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頑張ったのに悪女扱いは酷くないですか  作者: 梶 ゆう


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戦いのあと4

わくわくするお姉様の活躍を描いてみたい。

そんな作者の願望から始めた物語です。

この物語のメインテーマは、『格好のいい男前なお嬢様』の物語。

皆が応援したく成る『お姉様』を書きたいと思います。

火曜日と金曜日に更新を行います。


短編の外伝を作成しました。

こうれからも不定期で作成してまいります。

『主人公じゃないけど頑張ります』

40話から45話のお話です。


『帝国の崩壊』

本文で語られている「先の大敗」のお話です。

「シルディア様、負傷兵のカロッサ村からの移動は完了しました。

しかし、本当に2時間で2000人分の宿泊施設が作れるとは思いませんでした。

エリー様の指揮と学園の方々の仕事の進め方には感心しかありません」

朝は敵としてアーレイの攻撃に晒され。

(偽装だけど)

昼前には味方と成り同じウノ族と戦い。

(一週間前に見限っていたけど)

午後からは、戦死者の埋葬に収容施設の建築、負傷者の移送と3箇所を走り回った。

(これは、ちょっと普通じゃ体験出来ない人生経験よね)


「アレクセイもお疲れ様、今日は人生で最高に波乱万丈な日だったのでは?」

私は、本陣の出口までアレクセイを迎え入れ、コーヒーを入れたカップを差し出す。

(口調が少しイタズラぽくなったのは、私自身がアレクセイを幕僚として認め出した証だと思う)


「ありがとう御座います。

確かに今日はアキム族の記念日にして記憶すべき波乱万丈の日でした」

アレクセイもコーヒーを受け取り、私の横で立ったまま飲む。

(アレクセイの初めての冗談ね)


「それは良い考えね、是非そうしなさい。

それで、戦死者の埋葬はあとどれくらいで終わりますか?」

(死体を放置していては、匂いもするし、狼や肉食の獣も来る。皆の精神上も良くない)


「埋葬は既に終わりました。

遺品と装備品の整理も明日には終わります」

アレクセイの仕事ぶりに満足したので本陣の中の席を勧める。


「それは素晴らしい。

さっき、学園子達を褒めていたけど、貴方の仕事ぷりも水準を遥かに超える素晴らしい物よ。

アキム族は丘の上で今夜は宿営すると言う事なので、先程、食糧と酒を届けさせました。

酒は一人当たり2杯程度ですが、私達もみな平等なのでここは納得して欲しい」


「お気遣いありがとう御座います。

今(・)日(・)の(・)朝(・)日(・)が(・)最(・)後(・)の(・)朝(・)日(・)と思っておりましたので、一生忘れられない美味い酒になるでしょう」

そう言って微笑むアレクセイはとても良い顔をしている。


「中々に上手い詩的表現ですが、そう言った表現はやはり士官学校で学ばれましたか?」


「士官学校では、確かに詩的な表現も兵の士気を鼓舞する為の方法として学びます。

他にも様々な事を学びますが、帝国の知識を持ってしても、シルデイア様の軍に勝利する事は非(・)常(・)に(・)難(・)し(・)い(・)事と考えます」


(ふむ、『非常に難しい』か、『出来ない』と言わない、何か策はあるわけね。それを敢えて明らかにするのは、自身を大きく見せたい虚栄心? それとも二心は無い事の証? 中々に楽しませてくれる御仁ね)


「だけれど、当(・)分(・)の(・)敵(・)は帝国では無く、ウノ族の残党になります」


「承知致しております」

(さて、これは両方を承知したと言う事でいいのかな?)


「補給が整い次第、タマ河を渡り対岸に橋頭保を作る事になります。

今度はアキム族の歩兵と合同の進軍になるので、進軍速度は抑えめになります。

領地で十分に他の部族を防げると言うのであれば構わないが、そうで無いのであれば、アキム族を橋頭保付近に一時的に集めて欲しい」

(その前にウノシルディスと結ぶ補給線を整備しないと動けませんが)


「全力を挙げて先鋒を勤めさせて頂きます。

部族の者については、橋頭保付近に集めます。

集めないとおっしゃられる通り、他部族からの攻撃を防げません」


「そうか、橋頭保を確保したら、速やかに集める様にしてください。

しかし、タカツ平定では、あまり戦闘は行いたく無い。

タカツ地方の平定は、基本的に保護の精神で行いたいと考えている」


「心得ております」

私が立ち上がり右手を差し出すと、アレクセイも立ち上がり右手を差し出し握手した。


「ウノシルディスを侵略してきた者に慈悲は無いが、タカツ地方に住む者に恨みは無い。

遺品の返還と負傷者の保護はその懐柔の一手でもある。

詳しい事は後日に詰める事になるが、今日の所はこの2点だけは覚えておいて欲しい。

今日はご苦労さまでした、ゆっくり休んで下さい、明日もまた夜明けから宜しくお願い致します」


「承知致しました。では失礼致します」

アレクセイが私とエリー、バルタザール殿に敬礼を行いアキム族の方に向かう。


「本当に今日一日で色々ありましたね」

エリーがアンナに合図を送り、今日の夕食が運ばれて来る。


「今日で人生が終わった敵に比べれば、大した事はないわ。

だけど、アレクセイは一度死んで蘇ったのだから、死んだ者より忙しかったでしょうね」


「それは又、言い得て妙ですな」

バルタザール殿が言うと『そのセンスがネーミングにあれば』などと不敬な事をエリーが言う。


「まあ、みんながここに集まるまでは、暫くここで拠点作りをしながら休息よ」

戦闘糧食の干し肉をワインで流し込みながら私は言う。


「拠点作りは普通、休息には含めないのですけれど」

エリーが半目で睨みながら恨みがましく言う。


「そう? 私には国作りや学園運営は休息以外の何物(なにもの)でも無いのだけれど」

私の発言にエリーとバルタザール殿が処置無しと言う目。


「ブルックハルト殿も大変じゃな」

しみじみとバルタザール殿。


「ブルック兄様の最大の喜びはシルディ様に酷(こき)使われる事だから良いんじゃないでしょうか」

実の兄に容赦の無いエリー。


(何それ、ブルックはそこまで変態じゃない。それに私はブルックを酷(こき)使っては無い)


「二人の間はそれで良いが、周りを巻き込まないで貰いたいものじゃ」

『ええ全く』と頷き笑い合う二人、忍ばせて笑うマチア・キリー・アンアの侍女3人。

ギロリと睨むと侍女3人はエリーの後ろに逃げた。


「全く・・・・、今後の詳しい話はブルックとヒルダが合流してから行います。

それまでは、この地の拠点作りと難民の保護、遺棄された家畜と物資の確保に徹します」

私は乾パンを口に放り込み、ワインで流し込みながら宣言する。


「かしこまりました(シルディア殿の威厳も淑女も今は流石に撃ち止めか)」

「シルディ様、その仕草は止めて下さい。(威厳も何もあったものではありません)」

エリーとバルタザール殿が建前と本音をぶちまける。

何時も通りの私の幕僚の空気が戻って来た。

アーレイの発射機ですが特殊な馬の鞍から取り外して固定砲台として運用する事が可能です。

簡易な陣地の中央にヤグラを作り、その上にアーレイを配置すれば、周囲800mは絶対防衛圏です。

本来ならば、アキム族を警戒して丘の上に陣を作るのがセオリーですが、あえて平地に宿営地を

作ったのは、アキム族を信用している事を示す為と水の便と村の難民を安心させる為ですが、この事を可能としているのは、このアーレイによる絶対防御の存在です。

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