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魔王に再び挑みたい!  作者: kiruhi
出会いとそして、再出発
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【02】

 ランクアップしLevel上げが終わった俺たちは、次の準備へと取り掛かる事にした。


 装備の充実である。


 ルシュガは実にいい職人だった。

 俺が、急いで職人専用の家を優先的に建てて欲しいとお願いした所、息子であるルシアを連れて急ピッチで建築を急いでくれたのである。

 その結果、Level上げを終えた俺たちの目の前には漆黒の職人専用の家がそびえ建っていた。


「ルシュガさん、ありがとうございます」

「気にするな。上客の我儘を聞くのもまた仕事の内さ」


 そう言ってルシュガは、ルシアと共に残りのもう一つ、魔物部屋の建設へと取り掛かるのであった。

 ヒュドラから授かった卵は、現在孵化中であり孵化するまでもう暫く時間がかかりそうだった。

 それまでに魔物部屋が完成すればいいとルシュガに伝えると、任せろ! と言っていた。



 早速出来上がった職人専用の家の中へと入る事にしたのである。

 ドアは鋼鉄で出来ており、家の中で爆発が起きてもビクともしない作りだった。


 まあ爆発はしないんだけどさ……




 部屋の内部は俺がルシュガに注文した通りに出来上がっていた。

 大きさはマイホームよりも広く、ゆったり16畳ぐらいで開放感が溢れる間仕切り一つない空間。

 一番奥の中央に、メインと言える鍛治場。即ち溶鉱炉が設置されていた。

 火は既に灯されており、いつでも武器や防具が作成出来るよう準備万端であった。


 更にその両隣には、宝石を加工出来る場所と布系の防具が作れるよう裁縫場所を設けた。



 これで俺はこの部屋で鍛治士、加工師この二つの事が移動する事なく出来るのである。

 もう一つの職人でもある料理人。

 これは、マイホームで毎日料理する可能性が高いので敢えて設置するのはやめたのである。


「ちゅごいでちゅねぇ〜」

「全くだ」

「ルシュガさんやるわね」

 三者三様の感想は俺にも同感だった。


「でっ? でっ? リュウイたん何作るんでちゅか?」

「ん〜何作ろうかな」


 材料は豊富にある。

 しかし、何を作ろうか実は決めてはいなかった。


「何か作って欲しい物ある?」

「ぼくは、籠手が欲しいでちゅ!」

「俺は……そうだな〜鎧かな」

(わたくし)は、杖が欲しいわね」

「ふむふむ」

 遠慮のない要望ありがたい事だ。


「じゃ作るから、その間三人はLevel上げしてきてよ」

「うちゅ?」

「なんで?」

「リュウイさんはLevel上げないの?」

「シャイターンポイントはまだ溜まり切っていないから、Level上げ出来ないし。魔法Levelもある程度上がったからね。三人で行ってきてよ」

「と言われてもねぇ〜」

「?」


 三人はあまり乗り気ではなかった。

 経験値倍と言う事もあって、かなり楽に上げてしまった上に今はもう弱い魔物を倒してもそう簡単にLevelは上がらないようだ。


「行くならダンジョンかな〜」

「えぇぇぇ……ぼくダンジョン嫌いでちゅ〜」

「なら、報酬が魔導書の依頼受けてきてよ」

「となると魔法都市フェィオンの方が依頼沢山あるわね」

「リュウイたん、魔導書ほちぃの?」

「うん。欲しいね」

「じゃ行くでちゅ!!」


 俺の欲しいと言う言葉にウォルガフは俄然やる気を出し、三人仲良くフェィオンへと旅立っていくのであった。


 俺一人となり静かな空間の中、溶鉱炉の火はパチパチと音を上げていた。


「よしっ! 早速やるかっ!!」


 先ずウォルガフの要望でもある籠手を作成する事にした。

 システムメニューから職人項目を開き、更にレシピを開き出す。

 ここには色々な種類のレシピがー、ズラリと作成可能な職人Levelと共に表示されていた。

 システムメニューからアイテムを作成するとなれば、作成可能な職人Levelが必要となるのだが、自分の手で。

 そう魔法を詠唱を唱えて発動するのと同じように、自分の手で作る場合職人Levelは関係ない。

 と言う事を事前に料理人で発見する事が出来たのである。



「えっと、攻撃力が上がる籠手は……」


 ミスリルの籠手とドラゴンの籠手か。

 ミスリルの方が材料は少なく防御力もあるが、ドラゴンの籠手より攻撃力はない。

 ふむ、ここは奮発してドラゴンの籠手だろう。


 ドラゴンの籠手に必要とされる材料を取り出し、溶鉱炉へと投げ入れる。

 材料か溶け切るまでの間、俺は宝石を加工出来る場所に移動。


 鉱石を磨くと宝石になる……

 聖王樹に行く前、メルクリは別れ際に教えてくれた。

 今は、失わられた職種とも言っていたが、俺にはそんなの関係ないのだ。

 鉱石を適当に数個取り出し、磨き上げて行く。


 鉄鉱石や銀鉱石。どこにでも落ちている鉱石は磨いても変化する事なくただ石にしかならなかったが、ミスリル鉱石は魔力の宝石に。プラチナ鉱石は攻撃力の宝石へと変化して行くのであった。


 ランクはバラバラで夢中になって磨き続けていると、先程溶鉱炉に入れたドラゴンの籠手の材料が溶け出し籠手の型に流れ込んできたのである。

「うわっやっべっ!」

 慌てて固まりきらないうちに、ハンマーを手に取り形を整えていく。


 カン!

 カン!

 カン!


 と火花が散る中、無心で叩き続けていた。



「ふぅ、こんなもんかな……」

 出来上がったドラゴンの籠手を眺め、攻撃力アップの宝石をはめ込み完成するのであった。




「次はロジェの鎧だな」


 ロジェは格闘家だから、素早さ命だよな。

 ウォルガフみたいな防御力を重視した装備は、重く感じるんだろうな。

 となれば、薄くて丈夫な布系で作成するのがいいかな。


「布系か……」

 素早くて、防御力もある防具。

 そんなレシピを探してみると、一つだけあった。

 ミスリルの服と言ってロジェにピッタリな防具だった。

 早速材料を取り出し、チクチクと裁縫して行く。

 忘れないように、素早さの宝石を埋め込んでいきながら地味な作業を続けて行く。

 最も、ロジェの身長は三歳児。

 あまり時間をかけずに完成する事が出来た。


「よっし。出来た〜」



 グゥさんは杖だったな。

 回復のエキスパートとして、グゥさんにはこれからも俺たちの生命線になってもらいたい。

 うん。魔力が通りやすく、発動も速い。そんな杖を作ろう。


 ミスリル鉱石を取り出し溶鉱炉に投げ入れ、溶けるのを待つ。

 その間に、型を作り出し魔法力が上がる宝石も用意する。


「ふぅ〜だいぶ慣れてきたな……」


 今更ながら、実を言うと……

 ウォルガフの籠手作成時、俺は何度も失敗を繰り返していた。

 いびつな形で固まってしまったり、籠手の部分が壊れていたりしてしまいとても成功した。と言える代物ではなかった。

 最も失敗したとしても、再び溶鉱炉に入れる事により再利用出来る為、俺の中で経験となって積み重なっていく。


 籠手と同様にグゥの杖も型に流し込むのが結構難しかった。

 何度も失敗を繰り返しながらも、満足できる出来栄えの杖を完成する事が出来たのである。


「よしっ!!」



 次は俺の装備も見直そう。


 今俺が装備きているのは、木の杖と黒のローブだ。

 木の杖は、武器屋のおっちゃんがLevel.80まで使える代物と言っていたからこのままでいいだろう。

 変えるとしたら、『魔法攻撃力 V』以上の宝石だな。

 鉱石からは確かに磨き上げていくと宝石になる。

 だが、Xとかは出てこないんだよなぁ〜

 俺の運がないのか?

 元々そう言う仕様なのかは不明だが……

 更に、俺が宝石を付加出来るのはアイテムの作成途中のみだ。

 出来上がったアイテムに宝石を、付加する事は何故か出来なかった。


「宝石付加は、ムーンフェイズの防具屋に行って頼むかな……」


 となると、問題はLevel.15の時に買った黒のローブかな?

 Level.50となった今、黒のローブは卒業してもいいだろう。

 今の俺のLevelで装備出来る最高峰はと……


 再びシステムメニューを開きレシピを確認し始める。

 Level.100以降の装備は豊富でいい物ばかり存在しており、俺が装備出来そうなのは『もめんのローブ』『シルクのローブ』『白のローブ』『黒のローブ』ぐらいでどれもが、今装備しているローブを超える程能力はなかった。


「……」


 俺も早くLevel.100越えしたいなぁ。


 と思いつつ諦め気味になりながらも一番下までレシピを見ていくのだった。


「ぬぁっ!?」


 思わず、言葉に出てしまったがどうやら諦めるのはまだ、早かったようだ。

 一番下にはNEW。そして『魔導師のローブ』と刻まれていたのである。


 多分、魔導師にランクアップしたからなったからなんだろうな。

 サブ職業でもある剣闘士も『剣闘士の鎧』と表示されているしな。


 んっ? この剣闘の鎧、ウォルガフに渡したら喜ぶんじゃないかな?


 ……

 …………

 ……………



 ……確かウォルガフが今装備しているのは、銀色に輝くプラチナインゴットで出来た高性能の鎧で、白金貨2枚と言う結構いい値のした物だ。

 それに確か腕利きの職人が、生涯最高の作品と言われる程の自信作とも言っていたよな。


 剣闘士の鎧を俺が作ればウォルガフは喜ぶと思う。

 その光景は目を閉じればすぐに思い描く事が出来る。


 でも今装備している物を大事にしてもらおう。

 そう思って俺は作るのをやめた。


「う〜ん……」


 なんだろうか?

 必要なアイテムは既に揃っている。

 今すぐにでも作成可能なのではあるが……

 ただ普通に魔導師のローブを作ってもつまらないような、そんな気がしてならなかった。


「ちょっと、無茶ぶりしてみるかな……?」


 剣闘士の鎧の材料を同じように溶鉱炉に投げ込み、溶け出すのを待つ事にした。

 その間に、魔導師のローブの材料を取り出し先程溶鉱炉に入れた材料が溶け出すのを待つ事30分。


「そろそろかな?」


 一体魔導師のローブの作成を中断させ、溶鉱炉を覗き込むと剣闘士の鎧の材料はグツグツと溶け出していた。

 本来なら溶け出した材料を型に流し込みハンマーで叩き込む事で完成するのだが、俺は敢えてそれをしなかった。

 作り上げたのは細い鉄線。糸のような物だ。

 剣闘士の鎧の材料で出来た糸を、チクチクと無心になって縫い合わせて行く。


「手作業は手間暇かかるな……」

 楽しいからいいけど……


 ブツブツと言いながら作業を進めるのであった。




 そして、ようやく出来上がった魔導師のローブ。

 縫い合わせの糸に剣闘士の鎧を使った事により、能力が本来の魔導師のローブと違いかなりの高性能なローブが出来上がる事に成功した。


『魔導師のローブ EX』Level.200(魔導師の場合Levelに関係なく装備可)

 防御力 150(+450)

 魔法力 250(+10)

(+)はEXの補正値


 ふむふむ、中々いいな。

 多分EXの部分が剣闘士の鎧を性能部分か……

 ってか総合防御力が600になっている。これだけ防御力が高ければ、防御力アップXの宝石は不要なのでは?

 とも思ったが、丈夫なダメージを受け付けない魔導師。と言うのもいいだろう。と思いそのまま防御力アップXの宝石を三つ付加してみた。


 これで、イブルカフの攻撃防げたら最高だよなぁ。

 まぁ過信は禁物だけど……


 他にめぼしい物はないかと、アイテムボックスを調べて行くと忘れていたアイテムの存在に気がつく事が出来た。


 それは、ブラックミスリルブレスレットだ。


 ゲーブングに武器屋、ドワーフの親父にミスリルを渡した時あまり物で作成してくれたのがブラックミスリルブレスレットだった。

 Level.50だった為、当時は装備出来なかったが今は違う。

 早速装備してみると、話ししていた通り魔力か僅かながら上昇していた。


「いいねぇ〜」


 ブレスレットを見つめながら、思わず笑みがこぼれてしまった。


 ブラックミスリルブレスレットはミスリルとブラックの絶妙な組み合わせで魅力的なブレスレットで、落ち着きのある漆黒のブラックが、腕周りをグッと引き締めてくれていた。


 作成する物を大体作り終えた俺は、満足し後片付けを始め。

 終わってみれば、陽は既に沈みかかっていた。


「やっべぇ〜夢中になりすぎた!」

 慌ててマイホームに戻り、晩御飯の支度をする。

 ここでも料理人を発揮させ食いしん坊のウォルガフを満足させるまでの量を、大量に作り上げるのであった。


 テーブルに食事を乗せいつでも帰ってきたら食べれるように準備万端である。


 しかし……


「ウォルガフたち遅いな……」


 幾ら待ってもウォルガフたちは帰って来る事はなかったのであった。






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