13話 ルールは倒れるまで!
貸切のジムに、雪の降る音だけが静かに響いていた。
DV野郎「ふん! 女のくせに!
決闘だ! 決闘! 早くしろよ!」
朱莉は冷静に、しかしはっきりと言った。
朱莉「まあまあ、そう焦らずに。
この決闘のルールは一つだけだから。
相手をボコボコにノックアウトした人が勝ちです」
DV野郎「俺の得意ルールだな。笑えるぜ」
緋奈子は静かに微笑んだ。
緋奈子「全力で楽しみましょう!」
朱莉「審判は、あたしが務めるよ!
2人はリングに上がってね!」
緋奈子はゆっくりとリングに上がった。
赤いシャツと赤い靴が、リングの照明に照らされて鮮やかに輝く。
彼女の足取りは、2ヶ月間の特訓の成果を感じさせるほど安定していた。
DV野郎も不機嫌そうにリングに上がったが、その足取りにはどこか余裕があった。
彼はリングの中央で腕を組み、緋奈子を上から下まで見下ろした。
朱莉はリングの外から二人を見つめながら、心の中で強く思った。
(緋奈子……ここは私たちが毎日練習したリングだよ。毎日300発叩いたサンドバッグ、毎日教えてきた技……全部、あんたの中に詰まってる。
あいつの嫌いな赤を着て……絶対に勝って!)
雪が窓の外で静かに降り続ける中、貸切のジムに聖夜決戦の本当の火蓋が切って落とされようとしていた。
緋奈子はリングの中央に立ち、深く息を吸った。
緋奈子(私はもう、弱くない。この赤いシャツと赤い靴が、私を守ってくれる。
朱莉さんと一緒に選んだこの色で絶対に勝つ!)
DV野郎は拳を鳴らし、にやりと笑った。
DV野郎「よし、始めるか。クリスマスプレゼントに、たっぷり痛めつけてやるよ!」
二人が向き合い、ゆっくりと距離を詰めていく。
リングの照明の下、赤い情熱が、静かに、しかし激しく燃え始めていた。




