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16話 絶対あんたには負けない!

「試合開始!」


朱莉の声がリングに響いた瞬間、空気が一気に変わった。


緋奈子「いよいよ決闘が始まった……

さぁ、どう動くか考えよう……」


彼女は冷静に距離を取り、相手の動きを観察しようとした。


足を軽く開き、重心を低くして、赤いグローブを胸の前で構える。 


しかし、次の瞬間——


DV野郎「オラオラ!!」


低く構えたDV野郎が、猛烈な勢いで突進してきた。


緋奈子「しまった……!」


想定外の早さだった。


練習ではほとんど経験のない、全力の突進。


緋奈子は慌ててガードを上げたが間に合わなかった。


DV野郎「おらぁぁ! 雑魚が!」


強烈な拳が緋奈子の脇腹に深くめり込み、彼女の体は吹き飛ばされてリングのロープに激しく叩きつけられた。


緋奈子「いっ……痛い……!」


息が詰まる。


内臓が震えるような衝撃が全身を駆け巡った。


さらに追い打ちのように、DV野郎の拳が次々と降り注ぐ。


緋奈子「うっ……! あっ……!」


DV野郎「ふん。所詮は、女。雑魚だな笑」


DV野郎「決闘なんだろ?まだまだ、ぶん殴るからな!

楽しましてくれよ」


緋奈子「くっ……」


体が痛い。息が苦しい。


視界が少し揺れる。


差はある……圧倒的に力の差がある。


DV野郎「立ち上がるんじゃねぇ!もう1発だ!」


再び拳が飛んでくる。


緋奈子は辛うじてガードをしたが、衝撃で体が大きく震え、膝が折れそうになった。


緋奈子(うぅ……辛い。辛すぎる……

まずい……このままじゃ、本当にやられる……)


DV野郎「これが、偉そうに決闘と言った相手か笑。


今日は、ストレスが溜まってるんでねぇ。


サンドバッグになってもらうよ、雑魚女。


2度と、男に逆らえないようにしてやる」


緋奈子は歯を食いしばり、リングに手をついて体を起こした。


体中が痛む。息が荒い。


赤いグローブが、汗とリングの埃で汚れ始めていた。


緋奈子(絶対に負けたくない……こんな時、どうしたらいい?朱莉さんと前にこんな話したかな……)


ふと、記憶が蘇った。


──数週間前の通学路。


緋奈子「朱莉さんは、赤色が似合って素敵ですね」


朱莉「ありがとう。あたしは、赤色が一番好きなんだ。情熱の色ということもあって、身につけると気持ちが前向きになるよね!」


緋奈子「私も赤色好きなんですが……

身につけるのは、自信がなくて……」


朱莉「緋奈子さん、赤を着るときは、自分を信じて。

この色は、弱さを乗り越える力になるよ」


あの頃は、自信が全くなかったなぁ。


でも、今は違う。


ふと、我に返ると——


自分の真っ赤なシャツと赤いグローブが、リングの照明に映えていた。


緋奈子(そうだ……勝負の赤色。緋奈子の赤色だ。


この色を着ている限り、私は負けない。


赤色の力を借りて、もう一度闘おう!)


緋奈子はゆっくりと立ち上がった。


体は痛むが、瞳に宿る光は以前より確実に強くなっていた。


緋奈子「まだまだ試合は、これから……

絶対にあんたには、負けないから!」 


DV野郎「ふん。立ち上がったか!」


自身の身体に秘めるパワーを悟った緋奈子は、赤いグローブを軽く打ち合わせ、構えを低くした。 


緋奈子(朱莉さん……見ていて。


私はもう、弱い女じゃない。


この赤で……絶対に勝ってみせる!)


DV野郎は苛立った様子で拳を構え直した。


DV野郎「まだやる気かよ……

いいぜ。もっと本気でぶっ飛ばしてやる!」


リングの照明の下、赤い情熱を纏った緋奈子と、黒いグローブの男。


二人の距離が、再び縮まっていく。


次回、いよいよ決闘が本格的に始まる——!

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