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頑張ったのに悪女扱いは酷くないですか  作者: 梶 ゆう


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ブルマイスター解放戦14

「梶 ゆう」の初回投稿です。

書きながら色々勉強して行きたいと思っています。

この物語のメインテーマは、『格好のいい男前なお嬢様』の物語。

皆が応援したく成る『お姉様』を書きたいと思います。

暫くの間毎日更新を行います。

「クルト様、カチア様、そろそろウノシルディス騎士団が入城します。

ヒルデガルド様は最後に入城致されます」

これまで、親子の再会を何も言わずに見ていたベルンが俺に跪いたまま式次の案内を行う。


「そうか、わかった。お出迎えの準備をしよう。

それとベルン、報告はリンケから聞いた。

良く我が命令を果たしアーダルベルトとアデリアと領民を逃してくれた。

良くやった、大儀であった」


「有難う御座います。臣下として無事に任務を果たす事が出来た事を嬉しく思います」

まだ、ベルンは跪いたまま顔を上げない。


これはあれか、儂の許しも無くカチアに求婚した事への恐れか?

それとも「カチアはくれてやる。その代わりに一発殴らせろ」ってやつか?

平民ならそんなものかもしれないが、我ら貴族の怒りがその程度で収まる訳が無いがな。


「今後の貴公の立場については、後程(のちほど)話合いたい、カチアも共にな婿()殿()

カチアはほんの少しだけ顔を赤くし、ベルンはますます顔を上げられず平伏するばかり。


「ベルン子爵、そろそろウノシルディス騎士団が入城する。

お迎えの準備をせよ、俺が命じるブルマイスター()()()()()()()()()()()()()だ」

俺はベルンを立ち上がらせ、抱きしめた。


「この後は、カチアを支えてやってくれ」


「はい、お約束致します、閣下。この命の全てを賭けてカチア様を終生お守り致します」

ベルンが我が軍の騎士団長を若くして務める優秀な男であり、年の頃合いも丁度いいカチアと将来結婚させる事は、俺の未来可能性の一つに前から含まれていた。


カチアが学園に行くと決めた時も、領地経営に必要な知識と武術を学べ、何よりシルディア殿下と繋がりを持てる良い機会と言う打算があった。


カチアがシルディア殿下の筆頭秘書や、女官長に成りたいと言った時にも、それも又良しと考えた。


だがウノ族の侵略を受け、死を覚悟した時、将来アーダルベルトが成人するまでをカチアが支え、そのカチアを支える者としてベルンを脱出させた。


だからベルンがカチアの婿となる事に異存はない。


だが、そのカチアがブルマイスター開放の中核に成る事は想定していなかった。


そもそも1000人しかいない学園の生徒が10万の敵を蹴散らすなど痴人の妄想でしかない。

だが学園から出陣して10日もかけずにウノシルディスとブルマイスターを解放し、10万の敵軍の約半分を平らげ損害はゼロとか、『()()()()()

妄想を通り越して神話の世界の英雄譚としか言いようが無い。


俺は、このブルマイスター要塞で将来家を継ぐアーダルベルトの発言を高める為に敵を一人でも多く引きつけ倒した後に玉砕するつもりであった。

最後まで降伏せず、最後の一兵まで戦い最後は城に火を掛けて自刃する。

ブルマイスター家の武勇は領地を失ったアーダルベルトの発言力を少しは助けるであろう。


頼りなく見えるバカ息子二人もこの俺の方針に異議は唱えなかった。

まだ12歳でしかないアーダルベルトと比べても見るべき所のないバカ息子達だが、あの時だけは、男として少しは見直した。

そういえば、子供の頃から剣技や馬術を女のカチアに丁寧に教えてやっていたのはこのバカ息子だ。

そう考えれば、先見の明があったと言う事で、それほどバカでは無いのかもしれない。


しかし、カチアに直接に会って俺は確信した。

カチアは英雄として育ちつつある。

とても伯爵程度で収まる器量では無い。

カチアは自由にさせる。

伯爵家の家督を継ぐと言ってくれれば嬉しいし、直ぐにでも引き渡すが、僻地の伯爵程度の地位に興味は無いだろう。

伯爵家の家督程度、俺がこれから教えればバカ息子二人でも何とか成る。

ダメならアーダルベルトがいる。


今後のウノ族の再侵略は当分あり得ない。

我が家の槍騎兵と騎士団長は、我が家において置いても宝の持ち腐れ、シルディア様への嫁入り道具としてカチアにやる。

ベルン、悪いがお前はカチアの夫になるが、カチアがシルディア様に嫁入りする時の嫁入り道具だ。

我が家の槍騎兵もシルデイア殿下の作られる新しいクロスロード大公国の軍の中核として存分に生きがいを見つけてくれる事であろう。


クリスタラー家は妹のクリスに俺が責任を持って継がせてやるから安心しろ。

クリスが気に入ってくれるなら、エトムントかフリッツ、何ならアーダルベルトを入婿に出して構わない。

クリスが嫌がるなら他の婿を探せばいい。


何より我が家に英雄が生まれたのだ。その程度の援助は父としてしてやる。


シルデイア殿下ともっと早く出会っていたら、俺でも領地も爵位も放り出してお仕えしていただろう。

あのバルタザール殿や稀代の曲者ルーペルト殿がまだ子供だったシルデイア殿下を本気でお支えした情熱も今なら判る。

そのシルデイア殿下の筆頭秘書であり女官長、そして戦隊長として戦場にも立つ。

こんな面白い人生の前には、辺境の伯爵家の当主の地位の魅力など、昼間のロウソクの光でしかない。

カチアには、俺が想像も出来なかった世界をシルデイア殿下と共に見てほしい。

その為の援助を俺は惜しみはしない。

シルデイア殿下の夢の一端だけでもいい、俺もその夢を見てみたい。

ブルマイスター要塞健在なり この情報によりウノシルディス解放の余韻に浸る間もなく援軍を組織。6万の残敵が健在な中、電撃的な騎馬による機動戦術の運用をシルデイは妹のヒルダと腹心の部下のフローラ、そして新しく総騎士団長に任命されたベルンに託す。

敵の族長アキム・アレクセイの抵抗は苛烈なものであったが、運を味方に付けたヒルダは辛くも虎口を脱し、ブルマイスター要塞の解放に成功する。

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