クライマックスシリーズセカンドステージ
「正味阪神に勝ったとしても、勝てるますかね、ソフトバンクに」
悟が沈んだ表情で言う。
三神は苦笑した。
「その前に、眼の前の試合に集中だ。阪神も油が乗ってる選手が多い……さらに、再来年のDH制度の導入に備えて外国人のテロスを入れている」
「守備難のテロス、ですか」
「短期決戦に強いと聞く。ミーティングで聞いたろ? 多分、出てくる」
悟は俯く。
「日本一、なりたいなあ」
「リーグ優勝もできなかったけどな、来年の課題だ」
バスは球場に到着した。
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(佐古田……)
練習風景に佐古田がいる。
彼も今やレギュラーだ。
と言っても、本業の三塁ではなく外野で出場機会を増やした。
内角打ちの上手さは本物だ。
打数は少なけれど、打率二割八分に乗せている。
二年目としては上々だろう。
「厄介な相手が増えたな」
一ノ瀬が心中を察したように言う。
「あいつと秋田で同じ高校に居たんですよ。反則みたいなもんだ」
ぼやくように言う。
おかげで甲子園の出場機会はそんなに多くはなかった。
「それに、彼もな」
もやっとする。
高卒で大リーグに加入した双子の兄。
人生のライバル。
自分が遠回りをしているような、そんな気分になる。
「眼の前の試合に集中、な」
一ノ瀬の頭に手を置かれる。
彼からすれば悟も自分も変わらぬのだな、と苦笑した。
試合が始まろうとしていた。
相手ピッチャーは木下。
今年頭角を表したピッチャーで、一点台の成績を叩き出す新進気鋭のピッチャーだ。
つづく




