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妖術師 入江義秋


「さて……キミたちはなぜこの地下室に侵入してきた?この地下室の入口は厳重に隠蔽したのにそれを発見するとは……」

 入江義秋は冷ややかな視線で上里春風たちを見下ろした。春風たちは紐で身体を縛られていて身動きができない。

「どうして旧図書館棟に地下室を秘密裏に設けたのかこっちこそ聞きたいわ」

 彩歌は気丈に義秋に問いかけた! しかし、義秋は無表情だった。

「質問に質問を返さないでください……もう一度キミたちに聞く……なぜキミたちは地下室に入室したのか?」

 義秋の瞳は冷酷だった。

(この状況から脱出しないと……でも両手が塞がれている)

 春風は焦った。どうにかして状況を葉月涼太に知らせなければならない。しかし、この状況では手も足も出ないし目の前の男は油断なき瞳をしている。

「フフフッ……おおかた東照院の使いっぱしりだということはわかっていますよ」

「……幽霊騒ぎの黒幕はあなたね?」

 義秋が不敵に笑う中、春風は静かに問いかけた。地下室内部に緊張が走った。

「玄関ホールに幽霊が出たときに私たちは旧図書館棟に通じる扉の前にいた……あなたは旧図書館棟から遠ざけたくて幽霊を使った。私の推理は当たっているかしら?」

「ほう……君は頭が回るようだ」

 義秋はそう言うとバカにしたように笑った。

(……気味が悪い)

 春風は義秋のことをそう思った。


◆◆◆◆◆


「……ここが図書館ですか。ここに入江義秋がいると聞きましたが何を企んでいるんでしょうか?」

 図書館を前にして葉月涼太はこの場所で繰り広げられる陰謀に打ち震えた。

「鬼が出るか蛇が出るか……覚悟しないといけませんね」

 涼太は恐る恐る図書館に入ると図書委員たちがざわついていた。

「……どうしたのですか」

 涼太は図書委員に事情を尋ねた。

「実は生徒会長一行が旧図書館棟に入っていったのですがそこで行方不明者が出たのです」

(先手を取られた!)

 涼太は心の中で歯噛みした!

「ここは私に任せてください。私が行方不明者を探してみましょう」

 そういって涼太は旧図書館棟に向かっていった。

 図書館と旧図書館棟に通じる扉の前に来るとそこには徳田真治と桜小路が立っていた。真治は焦燥した表情をしている。

「は、葉月さん……大変なことになりました。特別クラスの2人と図書委員の姉川さん、それとあなたの助手が旧図書館棟に入ったきりいなくなってしまいました」

「話は図書委員から聞きました……ここからは大人の私に任せてください」

「……本当ですか?」

 真治は不安そうに見つめてきた。

「大丈夫です……私に任せてください」

 涼太はそういって微笑んだ。

 直後扉の向こうから気配がした。涼太たちは身構えた。

「フフフッ」

 笑い声のようなものが聞こえると彼らは幽霊に囲まれていることに気づいた。

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