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マギアワンド  作者: 桑田照知
第2章
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12/22

第11話:正体


 広場でラルフとムサシと合流し、情報共有を始める。二人の表情から、有力な情報を掴んだことが分かる。だが、それはこちらも同じだ。


「さあ、成果発表のお時間ッス!」


「俺達は青果店と楽器屋の店主、それとバーの従業員に話を聞いた」


 レインからアルマが引き継ぎ、詳細を話す。


「八百屋さんで盗まれたのは野菜と果物!」


「盗まれたのは人参やリンゴだ。閉店したあとに盗まれたから姿は見ていなかった」


 レインは補足しつつ、そのままアルマに任せる。アルマは任されたことに嬉しそうにしながら、説明を続ける。


「楽器屋さんは、知り合いのお店だけど、いくつか盗まれたって。犯人は子供くらいの大きさで、おっきい耳と尻尾があったみたい。でも、犯人は何も持ってなかったんだって!」


 今度はレインの補足されず、自分だけで伝えられたことを嬉しそうに、最後の噂話を話す。


「あと噂だけど、魔導車を警備してた人が襲われて、ペットも行方不明らしいよ!」


 全部言い終わると、アルマはやりきったとばかりに胸を張って得意気に笑った。


「あ、その噂は本当だよ。オレ達は、魔導車の持ち主に話を聞いたんだ」


「持ち主を特定して詳しく聞いて、現場も見てきたッス!」


 ムサシは微笑ましげにアルマの話を聞き、曖昧な噂を肯定する。続けて詳しい内容を説明する。


「魔導車は専用の建物に置いてあったみたいッス。警備員は入口に二人いたんスけど、二人とも重症ッスね」


「エリクサーによって、順調に回復しているみたいだけどね」


「悪魔は2mを超えてたらしいッス」


「カンガルーのような姿をして、腹の袋が口のようになっていたらしい。ここまで分かっているなら、悪魔は【バンデットルー】で確定だね」


 一度区切るが、すぐにムサシは興奮したように喋りだした。


「バンデットルーはその名の通りカンガルーの姿をした悪魔なんだ! 【シーフワラビー】という小型悪魔の異常成長個体とされていて、大きさと戦闘能力の向上とともに凶暴になっていてそれから」


「悪魔談義は後にするッスよ。とにかく、悪魔が特定できたッス」


 間髪入れずに喋り続けるムサシをラルフが諌める。


「でも、楽器屋さんは小さいって言ってたよ?」


「多分、青果店や楽器屋の事件の犯人は【シーフワラビー】で、魔導車の強奪と警備員の襲撃は【バンデットルー】なんだ」


「悪魔は二体いるってことか」


 レインは納得しながら呟く。変だとは思っていた。青果店では人がいない時を狙って犯行を行い、楽器屋では姿を見られたが襲わずに逃げている。なのに何故魔導車は被害者が出たのか。悪魔が二体いるのなら、それも説明がつく。


「手ぶらだったのはどういうこと?」


「二体ともお腹に袋があるんだ。袋って言っても、口のようなもので、中は異空間になっているんだ。行方不明のペットも、魔導車と一緒に連れ去られたんだろう」


 ムサシは少し言いにくそうに、だが正直に話す。


「シーフワラビーは臆病だけど、バンデットルーは凶暴だから。手当り次第に飲み込んでしまうんだ」


「大丈夫かな……」


「分からないけど、生きている可能性もあるよ。異空間に生物が入ると眠るだけらしいから。食べられてしまっていたら、それは残念だけど」


「確実に仕留めるために、作戦を立てよう。みんな、力を貸してくれ」


 これ以上被害を出すわけにはいかない。今日、終わらせる。




 

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