第23話「5分」
マルクス「死ねぇ!」
マルクスが古代魔法をガルドに放つ。
空間が歪み、圧縮された魔力が一直線に叩きつけられる。
ガルドは一歩踏み込み、斧を斜めに構える。
そのまま、力を流すように受け流した。
ドォン!!
衝撃が上空へと逸れ、地面を抉る。
ガルド「カイル!」
カイル「これが最後ですよ!」
カイルが何かを投げる。
次の瞬間、煙が立ちこめる。
白い煙が一瞬で視界を覆った。
マルクス「小癪な!」
マルクスが古代魔法で風を作り、煙を流す。
だが――
煙が晴れたところにはガルドとカイルの姿が消えていた。
マルクス「……隠れてどうした?」
マルクスは周囲を見渡す。
森の中は静まり返っていた。
ヘイム『あと4分だ』
マルクス「出てこい」
反応はない。
マルクス「なめやがって!」
マルクスが周りの木を手当たり次第に切り倒していく。
ドゴォン!!
バキバキと木々が薙ぎ倒される。
ヘイム『あと3分』
マルクスは怒りで顔が歪んでいた。
マルクス「どこだぁ!」
ガルド「ここじゃ」
煙の残滓の中、ガルドが斧を肩に乗せて立っていた。
マルクスが即座に反応し、距離を詰める。
マルクス「見つけたぁ!」
その瞬間、カイル「……足元に気をつけてください」
カイルが罠を発動させる。
マルクスのバリアにワイヤーが絡みつく。
カイル「引き寄せる!」
カイルがワイヤーを思いっ切り引っ張る。
ギギギ……!!
倒れかけていた木が一斉に引き寄せられる。
マルクス「…こんなもの!」
マルクスが木を薙ぎ払う。
だが、その死角に――
ガルド「…どぉりゃぁ!」
ガルドが斧を叩き込む。
ドンッ!!
マルクスの身体が弾き飛ばされる。
ヘイム『あと2分』
マルクスが地面に横たわる。
カイル「待ってました…」
カイルが罠を発動させる。
マルクスの真下に魔法陣が発動する。
マルクスの身体を地面に押し付ける。
マルクス「身体が…」
カイル「逃がしませんよ…!」
カイルが必死に魔法陣を発動させ続ける。
マルクス「この雑魚が!」
マルクスが魔力を弾き出して、空中に逃れる。
カイルは魔力により、吹き飛ばされる。
しかし、マルクスの足にワイヤーを絡みつける。
カイル「…空中には行かせません!」
マルクス「離さぬか!」
マルクスが真下にいるカイルに狙いを定める。
マルクス「殺す!」
ロレッタ「させませんわ!」
ロレッタが跳躍し、斬り込む。
剣と手斧が連続で叩き込まれる。
マルクス「邪魔するなぁ!」
マルクスの魔力が揺れる。
ヘイム『あと1分』
ガルドも跳躍し、マルクスを叩き落とす。
マルクスが落ちた瞬間にワイヤーが外れる。
マルクスがヨロヨロと起き上がる。
マルクスが両手を掲げ、魔力を溜め始める。
息が荒い。
マルクス「俺の最大魔法だ…」
マルクスの両手に、膨大な魔力が収束する。
マルクス「塵も残さんぞ!」
マルクスが手をガルド達に向ける。
マルクス「死ねぇ!!!」
凄まじい魔力の奔流がガルド達に向かう。
そのとき。
リィン「……5分」
静かな声が響いた。
ヘイム『見せてやれ』
リィン「…2ストック同時使用」
リィンはゆっくりと引き金に指をかける。
呼吸が止まる。
ヘイム『やれ』
リィン「……撃ち抜く」
ドォン!!
弾丸の軌跡がスパイラル回転を描く。
マルクスの放った魔力の奔流を、真正面から引き裂いた。
空間が割れるような音と共にマルクスへと向かう。
マルクス「なんだ!?なんなんだ!?」
魔力が崩壊する。
弾丸は止まらない。
そのまま――
バリアを貫通し、マルクスの胸を捉えた。
ドスッ
マルクスの目が見開かれる。
マルクス「……は?」
マルクス「なんで?俺は…まだ」
マルクスは膝をつき、血が流れる胸を押さえる。
そして、血を吐いて倒れた。
森に、静寂が戻る。
先ほどまでの戦いが嘘のように、音が消えていた。
煙の中、リィンが立っていた。
そして、ゆっくりと銃を下ろす。
リィン「……終わり」
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