、みらい人は合理的だ。
愛し合う相手と、会いたい時に会って
食べたい時に、一緒に食事をして
デートしたい時に、一緒に過ごせば良い!
愛を語りたい時は、ムードあふれるホテルで
ふたりっきりに・・・
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ただ、今日の食事の予定は
どこでどんな食事をするのかと
モアからの質問に答える義務がある。
この海洋ドームでも
何万という人口を抱えているンだ。
余計な人数の食事を作るのも無駄だし
残飯も出るし、何よりモッタイナイ!
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サプリやドリンクで済ませるときは
食事をキャンセル。
部屋から出たくない時は
お気に入りのレストランから
食べたいモノを転送してもらえばいい!
こういった場合も、モアは欠かせない。
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みらいの携帯、モア。
テレビ電話・ネット・マネー
カード・カメラだけではない。
目の前に3Dホログラムを映し
仮想世界を繰り広げてくれるし
ルール違反に対しては、警告もするし
道先案内や、転送ボックスのリモコン
あらゆる機能を持つ優れものだ。
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さらに、生活アドバイザーであり
仕事のパートナーでもある。
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ボク達は、モアがないと何もできないほど
モアに依存しているンだ・・・
あなたも みらいのモアの世界で
楽しんでみますか?




