↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
頑張ったのに悪女扱いは酷くないですか  作者: 梶 ゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
105/111

戦いのあと5

わくわくするお姉様の活躍を描いてみたい。

そんな作者の願望から始めた物語です。

この物語のメインテーマは、『格好のいい男前なお嬢様』の物語。

皆が応援したく成る『お姉様』を書きたいと思います。

火曜日と金曜日に更新を行います。


短編の外伝を作成しました。

こうれからも不定期で作成してまいります。

『主人公じゃないけど頑張ります』

40話から45話のお話です。


『帝国の崩壊』

本文で語られている「先の大敗」のお話です。

「ヒルダ様、シルディ様から伝令が届きました」

ブルマイスター要塞の周りで補修工事の指示、と言うか築城の勉強を行っている私とフローラの所にカチアがベルンを伴って馬を飛ばして来たらしい。


「思ったより早かったですね」

そう言いながら伝令を知らせてくれたフローラと共に休憩所に向かう。


「そうですね、これだとアレクセイ殿も、ヒルダ様の伝言も間に合ったかどうか微妙なタイミングです」

私の口添えが無ければ、例え戦意無く降伏してきても、アキム族を殲滅する事にお姉様は躊躇しないだろう。


「そうね一万人のアキム族を味方に付けれるかどうかで今後のウノ族の平定にかなり影響します」

私とフローラが休憩所に到着すると、ハイデ達が迎えてくれる。


「それでカチア、伝令書の内容は確認した? 

その顔を見れば、吉報なのは判るけど」

カチア達に席を勧めて私も席に着く。

フローラがライナーに命じてお茶の用意をさせる。


(一応ライナーはブルマイスター伯爵家の騎士団長なのだけど、自然な動きね。まあ、フローラはブルマイスター伯爵の主筋の侯爵家の者だから問題はないのかな)


「はいヒルダ様。シルディ様は4日前にカロッサ村付近でウノ族残党3万と会戦。

アキム族9000の寝返りと士官候補生1000騎の援軍を得てこれを殲滅。

捕虜となっていた5000の難民を保護する事にも成功しました」

実際の伝令書には更に細かい戦況も書かれているだろうが、それは後でいい。


(アレクセイは間に合ったらしい。おまけに5000人の人質の解放。完璧な勝利ね)


「乾杯しましょう」

丁度お茶の用意が整ったので、私は銅で出来たカップを持って立ち上がる。


「お茶で乾杯ですか?」

フローラは不満そうだが、これは茶化して言っているだけだ。


「形式は関係無い。

そこにある物を活用する。

私達らしいじゃない」


「そうですね」

フローラもカチアもベルンも笑いながらカップを持つ。


「クロスロードの勝利に 乾杯」


「「「クロスロードの勝利に」」」

4人のカップがぶつかり鈍い音を立てる。


「やっぱり、銅のカップでは締まらないわね」

私の言葉に3人が笑顔で答える。

その時、誰が吹かせたのか判らないが風がそっと吹いた。


髪の毛を短くしてしまったお陰で、冬の気配を感じさせる秋風が項(うなじ)を撫ぜて少し寒い。

同じく髪が短いカチアも同じ感想を抱いたらしい。

(私の髪の毛はアクセレイに渡したけど、カチアの髪の毛は神への供物となって、群衆の見ている前で消えて無くなったらしいわね。嘘っぽいけど吟遊詩人が飛びつきそうなお話ね)


一人、髪が長いままのフローラだけが、風に髪の毛を流す。

(あれは絶対、わざと見せつけている)


「何ですか二人とも。

今年の冬は寒いかもしれませんが、髪の毛なんて1年もあれば伸びます」

何かフローラがツンと顎を上げて言った気がする。


英雄カチアにも琴線、又は逆鱗に触る所があったらしい

「私は別に短くても良いのです。

ベルンが長い方がベッドの上で好きでならば伸ばしますが」

あのカチアがフローラにまさかの先制攻撃!

しかしこれは範囲攻撃。

ロング以上の破壊力で味方のベルンを巻き込む。


「そうね、私も婚姻までにアレクセイの好みに合わせる事にしましょう」

楽しそうだから私も負けずに追い打ちを掛ける。


「お二人共この私に攻めかかるとは成長しましたね」

フローラは余裕の笑顔、フローラには私達二人の攻撃は悔しいかな、全然効いていない。

横で爆風に巻き込まれた関係の無いベルンが知らない間に勝手に大破、轟沈している。


「フローラってお姉様以上に色々とヤラカシてない?」

巻き添えを食って撃沈したベルンをチラリと見て私はお姉様の秘書でもあるカチアに尋ねる。


「そうですね、間違いなく否定出来ません。

ですが、お二人の容姿は胸の大きさを除けば、非常に良く似ておられるます。

並ばれ無い限り、どちらも黒髪の絶世の美女です。

事情を良く知らない者には、フローラ様がヤラカシた事もシルディ様がなされた事に相当なっています」

(あ~~今この瞬間お姉様は絶対くしゃみを連発しているわね)


「たかが婚約者が出来たとか、男が出来た位で私に挑むとか、無駄な事をしてないで、早くクルト殿に今後の事を相談に参りましょう。

やるべき事は山積ですが、私は早くシルディ様に合流したいです。

それとカチア、貴(・)方(・)が(・)殺(・)し(・)た(・)のですからベルンをサッサと生き返らせて連れて来て下さい。

ヒルダ様、行きますよ」

とキッチリとベルンに止めを刺してフローラはとっとと騎乗してブルマイスター要塞に向かってしまう。

(何気(なにげ)に今の最後の一言はベルンには死体蹴りではないかしら。お姉様よりも酷い)


「仕方がありません、カチア。

クルト殿と会談する席を設けて下さい。

それと、森で死(・)ん(・)で(・)い(・)る(・)騎士は美女の口付けで蘇るらしいわよ」

私が適当な事を言うと歴戦の勇士であるベルンは飛び起きて騎乗しようとする。


「あらら、もう少し寝ていてくれれば、私の口付けで起こしてあげたのに」

婚約者カチアの独り言に止めを刺された新郎予定のベルンはフラフラと足をかけた鐙を滑らせる。

更に愛馬に避けられ、手綱を引っ張られて盛大に転ぶ。


それを見ていたライナーとブルマイスターの騎士達が肩を震わせて必死に笑いを堪えている。

(戦場でも平時でも頼もしい総騎士団長なのでけど、カチアの前では典型的ダメ男。まあ愛すべき人物なのは確かだから問題無し)

ベルンは本当に愛すべきキャラです。

真面目で忠誠心に溢れ、勇猛果敢、部下からも慕われ英雄と言われるカチアには頭が上がらず。

妹のクリスには恋敵、バカ兄貴と言われ目の敵にされています。(兄妹仲は実はいいと思います)

上司でありカチアの父でもあるクルトからは、カチアがシルディに嫁ぐ時の花嫁道具扱いと散々ですが、

彼自身が幸せなので、これで問題無いのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。