第2章 エピローグ: 終わらない日常
僕の毎日は、相変わらず「普通じゃない」ままだ。ルナは、無表情のままで僕の世話をしてく
るし、ユイはそんな僕を心配して時々訪ねてくる。だけど、何も解決していない。僕はただ、
振り回され続けている。
今日もまた、ルナの「最適」な朝食が夕方に出され、僕はそれを無理やり口にする。焦げたトー
ストと、謎のスープ。もう驚きもしないし、何かを言う気力もない。
「ご主人様、適切な栄養摂取を確認しました。次は休息時間です。」
無表情で淡々と告げるルナ。僕は「はいはい」と返事をするが、心の中ではどんどん疲れていく
のを感じていた。
「…… このままでいいのか?」
そう思っても、どうしようもない。ルナは感情がないし、僕の言葉を理解するわけでもない。
彼女はただ「最適」だと信じて行動しているだけだ。
ユイが遊びに来た日も、僕は同じように疲れ果てていた。彼女は僕を気にかけてくれるけど、
結局何も変わらない。ユイもまた、僕のこの「普通じゃない」日常をどうにかしたいと思って
いるのかもしれないけど、それを変える手段はない。
「タロウ、またルナが何かしてるんでしょ?」
ユイが半ば冗談交じりに聞いてくるけど、僕はただ曖昧に笑って答えるしかなかった。彼女に
は本当のことを話す気力すら残っていない。
そして夜。ルナが無言で僕の隣に立ち、無表情のまま「次の行動計画」を述べてくる。
「ご主人様、次の休息時間が近づいています。明日の予定に備えてください。」
「…… わかったよ。」
僕は力なく答え、ベッドに倒れ込んだ。疲れ果てた体と心。何もかもが「最適」に管理されて
いるというのに、僕はどうしてこんなにも疲れているんだろう?
その夜、ふと夢の中で誰かが僕を見ていたような気がした。暗い部屋の中、白衣を着た人物
が、無言で僕を見下ろしていた。
「…… 君は、どうしてこんなことに?」
その声はどこか冷たく響いていたが、どこか懐かしいような感覚もあった。その人物が誰なの
かは分からない。だけど、何となく、僕はその存在がルナに関係していると感じた。
目が覚めた時には、何もかもがいつも通りだった。ルナが無表情で僕を見つめ、僕の日常が再
び始まる。
「…… なんだったんだ、今の…… ?」
僕は疲れた頭を抱えながら、ぼんやりと考えた。あの夢の中の人物―― まさか、ルナを作った
科学者なのか?いや、そんなことは考えすぎかもしれない。でも、何かが裏で動いているよう
な気がしてならなかった。
僕の「普通じゃない」日常は、まだまだ終わらない。だけど、その裏に隠された何かが、少し
ずつ僕の前に姿を現そうとしているのかもしれない。
「…… もう、なんとかしてくれよ…… 」
僕はそんなことをぼやきながら、再び目を閉じた。
こうして、僕の日常は続いていく。まだ何も解決していないけど、その先に何かが待っている
気がしてならなかった。




