第22話「古代魔法」
ガルドがゆっくりと立ち上がる。
ロレッタも剣を支えに身体を起こした。
ロレッタ「……ガルド様」
ロレッタ「古代魔法とは、なんなのですか?」
ガルドは前を見据えたまま答える。
ガルド「詳しくは知らん」
ガルドは低く続ける。
ガルド「今の魔法は“自然の魔力を借りる”もんじゃ」
ガルド「火、水、風……世界にあるもんをな」
ガルド「だが古代魔法は違う」
ガルド「それに囚われん……そう言われとる」
沈黙。
その空気を破るように、笑い声が響いた。
マルクス「ククッ……」
マルクス「そこのジジイ、よく知ってるじゃないか」
ガルドは目を細める。
マルクスは両手を広げた。
マルクス「古代魔法を使えば!」
マルクス「こういうこともできる!」
地面が脈打つ。
土が盛り上がり、形を成す。
巨大なゴーレムが姿を現した。
その腕が動く。
次の瞬間
ドォン!!
圧縮された魔力が放たれる。
ロレッタ「ぐっ!!」
カイル「うわぁっ!!」
二人の身体が吹き飛び、木に叩きつけられた。
マルクス「まずは二人……」
マルクスがゆっくりと視線を動かす。
マルクス「次はお前だ、ジジイ」
ゴーレムの腕が伸びる。
ガシィッ!!
ガルドの身体を掴み、締め上げた。
骨が軋む。
ガルド「ぐっ……!」
ロレッタ「ガルド様!!」
ガルドは苦しみながらも、口を開いた。
ガルド「……くだらねぇな」
ガルドは薄く笑う。
ガルド「なぜゴブリンを使役した?」
マルクス「効率がいいからだ」
ガルド「違うな」
即座に否定する。
ガルド「古代魔法に何かしら制限があるんじゃろう?」
一瞬。
マルクスの表情が歪んだ。
ガルドは見逃さない。
ガルド「図星か。わかりやすいのう」
マルクス「……この老害がぁ!!」
握る力がさらに強くなる。
マルクス「何も知らねぇくせに!」
マルクス「分かったような口きくんじゃねぇ!!」
ガルドの身体が軋む。
それでも、ガルドは、笑った。
ガルド「強い力を得たサルみたいじゃな」
マルクスの目が変わる。
マルクス「……黙れ」
低い声。
マルクス「あの御方に拾われたんだ」
マルクス「ゴミみたいに捨てられてた俺を!」
マルクス「だから決めたんだ!あの御方のために生きるってな!!」
さらに力が込められる。
マルクス「お前みたいな“最初から持ってるやつ”には分からねぇんだよ!!」
ガルド「浅いのう…」
その瞬間。
ドン!!
乾いた銃声が響いた。
ゴーレムの腕が、内側から弾け飛ぶ。
マルクス「……なんだと!?」
ガルドの身体が解放され、地面に落ちる。
ガルド「……リィンか」
リィンは静かに銃を構えていた。
ゴーレムが身体を保てず崩れ落ちていく。
マルクス「古代魔法が崩れた!?」
マルクスがリィンを見る。
ヘイム『言っただろう!』
ヘイム『俺の名前はヘイムダール・エクシード・マジック・ペネトレイト三式だとな!』
ヘイム『俺の銃弾は全ての魔法を貫通する!』
ゴーレムが崩れ落ちた。
マルクスの顔が歪む。
マルクス「小娘……!」
ガルドはゆっくりと斧を拾い上げる。
ガルド「…流れがきおったわ」
マルクス「なんだ!この声は!?」
マルクスは怒りで顔が歪む。
マルクス「そんな武器あるはずがない!」
リィンは静かに言った。
リィン「……ある」
一歩、前に出る。
リィン「…全て撃ち抜く。」
リィンは銃をゆっくりと構えた。
空気が張り詰めていた。
ガルド「…リィン。あと何発撃てる?」
リィン「ストックはあと一発」
ヘイム『バリアは突き抜けるが、威力は減衰されるぞ』
ガルドはロレッタとカイルを見る。
ロレッタは膝をつき、カイルは泣きべそをかいている。
ガルド(この状況だと斬り込んでトドメはさせんな)
思考を重ねるガルドにリィンが話しかける
リィン「…5分稼いで」
ガルド「策があるのか?」
リィン「…必ず仕留める。」
ガルドは無言で立ち上がる。
ガルド「血が疼くわい」
マルクス「最後の会話は済んだか?」
マルクスはバリアを展開する。
ガルド「ロレッタ!リィンを守れ。カイルはワシの援護じゃ」
ガルドはゆっくりとマルクスに近づく。
マルクス「4人まとめて送ってやるよ」
ガルド「ゆくぞ!」
マルクスの魔力が空気を引き裂く。
次の一撃で、全てが決まる。
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