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姫様!魔王様!  作者: 煌黒星
アリア王位奪纂
23/68

第十九話=再会

 瓦礫に埋もれていたとき、私はまた夢を見た。

 周りに暗闇だけ広がり、光はまったくない。

 (あれ、ここって……)

 記憶にまだ留まっている。ここは、神様と出会ったときの場所だ。アリスや、スーが居た場所ではない。

 しばらくしたら、目の前に光が「舞い降りた」。文字通り、舞い降りた。上から一粒の光が水のように舞い降りてきた。

「お、おお……」

 それに驚きながら、私は声を発した。そしてその次、私は跪いた。

「ゆうしゃ。」

「はっ!なんなりと。」

 目の前の光が、「神様」の姿に変えた。それを見た私は、その威光に驚きながら、跪いた。

「アマドリを討伐するようにと、命じたはずなのでは?」

「し、しかし!わ、私が受けたのは姫様、プリスティン姫様の暗殺だったのでは?」

「ほう、私に反発をするのか。良い度胸ではありませんか。」

「そ、そのようなことは決して……!」

 慌てて言い訳するも、神様はそれを受け入れてくれそうにない。

「私は貴方に光明魔王アマドリ=スーの討伐を命じた。なのに貴方は姫様?プリスティン=エリハイアに目を奪われていた……それはどういうこと?」

「も、申し訳ございません!必ず必ずや光明魔王の首を取ってきます!」

「……頼みましたよ。」

「はい、お任せくださいませ、神様!」


「しかし、姫、ねぇ……」

 しばらくの沈黙のあと、神様は小さな声でつぶやいた。

「あの子は、どちらかというと……」

 ちょっとずつ意識が遠のく。どうやらもうすぐ外に戻るみたいだ。

「寧ろ魔王なのでは?」

「えっ。」

 それを聞いた私は凄まじく驚いた。

 (姫様が、魔王?どういうこと?)

 しかし、質問を飛ばせないまま、私は外へ飛ばされた。

………………

…………

……

 外へ戻ってきた私は、必死にさっきのことを思い出そうとした。

 しかし、私が思い出したのはせいぜい神様が私に下した命令、光明魔王の討伐しかなかった。

 (神様は私に光明魔王を討伐して欲しかった。姫様ではなかった?)

 師匠の手を掴み、瓦礫を振り落とした。やっと訪れた解放に喜ぶ時間もなく、私の目は姫様に止まった。

 さっきの夢で、神様は何か姫様に関してのことを言っていたような気がするけれど、上手く思い出せない。

 その後すぐ、師匠にラルフを探そうといわれて、やっと探知の魔法を使った。


「ダメだ、近くに居ないみたい。」

「あーらら、そうですか……大丈夫だといいんだけどね。どう思う、プリスちゃん?」

「あ?うん、まぁ、あいつのことだ、きっとそこまで遠くには逃げられていないだろう。とりあえずカリスクール?だっけ?そこを探そう。」

「はーい、わかりましたー」

「てか、クリア、人前で気安く俺のことをプリスちゃんで呼ぶな。せめてプリスティンにしろ。」

「えーだって、ゆうしゃ君しかいないでしょ?」

「それでもだ、まったく。」

「ちぇーまぁ、気が向いたらね。」

「お前な……」

 そしてペロ出して、小悪魔的に笑った師匠に向けて、姫様が剣を振りかざした。

 (まったく、遊んでいる場合じゃないのに。)

 こっちは指名手配になったラルフを探すことになっているだけではなく、私たちはレジスタンスに追われる身になったし。そして万が一、カルカッサ軍にも見つけられたら今度こそおしまいだし。

 本当に、やばいことになっている自覚がないのかな、姫様と師匠は。


 少しだけじゃれあって、ようやく本来の目的を思い出したようだ。私と師匠は姫様の後についてカリスクール街に行った。はずれにあるこの洋館から離れて、ラルフを探そうとした。



 カッキン!ズズズズ!!剣と剣がぶつけ合い、火花が飛び散った。周りの通行人はこれを見て、逃げ出した。

「ぎゃああああ!!」

 街中に響いたのは悲鳴、そして逃げ走る足音。姫様が率先して、レジスタンスと戦った。

「おい、クリア!あのゴミクズをつれてさっさとラルフの野郎を見つけ出せ!」

「ご、ゴミクズって……」

「はい、分かりました!行こう、ゆうしゃ君?」

「逃がすか!!」

 しかし、後にもレジスタンスが居た。

「させるかワレェ!」

 シューット、目の前に火の玉が横切った。その火の玉は見事レジスタンスの顔面に当たった。さすが姫様といったところでしょうか。

 シャーキン!キン!と、剣で対抗しているだけでなく、弓矢を使う相手には火の玉で対応する姫様。その姿はまるで鬼のように、恐ろしくもあり、逞しくもある。

「はやく、ゆうしゃ君!」

「は、はい!」

 その姿に見取られている間に、師匠は先に行ったようだ。すぐに追いかけて、必死に探知の魔法を使い、ラルフを探し始めた。


 あれから大よそ2時間過ぎたのだろうか、やっとラルフの力を感じ取れた。途中で何度かレジスタンスに見つけられたけど、難なく倒した。憲兵の人にも目をつけられて、捜査がまたさらに困難になっていた。

 そして、何より心配なのは姫様のことだ。姫様はあそこで、一人でレジスタンスと戦い、憲兵の人も多分集まったのだろう。あれほどの大騒ぎになれば当然のことだ。

「あそこです!」

「了解!早く行こう!」

 師匠に腕を引っ張られ、スピードをさらに上げられた。

 小さな裏通りで、私達はやっとその小さな姿を見つけた。

「ラルフ!」

「ッ!!」

 私の声を聞いたラルフは、すぐに足を引き上げて走った。しかし、その距離は決して長くなかった。逃げ始めてからすぐに転んで、また倒れた。どうやら足に傷があるようだ。

「ごめんなさい、ごめんなさい!リームお兄様を、ボクは……!」

「ひどい傷……!」

 それだけでなく、同時に混乱をしているようだ。私たちである事もまだはっきり認識していない。

「ごめんなさい、ごめんなさい!」

「大丈夫よ、ラルフ君?アタシよ、クリアよ。」

「あっああ……クリア、さん……」

 そして、また気を失った。まったく、この子は何でこんなに混乱しているんだろう。一つの存在を殺しただけなのでは?

 ……いや、そういうことじゃないのか。リクリーム「お兄様」だもんな。

「と、とにかく治療をしましょう、師匠。」

「そうだね。警備は、任せたね。」

「はい、任せてください!」

 シャーと、鞘から剣を抜き出し、師匠たちの護衛をし始めた。治療はやはり、私より強い力を持つ師匠に任せたほうがいいと思う。私にやらせたら、何時間かかることになるのだろう……その間に姫様はどうなってしまうのだろう。

 (姫様、大丈夫だろうか……)

 そう思いながら、警備に勤めた。

………………

…………

……

「くっ、まだこんなに居るのか。」

 周りには大勢の野次馬が居る。そいつらとの間では、たくさんのレジスタンスが倒れている。しかし、それだけではなかった。倒れているのはレジスタンスだけではなかった。

「さらに増援を呼べ!急いで!」

「はい!」

 憲兵の奴らも、その中に居る。

 現場は凄まじく混雑している。レジスタンスを捕らえようとする憲兵、俺を倒そうと企むレジスタンスも居る。そして、俺を捕らえようとする憲兵も居ないわけがない。

 レジスタンスどもはどうやら様子見に転じて、野次馬の中に身を潜んだ。そして、憲兵に俺を倒させて、その後憲兵の不意を突くだろう。くっ、させてたまるもんか。

「お嬢さん、悪いことは言わないからさっさと手を上げてくれない?」

「けっ、貴様らに身を任せろってんのか?」

 ペッと、口から血を吐き出した。

「んなの断らせてもらうからな!おるぁ!」

 力を少しだけ剣先に凝縮して、再び剣を振るい始めた。

 (クリア、早く。ラルフの野郎を見つけ出してくれ。)

 そう思いながら、俺はまた戦いに挑んだ。敵はまだまだたくさん居る。そして増援もこれから来る。対して俺の体力があんまり残ってない。これはもしかするとやばいかもな。

………………

…………

……

「師匠、まだ治療は終わりませんか?」

 なんだか、胸騒ぎがする。大通りのほうもなんだか騒がしいし、もしかしたら姫様は……

 (いやいや、そんなはずはない!)

 頭を横に振り、自分の考えたことを必死に否定した。

 姫様は強い、それを私は知っているはずだ。この前盗賊に襲われたときだって、姫様は一人であれだけの人数と対峙していたじゃないか。だから、姫様なら大丈夫でしょう。

 ……きっと、大丈夫でしょう。

「よしっと。これでしばらくは大丈夫かな?」

 振り向き、ラルフの状態を確認した。目立った傷は見当たらない、これでしばらくは大丈夫ではないでしょうか。しかし、ここで一人に居させるのはダメでしょうし、逃げるなら連れて行かないといけない……となると。

「師匠、あとで南方の草原に落ち合いましょう。」

「……そうだね、ラルフ君を担いでプリスちゃんを助けることはできないでしょうし。」

 さすが師匠、話が早くて助かる。しかし、私一人だけだと、姫様の助けになれるのやら……やはり師匠に増援を任せて、私がラルフを護ったほうが……いやいや、それでもレジスタンスと憲兵の両方に狙われるし。

 (どの道、結局両方と戦わないといけないのか。)

「では、急いで参りますので、それまでに頑張ってください。」

「はいはーい。いってらっしゃい。」

 振り向かずに走り出した。このときの師匠はきっと私に手を振っているのでしょう。目的地はさっきの場所、姫様の応援が終わったら今度は南方の草原。これはちょっと、厳しいのかな?


 少し走って、ようやくさっき姫様と別れた場所にたどり着いた。しかし、目の前に広がるのは、惨況だった。


(つづく)

いつも見てくださっている皆様、こんにちは。それともこんばんは?おはようございます?まぁ、どれでもいいか。

今回は、試しに後書きをしてみようと思いました。

さて、皆さんはすでにお気付きになられたのでしょう。姫様であるプリスティンと、魔王であるラルフの関係を。

皆さんはどう考えているのは分かりませんが、中にはまだ気づかない人も居るかもしれないし、ここでちょこっとヒントを出しておきます。

二人の関係は、決して浅くは無く、単純でもない。二人の関係を今はまだばらしませんが、いつの日に公開することになると思います。それまでにどうか、ご期待くださいませ。

以上です、次の更新日は26日になると思いますが、その時は旧正月期間で、いろいろとばたばたするになると思います。

出来るだけちゃんとした更新をしたいと思いますので、ご安心くださいませ。

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