名前の呼べないいとこ(八、誤解)
璃久と二人でゆったりと過ごすはずの最後の休日は、こっそりと吐く溜息と気疲れだけで終わってしまった。
同じだけの二十四時間が公平にもたらされているはずなのに、この木曜日は璃久とさくらにだけ歪んだ空間が張り付いて、余所よりもだらりだらりと進む時間が永遠に続いて行くように思われた。
それでも金曜の朝が訪れる頃には、頑張って冗談を言ってみたり励まし合ったりした結果、張りぼての明るい家庭の雰囲気が出来上がった。
さくらは黒いパンツスーツを着て念入りに化粧をし長い髪をとかしつけてから璃久の前でぐるっと回ってみせた。
「若い男性社員が三人、まあ一人はミキオちゃんだからあれだけど……美しい私に恋したらどうしよう。今日から軽く見られないようにクールに決めるわ」
さくらがこんなことを言うと、璃久は「本当にそうね、危ないから気をつけて。何かされそうになったらいやらしい目つきの社長に助けを求めなさい!」などどはしゃぎ、さくらの背中をぽんと叩いたりする。
昨日ほどの長い時間が二人にのしかかることはなかったが、お互い記念すべき出勤第一日目をぶちこわして後悔したくなかったので、二人はいつも以上に明るく楽し気に振舞うことで気まずい朝のひとときをうまく乗り切った。
さくらはかなり早い時間に家を出たため今日も一昨日のように時間を持て余すことがわかっていたが、とにかく少しでも早く一人になりたかった。
こんなことを思うのは初めてであったし、それを寂しく思いながらもさくらにはどうすることも出来なかった。
会社のある駅からレンガの建物までの静かな住宅街をゆっくり歩いていると『さくら、さくら』と呼ぶ声が聞こえた。
振り返ると咲子がハアハア言いながら走って来てさくらの肩に手をかけ「あんたが今日も早く来るんじゃないかと思ってあそこの喫茶店で待ってたの。一緒に行こう」
咲子は息を切らしながらこう言った。
さくらは咲子が自分の為にこんな早くに来ていたことと、まるで昔からの友達のように親しみを込めて名前を呼んでくれたことが嬉しくて胸が一杯になった。
この瞬間さくらは、彼女に向かって『咲子』と呼んだほうがいいのか、まるでミキオのように迷っていた。咲子よりは控えめでてれやな精神のさくらにはまだそれが出来なかった。
そして結局ただ丁寧にこう言った。
「私を待っていてくれるなんて。いつからここに?まだこんなに早いのに本当にありがとうございます」
さくらが少し頬を赤らめたのを見て、咲子は満足した様子でこう返す。
「早く来るのは今日だけだよ、気にしないで。私寝坊だしいつも遅刻寸前で佐倉さんに怒鳴られてばかりなんだから。でも今日だけはあんたを一人で行かせたくなかったの、あんないやな空間に初めてのあんたが一人ぼっちで足を踏み入れたが最後、明日になったらうんざりして来なくなるかもしれないからさ」
咲子がいかにも深刻そうにこんなことを言ってきたのでさくらは驚いて訊き返した。
「いやな空間?あんなに楽しそうな感じだったのに、どうかしたんですか?」
「それが、また佐倉さんとミキオが子供みたいに喧嘩したのよ。時々あるの、佐倉さんがとげのある言い方で『がん』ってやることがさ。ミキオはあんなだから……あんたのいとこなのに悪いけど、むっつりしてずっと口もきかないんだから!」
咲子のこの話にさくらは心配になり、先のことも考えず焦ってこう訊ねた。
「それは、あのう、私のことでそうなったとか……じゃないですか?佐倉さんにミキオちゃんが私のことで何か言われたとか、その」
それはまさにその通りだった。二人のトラブルには確かにさくらが絡んでいた。
さくらは自分の面接での態度のことや、水曜日に璃久が自分を恥じて怒った原因となった『失礼で恥知らずな発言』を佐倉に対してしてしまったことで、ミキオが何か言われたに違いないと思った。
さくらはまた自分の失敗の後始末をしなければならなかった。こんな第一目から。
先日の水曜日、いくら佐倉が穏やかな優しい態度で自分を迎え入れてくれたからといって、それはあの人の一部に過ぎないのだ。
それとはまた別の、厳しく刺々しい話し方や険しい表情を、佐倉が隠し持っていることをさくらは十分に弁えておく必要があったのだ。
さくらは可哀相なくらいがっくりしてしまった。
咲子は、咲子らしくもなくあの日の真実を話そうか迷っていたが、さくらに対して自分は好感を持っていて絶対に味方であるということを示したくてはっきりと言ってしまった。
しかしその説明は不十分で、あの日の状況を正確にあらわせていなかった。
「確かにあんたのデザイン画のことや、ミキオのネックレスのことが原因だけど、あんたは何も悪くないんだから!ニヤついて余計なことを言い出した佐倉さんが原因なの。ミキオはあれで結構優しいから、かちんときただけなんだろうけど、しばらくはもうあのまんまだと思う。前に香月ちゃんのことで佐倉さんがミキオに何か言ったときも一週間くらいどんよりさせられたんだから。でも大丈夫よ、あの二人はなんだかんだ似た者同士っていうか、いい関係には違いないのよ」
さくらはもうたまらない気持になり、立ち止まって呆然としてしまった。
――(私のデザイン画!ミキオちゃんのネックレス!やっぱり、あの日のことを佐倉さんはまだ怒っていたんだわ!ミキオちゃんのネックレスのことも……ああ、私がいやらしいお世辞を言ったってみんなの前で笑ったのかしら、それでミキオちゃんは怒ったの?)
さくらは喉の奥でこう叫びながら思わず後ろを振り返った。
このまま卑怯者のように駆け出して家に逃げ帰りたいと思った。
しかし、そんなことがどうして出来ようか!
母があんなに喜んでいるのに!いとこのミキオが自分のために闘っているというのに!
さくらが血の気が引いたような顔色で項垂れているのを見て、咲子はさくらが可哀相になり、肩をしっかり抱いて片方の手をしっかり握ってやった。
そして持ち前の優しい気持から何度もこう言ってさくらをなぐさめた。
「しっかりして!私は絶対にあんたの味方なんだから。後藤さんもトロさんもみんなあんたのことを気に入ってんだから。佐倉さんのことは気にしなくていいよ、みんなだってしょっ中何かしら言われてるんだからさ。悪気は無い人なんだよ、本当はすごく優しい人なんだけど、時々酷くきついことを言ってみたり、気まぐれみたいにわけの分からないことを言ってみたりして……ただそういうところがね。でも私は好きよ、だっていい人なんだから。あの人だってあんたを相当気に入ってるのは間違いないんだから」
いくら咲子が慰めてくれても、さくらの耳にはろくに入っていかなかった。
さくらは一分一秒でも早く自分のせいで窮地に立たされている気の毒ないとこを救い出し、自分は佐倉にどうにか謝罪をして許してもらわなければという、ただそれだけを考えていた。
咲子と二人でレンガの建物に入ると、皆がいつもコーヒーを飲んでいるそれぞれの机のある大きな部屋で佐倉がただ一人、足を組んで座っていた。
佐倉は二人に『おはよう』と明るく声を掛け、さくらの新しい席を示し『時間がまだかなり早いからコーヒーでも飲んで』とすすめてくれた。
さくらは、この人はきっとどんな時でも冷静に、相手が礼儀を弁えた話し方や慎んだ態度が出来るかどうかを……目上に対する振る舞い方の全てを、相手を油断させ図に乗らせておきながら、抜け目無く監視しているのではないかと思った。
そうでなければどうしてミキオを激しく怒らせてむっつりさせるようなそんなことになるのだろう?
――(きっと私の調子に乗った態度が我慢ならなくて、あの日ミキオちゃんに言ってしまったんだ!)
さくらはそうに違いないと思った。
自分は本当に気をつけてこの人の気に障らないようにしなければならない……とにかくしっかりと仕事だけをして、役に立つものとして認めてもらえるよう何とかやっていくしかないのだと震えながら決心をした。
自分のやりたいことや希望なんてもうどうでもいい。とにかくただきちんとした振る舞いをしなければ!
こんなことだけを思いながら、さくらは自分の与えられた席に真っすぐに背筋を伸ばしてゆっくりと座った。
まるで凍えてでもいるかのようなさくらの様子を見て、佐倉は「どうしたの?具合でも悪いのかい?」と心配そうに声をかけたが、さくらは小さな声で大丈夫です、と答えただけでむっつりと、まるでミキオのように黙り込んでしまった。
佐倉はしばらく不思議そうにさくらをを見つめていたが、玄関から後藤とトロさんが入って来たのを見るとさっと自分の部屋に入って行き、手で合図をして咲子を呼びつけ扉を閉めた。
部屋の中でどんな会話が行われたのかさくらには想像もつかなかったが、しばらくして部屋から出て来た佐倉は明るい声でさくらを「さくらくん」と呼び、ニコニコしながらこう言った。
「咲子くんに引き継ぎをさせようと思ったんだが、彼女にやらせたら『ヌケ』が出てきそうなんで私がやるよ。私の部屋で一緒にやろう」
さくらはまるで怯えた学生のような声で小さく「はい」と答え、素早く部屋に入った。
佐倉はまず一番に片付けてもらいたいという書類の束をさくらに渡し、これを全てパソコンに打ち込んだら一つも間違いがないよう見直しをした後でプリントに打ち出すように指示を出した。
使用するソフトはさくらが役所で使っていたものと同じだったのでさくらはホッとした。
書類の束がどんなに高く積み上げられていようが、どんなに細かい作業であろうとも、そんなことはもうどうでもよかった。
逆にこれを早く正確に仕上げることで、少しでも佐倉の機嫌を取れるなら有り難いとまで思い、恐ろしいスピードでその仕事に取りかかった。
さくらが顔を上げたのは、ミキオが印刷会社に直行した後で昼近くに出社して来た時だけだった。
さくらが「ミキオちゃんおはよう」と言った時、ミキオはさくらのほうを見もせずに片手をちょっと上げて「ああ」とだけ答え、そのまま作業室に入って行ってしまった。
さくらは「あっ」と言って少しだけ椅子から立ち上がったが、すぐにどすんと腰を下ろし、作業室の扉が閉まるのを涙を浮かべて見送った。
これを見た咲子と佐倉が困り顔で何か合図をし合っていたが、そんなことは当然さくらの目に入るはずもなかったし、実際どうでもいいことだった。
さくらはとにかくこの仕事を完璧にやり遂げて佐倉に手渡し『君の作業が役に立ったよ』と思ってもらえればそれでよかった。
十二時になった時、ミキオが何も言わずに出かけてしまったので、後藤やトロさんが「しょうがないな、みんなでメシ食いに行こうと思ってたのに」と話しているのが聞こえたが、さくらは『こうなったのは全て自分のせいだからどうかミキオちゃんを責めないでほしい、どうかそっとしておいてあげてほしい』と、こんなことばかり思って、まだ入力作業を続けていた。
咲子はいつまでも仕事をしているさくらの側にやって来て「もう十二時だからお昼に行こう」と誘って来たが、さくらは今のこの状態ではたとえどんな食べ物であっても、どんなに少ない量であったとしても一口も食べられないことが分かっていたので、今日はうっかりお弁当を持って来てしまった、などという嘘をつき『みんなで行って来て下さい』と控えめに言った。
咲子は「それなら自分も何か買ってくるよ」と言い出したのだが、部屋の奥から佐倉が『君達だけで行きなさい!』と、手で合図をしているのに気がついた後藤が、咲子を無理矢理引っ張って外に連れ出した。
さくらは、もうこの部屋には自分だけが残っているものとばかり思っていたので、少し離れた後ろのほうで、佐倉が立ったままジーッとさくらを見つめていたことに全く気がつかなかった。
佐倉のほうは、もう二十分も過ぎているというのに仕事をやり続けているさくらに何と言って声をかけようかと機会をうかがっていたが、ついにこう言って話しかけた。
「そこの会社名だが漢字が間違ってるよ」
さくらは誰もいないはずの空間からいきなり人間の声が聞こえたため驚いて椅子から飛び上がり、この世のものとは思えない恐ろしい大声で『ぎゃああああっ!』と叫んでしまった。
その声には佐倉のほうこそ驚かされた。
情けなく『ひいいっ』と叫びよろけてしまい、あげくに扉の角に肩を強くぶつけてしまった。
さくらはすみませんすみませんと何度も謝って佐倉の肩を触ってみたり、しまいにはどうしていいか分からず扉の角まで触ってみたりもした。
佐倉は、ああ大丈夫大丈夫と笑いながら、さくらの隣の席に静かに座り優しい声でこう言った。
「お弁当なんて持って来てないんだね。一体どうしたの?本当に具合でも悪いんじゃないのかい?」
気遣うようにこう言われたさくらは、この人が抜け目なく自分を見張り、また新たな失敗を犯すかどうかを監視している冷徹な『看守』であることをほんの一瞬忘れてしまいそうになった。
しかし張りつめていたさくらの神経は『こんな見せかけの声かけに隙を見せるな!』と囁き、今ここで余計なことを言ってはいけないよと冷静に語りかけてきた。
「本当に大丈夫です。実はあまりお腹が空いていないんです」さくらは引き攣った笑顔でこう答えた。
しかし佐倉はこの答えを信用しなかった。
「咲子くんから聞いたが、君はミキオと私が自分のせいで喧嘩になった、なんて馬鹿なことを考えているんじゃないか?断言させてもらうが、君のせいだなんてことは全くないよ。ミキオが見当違いのことを言ってきたから私はあいつにちょっと言っただけだし、ミキオはミキオで私の態度のことで不満があっただけなんだよ。何も君が……」
ここまで言って佐倉は、さくらの目によく溢れ出てしまう例の涙というものが、とうとうこぼれ落ちて頬を伝ってしまったことに気がついた。
次から次へと溢れ出る涙を見ているうちに、佐倉は自分が大人であることを忘れるほど動揺してしまい、目を見開いたまま何も出来ず、つい『あっ』と小さな声を漏らしてしまった。
そして、さくらがその声に気がつき『すみません』と何度も言うのを聞いているうちに、今度はなぜだか父親のような気持になり、佐倉はハンカチを出してそっとさくらの頬の涙を拭いてやった。
そんな優しい仕草に抵抗出来ずされるがままになっているうちに、さくらは完全に佐倉が『看守』だということを忘れてしまった。
そしてついに、さくらが立派にも避けようとした新たな失敗にまた片足を入れてしまった。
「いいえ、私が恥知らずだったんです。何度もここでひどい失礼をしたんです!あの時は私、ひどくがっかりしてしまって。それであんなふうにしてしまったんです。きちんとした態度で答えなくちゃならなかったのに、私、うちに着くまで全然気がつきませんでした。せっかく色々見せて下さったって言うのに。一昨日だってあんなことを言うなんて、ほんとに悪かったと思ってるんです。ご両親が亡くなられたっていうのに、自分の父親がぴんぴんしてるだなんて!つい言ってしまって……いつもいつもやってしまってから気がつくんです!」
さくらは顔を手で覆って泣きながら告白を続けた。
「でもミキオちゃんのネックレスは、私ほんとうに素敵だと思ったんです。ここに入りたいからってお世辞を言ったんじゃありません!そのことでミキオちゃんが佐倉さんに何か言ったんでしょうけど、何を言ったにせよ彼が悪いんじゃないんです。きっともう、ミキオちゃんもあの時の私の態度を思い出して腹を立てているんでしょうけど!でもきっと私をかばいたくて、それで言ってしまったに違いないんです」
佐倉は最初、さくらが何を言っているのか見当もつかなかったのだが、話を聞いているうちにだんだんおかしくなり吹き出してしまいそうになった。
しかし、それでもさくらの真剣な気持ちを思いやって、静かに最後まで話を聞いてあげようと笑わずに頑張った。
さて、さくらはまだ続けた。
「水曜日は私、みんなが親切にしてくれたのが嬉しくてつい調子に乗ってしまったんです。もちろんあとから気がついたんですけれど!それに私、家のことでイライラしてて名前のことであんなふうに言ったりして、」
さくらがここまで言った時、ついに佐倉は笑い出し『もういいよ、実によくわかったよ!』と手を左右に振って見せた。
そしてまたすぐに顔を押さえて笑い出した。
さくらはどうしていいのかわからず、思わず立ち上がってし まった。
ちょうどこの時だ。
早めにお昼から戻ってきた咲子と後藤達は、この二人のうちの明らかな強者が、弱い立場の新入社員を理不尽にいじめているらしい、この『いまいましい図』を見てしまった。
彼らは、まだ依然乾かずにいる涙の跡やまぶたのふちにまだ新しい涙が溜まっている可哀相な姿と、自分ひとり椅子に座ってげらげら笑っている大人げないふざけた姿を目の当たりにして、激しい怒りをあらわにした。
「佐倉さん何してるんですか?私は相手が誰でもやっつけるって言ったはずよ!」咲子がまず叫んだ。
「阿部さ……さくらちゃん一体どうしたの?」トロさんはすぐにさくらのそばにやってきて優しく肩に手をかけ、まるでさくらを守るように、さっと佐倉の椅子から遠ざけた。
「佐倉さん、やりすぎなんじゃないですか?いったい何がおかしいっていうんです?ミキオじゃないけどいいかげんにして下さいよ」最後に後藤が強い口調でこう言った。
佐倉は三人から揃ってこんなふうに言われたためますますおかしくなり、そのままげらげらと笑い続けた。
そのうちとうとうミキオが帰って来た。
ミキオはこの五人のただならぬ様子を見て、二日ぶりにやっと自分から口をきいた。
「一体どうしたんだ?何をやってるんだ?」
やっと笑うのをやめた佐倉は、まず『ふん』と言ってから馬鹿にしたように口元だけでニヤリと笑った。
「おい、結局何も分かってなかったのは誰だか分かったよ。お前はやっぱり全くの見当違いだったが、私も確かに分かっていなかったんだよ。そういうことだから、もういいだろう?」と、こう言った。
咲子は『もういいかげんにしてよ』とか『なにわけの分からないこと言ってるの?』と佐倉に向って大声を出してさくらを驚かせたが、当の佐倉はにっこり笑ってそれを無視した。
そしてさくらをかばう彼らに向って意地悪そうな笑顔を見せつけた。
「さくらくん、君は初日から昼休みまで仕事をやり続けたんだから全く立派だよ。でも私はこれ以上空腹に耐えられないんだ。だから君に昼休みの間中ずうっとつき合わされた私は、今度は君に昼飯につき合ってもらいたいね。ごちそうするから今から出かけよう」
さくらは驚いて「いいえ、すみませんが私お腹がすいていないんです」と言った。
しかし佐倉はそれを笑い飛ばし「いいから来なさい!」と、強い口調でさくらに命令を下した。
咲子や後藤は激しく怒り出し佐倉にくってかかった。
しかし佐倉の不敵な態度は変わらない。
「別になんとでも言ってくれよ。私は全くかまわないね」
そしてさくらの手を引っ張って、無理矢理昼食に連れ出した。
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