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マリア様 洋服とバッグを作る

 トロイア革命から一ヶ月が経過した。私は国を憂いたが、それでもルークスお兄様やお父様、そして陛下にあなたも国を捨てた身なので恨みを持っている人間もいるとのことで、様子を見に行くことを止められた。


 今は昼時、エルル様とフラール、そして私が城の中庭でお茶をしていた。そんな時にエルル様が私に向かって言った。


「ドレスもいいのですが、なんかこう画期的な服ってないものかしら。着にくいなと思うことがありますわ」


「あ、それは私も思いますわ」


 エルル様に続いてフラールも相槌を打つ。確かに私も前世の記憶を取り戻したときにそのように思ったことがある。


「それならば、私が服を発明してもよろしくてよ」


「お姉様は服も作ることができますの?」


「囓った程度ですが」


 そんな私の言葉にエルル様はうっとりとしながら言った。


「石けんといい化粧水といい、マリア様のすることには楽しみしか感じませんわ」


 という会話が昨日のことだった。私は魔法陣を展開させ型紙の代わりにする。設計図を引いていき、部屋に置いてあるマネキンを交互に見ていく。


 設計図を書き終えると生地を裁断して各腕や胴体、スカートなどのパーツを作っていく。そんなパーツを慎重に縫い合わせ、徐々に服を完成させていく。


 私は水色のワンピース、エルル様は蕾のように可愛らしい方なのでピンク色のワンピース、フラールはまったり系の可愛さなので純白のワンピースにする。


 各パーツを仕上げると、後はフリルを作っていく。フリルを作り終えると服に縫い付けていく。あまり華美にならずにおしとやか程度である。


 次はバッグの設計図を引いていく。この世界にはバッグという概念がないので肩から掛けるタイプのバッグにした、色はブラウン色である。


 バックの生地を裁断し、各パーツにしていく。裁断した各パーツを縫い合わせていくと簡素なバッグが出来上がる。


 二日ほどで服とバッグは完成したのでお茶会の後にエルル様と私、フラールがワンピース姿に着替える。


「なんて可愛らしい服なんでしょう、清楚で可憐に見えるのに着にくさがまったくないです」


 エルル様はワンピースを着るとくるりと一回転して私に披露した。フラールはワンピースを着てから言った。


「なんて画期的で可愛らしい服なのでしょう。お姉様は私が白が好きなのを知っていらっしゃってこうしてくださったんですの?」


「ええ、その通りでしてよ」


「しかしマリア様は凄いです……どうしたらこんな芸当ができるんですの」


 私はエルル様のうっとり顔の質問に苦笑いを浮かべて、誤魔化すことにした。


「全ては発明の副産物でございますわ」


「副産物でここまで出来るなんて凄いですお姉様」


「ははっ……」


 私は少し照れ笑いした後に各人にバッグを渡す。三人で肩掛けバッグをして洋服を楽しみ、陛下に見せに行きたいとエルル様が言った。


 私は気恥ずかしさがあったが、プロポーズのようなことをされた愛おしく思える陛下に見て頂きたくて私も陛下の元へ行くことにした。私たち三人は陛下の執務室に行くと扉をノックする。そうすると陛下の声が返ってきた。その声に私はドキドキするのを止められない。


 エルル様がドアを開け、三人で陛下の前に並ぶ。私たちの格好を見た陛下は口をぽかーんと開けて私たちをじっと見ている。いけないことだったかなと思っていると、陛下は私たちを見て視線を逸らしながら言った。


「みんなとても綺麗だ……いや可愛いと言った方が正しいか……その肩からかけているなにかがその可愛らしさを引き立てている」


 そこで陛下は一度言葉を切ると私に聞いてきた。


「これはマリア様の企みですね」


「ははっ……」


 苦笑いを浮かべる私に陛下は近づいてきて言った。


「露出が多い服なので、私の前以外では着て頂きたくないという気持ちもある。特にマリア様には」


「まあ、マリア様のことにかかるとお兄様は情熱的になられるんですから」


「本当にですわ。私たちの面目が丸つぶれですわ」


 エルル様とフラールは口を尖らせている。私は気恥ずかしくて陛下から目を逸らしたが陛下は真面目な顔でこう言った。


「今度その姿で一緒にお茶をしたいものです。変わった角度で美しいマリア様を見られそうだ」


 私は顔を真っ赤にして俯きながら陛下の誘いに乗る。


「ぜ、是非こちらこそですわ」


「約束ですよ」


「はい」


 私は陛下の手を取ると握手のように手を握って約束をする。それを見たエルル様とフラールは唇を尖らせて言った。


「私たちは引き立て役みたいですわね」


「どうやらそのようですわね」


「ところでマリア様、他にも色々な服が作れるんですか?」


 陛下の問いかけに私は頷いてから言った。


「陛下も作って欲しい服があればお作りしますが」


「それならばもう少し軽い衣装を作ってもらいたいものです」


「わかりました」


「その服を着てお茶をしましょう」


「はい」


 今度は陛下が私の手を握ってきて約束の合図をするのであった。こうして画期的な服とバック作りは一旦終わるのであった。

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