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頑張ったのに悪女扱いは酷くないですか  作者: 梶 ゆう


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ブルマイスター解放戦2

「梶 ゆう」の初回投稿です。

書きながら色々勉強して行きたいと思っています。

この物語のメインテーマは、『格好のいい男前なお嬢様』の物語。

皆が応援したく成る『お姉様』を書きたいと思います。

火曜日と金曜日に更新を行います。


「ベルン殿、上手く左右の敵陣は削り切れた様ね」

戦闘開始から30分、500本程のアーレイを撃ち込まれた左右の敵陣は既に壊滅状態。

(実際には開始10分で全滅していたから、壊走していても不思議じゃないんだけど)


「攻撃開始から半時、良く持ちこたえたと思います。何か策が有ると思いましたが・・・結局、蛮族でしかなかったようですね」

アーレイの斉射のみで戦闘が終わりそうな気配にベルンはやや不満そうである。


「そろそろ、ライナー達も到着するでしょう。敵は上がるか下がるか」


「ヒルダ様はどう見ます」


「敵の中央軍と後衛は依然健在ですが、左右の味方が削られるのを見ていただけです。数を頼りに左右どちらかに攻撃を行うと思いましたが・・・・無能ですね」

作戦開始前に今後の動きを整理した戦駒図から、私は左右の敵陣の駒を取り払った。


「確かに無能ですな・・・・」

ベルンは敵の中央軍と後衛の無策に納得しきれていない様だ。


「ですが、数だけは二千ほど居ますので、槍騎兵の突撃には少し早いと考えます。負ける事は無いでしょうが、無駄な犠牲は出さない」

先ほどからフローラは戦場と戦駒図を見ては何か考えている様で、私とベルンの会話に一言も発しない。


丁度その時右後方の森の方から角笛が鳴り響く。

ライナー騎士団長が率いるブルマイスター騎士団が到着したらしい。


「役者が揃った様です。あと10分程で合流できるでしょう」


「相当焦って来たみたいですね。この距離で殺気が伝わってきます。少しは休めたのでしょうか」

『進軍開始で睡眠開始』と言う普通なら訳の分からない命令を出した手前、ちゃんと休息してもらわないと困る。


「ま~大丈夫でしょう。奴らも歴戦の(つわもの)です。ほんの少しでも休息出来たなら、今日一日位は全力で戦えるでしょう」


「今日一日ですね」


「ええ、今日一日でブルマイスターを解放します」

強い決意でベルンが言い切る。


「総騎士団長、カチア隊、クリス隊を掃討作戦に変更して下さい」

最早、敵の左翼と右翼にアーレイの的となる集団らしい集団は存在しない。


「了解致しました。カチア隊、クリス隊アーレイにより攻撃を中止。以後、別名あるまで槍騎兵により残存兵力を掃討させます」

ベルンが戦駒図から、左右のカチア隊、クリス隊を少し後退させる。


「わかりました、それで結構です」

ベルンが伝令を走らせるのを見計らった様に、敵の中央軍と後衛が退却を始める。


「ヒルダ様、敵が引き始めました」

フローラが望遠鏡で敵を見ながら報告する。

私もベルンも改めて敵を観察する。


「・・・割に整然と引いていますね」

何かおかしい。


「・・・確かに、ただ単に引いただけですね」

ベルンも何かが気にかかる。


「普通なら追撃を掛けた所に伏兵を潜ませて背後、もしくは側面から挟撃ですが・・・」

そう言いながら私もベルンもフローラも敵の後退して行く先を見るが、ほとんど平らなこの牧草地に兵を伏せておける様な場所など無い。


「普通あれだけの犠牲を出したら、何か仕掛けるはず。しかし、伏兵も何も見えない」

ただ前進して後退する敵の意図がまるで読めない。

(ただ兵を減らしただけ。しかし、それにしては敵軍の動きが整然としすぎている)


「そうですね、私も先ほどからそれが気になっているのですが、本当に何もありません」

私とベルンのやり取りの間に一切意見を挟まなかったフローラが久しぶりに意見を述べる。

私達は敵の動きを単純な後退と判断するしか無かった。


「ベルン、後退する敵の数を少しでも減らしたい」

消極的な掃討作戦を行うしかなかった。


「かしこまりました、ヒルダ様」

ベルンも単純な掃討作戦には興が乗らない様子。


「伝令!第4戦隊から第7戦隊、500メートル前進、斉射3連、その後、後退しつつある敵を掃討」

なので、大雑把な命令になるが、私もフローラも頷く。


私達のいる本陣から各戦隊までは伝令の早馬なら1分もかからない。

程なくして各戦隊の弓騎兵と直衛の槍騎兵が前進を開始する。


   ◆    ◆    ◆    ◆


「ヒルダ様、フローラ様、ベルン様、ブルマイスター騎士団間もなく合流致します」

ブルマイスター騎士団からライナーが少数の護衛騎士を伴って一足早く到着した。


「ライナー騎士団長、お疲れ様です。少しは休めましたか。

既に敵左翼と右翼は壊滅。中央軍と後衛軍は後退中。

間もなく追撃戦が始まるので用意しておいて下さい」

私達は今戦場に到着したばかりのライナーに戦況を知らせる。


「かしこまりました。仕上げに間に合って良かったです。

・・・・ヒルダ様、戦隊が行軍隊形での前進するのには何か意図があるのですか」

ライナーの言葉に私もベルンもフローラも思わず戦場に向き直る。


各戦隊共に弓騎兵と10名程の護衛の槍騎兵は一団で進んでいるが、本来なら先行して残敵掃討を行う槍騎兵がその左右に少し遅れて前進している。


「ベルン! 命令! 槍騎兵は弓騎兵に先行して前進せよ」

(『前進、斉射3連、その後、後退しつつ・・』斉射の為の射線を確保する為に槍騎兵隊が前進を遅らせてしまったようね)


「はい、直ちに! いえ、自分が前線で指揮します」

(アーレイは弓と違って、長距離射撃を行う時は味方の遥か頭上を飛び越えるから射線を開ける必要は無いのだが。奴らはその経験がまだ無かったか)


「自分も参ります。第6、7戦隊はお任せください」


「ライナー!頼む」

ベルンとライナーが矢と成ってに飛び出す。


既に部隊は500メートル程前進して最初に敵中央軍が布陣していた地点まで100メートル程の所まで前進している。

私達との距離は、700メートル程なので、ベルンとライナーが追いつくのに1分弱程の時間がかかる。


「フローラ、引き鐘。反転、急速後退。嫌な予感がする」

多少命令に誤解と運用に無知な点があったが、敵との距離は400メートルもあり、しかも敵は背を向けて後退中である。

常識的に考えて問題は無い。

しかし、私は何か急に臆病風に吹かれた様に後退を命じた。


「はい、ヒルダ様。反転、急速後退、『3点』引き鐘」

フローラも躊躇う事無く、即座に『3点』引き鐘が連打させる。



その時に異変は起こった。

ブルマイスター要塞健在なり この情報によりウノシルディス解放の余韻に浸る間もなく援軍を組織する事となります。 6万の残敵が健在な中、戦術的には不味い作戦が開始されます。

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