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4話 2人の共通点

ジムの照明の下、サンドバッグが激しく揺れていた。


298……


299……


300!


緋奈子「ようやく……300回! サンドバッグを叩ききりました!」


汗だくの緋奈子が、大きく息を吐きながらガッツポーズを取った。


朱莉「あたしも300回、ようやく終わった!」


緋奈子「きつかったですね〜……でも、やりきった!」


朱莉「ね〜! 今日のミッション、完遂だ!」


二人はハイタッチをして、笑い合った。


毎日欠かさず続けている300回パンチ練習。


最初は悲鳴を上げていた緋奈子も、確実に拳が重くなっていた。


練習を終え、ジムを出て通学路を並んで歩きながら、朱莉が感心したように言った。


朱莉「すっごく驚いたよ! 緋奈子さん、パンチ本当に強くなったね!」


緋奈子「腰を落としてからしっかり狙う! っていう朱莉さんのアドバイスのおかげですよ。


あと……サンドバッグは、あいつだと思って叩いてます!」


朱莉「パンチのフォームもカッコよかったよ。本当に上達した!」


緋奈子「ありがとうございます!」


緋奈子の顔が少し赤らんだ。嬉しさがはっきり伝わってくる。


朱莉「聖夜決戦、ますます楽しみだね!」


緋奈子「はい! 絶対に勝ちます! そのために、もっともっと練習しなきゃですけどね」


朱莉「一緒に頑張ろう!」


緋奈子「はい!」


住宅街の静かな道に入ったところで、朱莉がふと思いついたように言った。


朱莉「そういえばさ、あたしたちって共通点あるよね!」


緋奈子「えっ、何だろう!?」


朱莉「二人の名前に、赤が入ってるんだよ。朱莉の『朱』と、緋奈子の『緋』!」


緋奈子「ほんとだ! 気づかなかった!」


緋奈子「朱莉さんは赤色が似合ってて、カッコいいですよね」


朱莉「ありがとう! あたし、赤色が一番好きなんだ。


情熱の色だし、身につけると気持ちが前向きになるよね!」


緋奈子「私も赤は好きなんですけど……身につけるのはまだ自信がなくて」


そのとき、朱莉の足元に視線が落ちた。朱莉が履いている赤いスニーカーが、街灯に映えて鮮やかだ。


緋奈子「あっ! その靴、素敵ですね!」


朱莉「これね……」


緋奈子がニヤッと笑う。


緋奈子「今、ニヤけましたよ! その靴で何かあったんですか?」


朱莉は少し照れくさそうに笑いながら、あの時の戦いの記憶を思い出した。


朱莉「まぁ……蹴りまくってしまったなぁって思って」


緋奈子が目を丸くした。


緋奈子「徹底的に弱点を潰したんですね!」


朱莉「まぁ、命を奪おうとしたからね。あの時は容赦しなかったよ」


緋奈子「……私も、自信が欲しいなぁ」


朱莉「なら、色からモチベーションをもらうのもいい方法じゃないかな?


占いでも、赤色は勝負運が上がるって言うよ。ここぞという時に力を発揮できるかも!


それに、赤は女子力も上がるしね!」


緋奈子「じゃあ……私も、普段は赤を身につけないけど、靴辺りから始めてみようかな!」


朱莉「いいじゃん! もしよかったら、お揃い買おうよ!」


緋奈子「あっ! それいいかも!!


練習のモチベーションも上がりますね!」


朱莉「じゃあ、早速駅ビル行こうか!」


緋奈子「思い立ったら即行動ですね♫」


二人は笑い合いながら、夜の街へ足を向けた。


赤い情熱を胸に秘めて。


クリスマスまでの残り時間は、もう少ない。


緋奈子の拳は、日を追うごとに確実に強くなっていた。


そして朱莉の赤いスニーカーのように、緋奈子も少しずつ「自分の色」を纏い始めていた。


聖夜決戦に向けて、二人のトレーニングはますます熱を帯びていく——。

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