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マリア様 業務改革と魔法計算機そして獣よけを作る2

執務室から出ると私は陛下に進言する。


「陛下少しよろしいでしょうか?」


「うん? どうかされましたか?」


「今日書類を整理をして思ったのですが、細かな陛下がする必要のないものまで奏上されている気がするのです」


 私はトロイアで書類整理をしていた時は、地球の行政機関のように私の許可が必要なものは私の元へくるようにし、それ以外の細かな部分は各部門を作りそこへ文官を配置し、書類の整理をしていた。


「これでは陛下のご負担が増えてしまいますわ」


「うむ……慣れているからいいとは思うんですが」


「いいえ、業務は効率的に動かした方がいいと思いますわ。そうすれば陛下のご負担も減るでしょうし」


 私はトロイアで自分が行っていた書類整理の手法を陛下に説明する。陛下は最初は黙って聞いていたが、もっと詳しく聞きたいと思ったのか質問をしてくる。


「例えば、今日のような害獣避けの報告があった場合はどうするんですか?」


「害獣に関する部門を作るのです。そして必要に応じて私や陛下に進言する形にすればいいかと。害獣の書類と予算などの書類がごった返しているのは非常に非効率なのですわ」


「ふむ……マリア様の話を聞いていると非常に勉強になります」


「とんでもございませんわ。それより生意気なことを言って陛下のご気分を害したのではないかという方が気がかりですわ」


「とんでもない、これほど効率的なことを聞いて気分を害するどころかこれからどうしていこうかと考えると非常に楽しみです」


 私は胸に手を置いてほうーと安堵の息を漏らす。そんな私に陛下は微笑みながら言ってきた。


「しかしマリア様は非常に不思議な方だ。王妃は普通はそのようなことはしないし、そこまで機転が回る物でもない。やはりこういう機転も発明からくるのですか?」


 そこで私は少し苦笑いをする。この程度のことは地球に住んでいた者であれば考えつくことなのだ。いばることでもなんでもない。だから私は陛下に向かってお辞儀をしてから言った。


「発明の副産物とでもいうべきでしょうか? それに違いありませんわ」


 なんとか言葉を濁すしかない。オクトラス様騙してごめんなさい。そんな私に陛下は不思議な顔をする。


「実は自分でもよくわかっていないような言い方ですね」


 私はギクッとする。やはり陛下を騙すのは難しい。だから私は陛下からの追撃を回避するようにしてやや引きつった笑みを浮かべながら答える。


「発想の転換というものでしょうか。それしか答えようがございませんわ」


「発想の転換ですか。非常にいい言葉だ。私も今度から発想の転換を考えながら仕事をしますね」


「生意気を言ってしまってすみません陛下」


「それはなしですよマリア様」


 そういうと陛下は私に笑顔を浮かべ、私の肩に手を置いた。とても大きな手だ。手には傷さえある。

それを見た私はやはりこの国は戦いの多い国なのだなと思うと同時に、陛下のグリーンの瞳から目を背けられなくなる。


 この方といると非常に心地よいと思う。私はそう思うと気を取り直すようにして言った。


「そ、それでは行きましょう陛下」


「そうですね」


 そう言うと陛下は私の肩から手を下ろす。なんだか陛下とのふれあいがなくなったようで少し寂しさが残る私だった。

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