18話 女に負けないとでも思った?
リングの上で、緋奈子は静かに構えを保っていた。
緋奈子「どうしたの?
ボコボコにするんじゃなかったっけ?」
DV野郎の顔が引きつった。
DV野郎「くっくそぉぉぉ……男の俺が、女に……
負けるだとぉ!そんなの許せん!」
緋奈子は赤いグローブを軽く打ち合わせ、余裕のある笑みを浮かべた。
緋奈子「あれあれ?焦ってるねぇ!
もしかして、女には負けないとでも思った?」
DV野郎「くっ……!」
緋奈子「言っておくけど!
女は弱くないからね!女子舐めんなよ!」
DV野郎「くぅぅ……!」
リングサイドから、朱莉の声が力強く飛んできた。
朱莉「よく言った!緋奈子さん!
相手の指はボロボロだよ!
一気に決めちゃえ!」
緋奈子「朱莉さん!
見ていてください!」
朱莉「楽しみが始まりそうだな」
DV野郎は歯を食いしばり、顔を真っ赤にしながら叫んだ。
DV野郎「ちっちきしょぉぉぉ!
こうなったら!奥の手だ!」
緋奈子「えっ?まさか?」
突然、DV野郎はリングから飛び降り、出口に向かって全力で走り出した。
DV野郎「逃げてやる!!」
緋奈子「ちょっと!それって反則よ!」
DV野郎は必死にドアに向かい、取っ手をガチャガチャと回した。
DV野郎「くっくっそぉぉぉ!扉が開かねぇぇ!!」
朱莉はリングサイドで冷静に言った。
朱莉「逃げられないように小細工したんだ!
それとお客さま、決闘中ですよ?
ルールはどちらかが倒れるまででしたよね。
そんなに負けるのが怖いですか?」
DV野郎「んなこと……!」
彼の顔は恐怖と屈辱で歪んでいた。
DV野郎「くそぉ!くそぉ!
女にだけは……アイツだけには……!」
朱莉「はっきり言うね!
男のくせに女々しいことしてんじゃねぇ!」
DV野郎「くそぉぉぉ!!」
緋奈子はリングの上で腕を組み、冷ややかに言った。
緋奈子「早く上がりなさい!」
DV野郎「ちっ!!」
朱莉「1つ言い忘れたけど!
決闘の内容はしっかり録画しているから!
緋奈子さんの勇姿を伝えるためにね!」
DV野郎「なっなんだと……それだけは……
それだけは辞めてくれぇぇ……!」
朱莉「どうしたの?暗い顔して?」
緋奈子「逃げようとしたところも映りましたよ!」
DV野郎「たったのむ……
それだけは勘弁してくれぇぇ!」
朱莉「やだ笑。絶対にあんただけは許さないから!」
DV野郎「くそぉぉぉ……」
緋奈子は赤いグローブを軽く打ち合わせ、笑顔で言った。
緋奈子「試合に勝てばいいじゃん!
男の本気見せてよね!」
DV野郎「うがぁぁぁぁぁぁぁ……!
こうなったら死に物狂いで潰してやる!
俺の本気はまだまだだからな!!」
緋奈子「そうこなくっちゃ!」
DV野郎はリングに上がり直し、黒いグローブを構えた。
しかし、その指はすでに腫れ上がり、動きが鈍くなっていた。
緋奈子(相手もかなり消耗しているはず……
最後はカッコよくやっつけよう!)
リングの照明の下、赤い情熱を全身に纏った緋奈子と、黒いグローブの男。
二人の距離が、再び縮まっていく。
次回、いよいよ緋奈子の鉄槌が下される!




