マリア様 凍結を防ぐ そして結婚へ
季節は冬になった。今私は陛下と共に水路の調査をしていた。この水路が凍るせいで水が流れなくなるそうだ。私は手袋を脱いで魔法陣を展開させる。魔法陣に水路の設計図を引き、各所にファイヤークリスタルを配置させていく。なるべくなら温かい水が循環するようにしたい。ファイヤークリスタルで以前実験したことはしたみたいなのだが、設計図を見るに一局に集中しすぎて失敗させた感じだった。
私は設計図を書き終えると、凍えた手に息を吹きかける。そんな私の手を陛下が握って温めてくる。
「ひゃん!」
「私は温めることしかできないので……いやですか?」
この頃私は陛下に完全に惹かれつつあることに気づいていた。優しく、頼もしく、仕事ができる人。そして私の訳ありのことにも触れずに愛してくれる。
「い、いやではないです……それどころか、とても嬉しいです」
私と陛下の視線が交差する。その視線は交差から近づいていく。陛下が私の顎を持ち上げ、キスをする。それは濃厚なキスだった。
「ううん、うーん」
息が出来ない。濃厚なキスは私の呼吸を奪う。舌が入り、完全なディープキスに変わる。私はされるがままになっている。仕事に来たのに恋愛にうつつを抜かすのはもう陛下に魅了されている証拠だろう。
事実私は今日のこの視察が楽しみで仕方がなかった。陛下と触れあえる。私は女として男の方に触れられたことが全くないと言った方が正確だ。ジョージはあんな感じだったし。
「ううん」
そうして陛下の唇が離れる。二人とも顔が紅潮し荒い吐息が余韻に残す。陛下は私に対して聞いてきた。
「あなたに相応しくない男かもしれませんが、結婚してくれませんか?」
考えるまでもない言葉だった。私はこう陛下に言った。
「私でよろしければ」
陛下はその言葉を聞くと私を抱きしめ再度キスをするのだった。水路の氷が溶けるように私の心も陛下の心の中に溶けていく。
後から聞いた話だが、私の技術でこの国の水路は凍結しなくなったそうだ。
そして寒い冬に結婚式が行われた。
空からは雪がちらつき、まるでホワイトスノーのようになって私たちを祝福しているようだった。
ウエディングドレスに身を包んだ私はお父様に手を引かれ神父のいる方へ向かう。そこには陛下がいた。一歩一歩二度目の結婚のために私は歩を進める。そして私は陛下の前に来るとお父様は下がり私と陛下が見つめ合う。神父の決まり台詞の後に陛下は私のベールを上げてキスをする。それがとても心地よくて。嬉しくて、私は涙が出る。陛下は私の涙をそっと拭うと皆に宣言した。
「私はこのお方を生涯大切にする。泣かせない、苦しまさせない。このお方はこれから我がカテリーナ国の王妃になる」
その言葉に教会に集まった皆が拍手をして私たちを祝福してくれた。私は陛下の耳元で囁く。
「私を大事にしてくださいませ。私も陛下を生涯お慕い申し上げます」
「はい、我が愛しの姫よ」
こうして王から突然離縁された私の物語はハッピーエンドという形で幕を下ろすのであった。
Fin
思ったより長くなりましたが完結致しました。
呼んでくださった皆様には本当に感謝とお礼とお疲れ様です。
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