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11話 対峙
朱莉はDV野郎を誘導しながら、ゆっくりとジムへと向かった。
やがて、見慣れたジムの建物が見えてきた。
今日は貸切。
中には緋奈子だけが待っているはずだ。
朱莉「もうすぐ着くよ。ここが、今日の会場です」
DV野郎「ジムか……ふざけんなよ。女が俺を倒すなんて相当頭おかしいんじゃねえか?」
朱莉は静かにドアを開けた。
中は照明が落とされ、リングだけが明るく照らされている。
いつもの汗と革の匂いが、今日だけは特別に緊張した空気を含んでいた。
朱莉「入って。緋奈子さんが待ってる」
DV野郎は鼻で笑いながら、ずかずかとジムの中に入った。
DV野郎「へへっ……なんだよ、この雰囲気。
クリスマスにジム貸切とか、頭おかしい女どもだな」
リングの上に、緋奈子が立っていた。
赤いシャツ、赤い靴。
全身を赤で統一した彼女の姿は、ジムの照明の下で異様に鮮やかで、力強く輝いていた。




